4月から一部の民放(5局)で深夜に放送してる新番組。
AT-Xでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は青年誌(コミックハイ!)のマンガで1巻だけ読んだことがあります。
※セル・レンタルDVDのリリースは6/22から
浅井麦は極度のあがり症で緊張すると声がでなくなるほどだった。
自己紹介すら満足に出来ないので人前で何かをするなんて考えもしなかった。
しかし、そんな麦の隠れた素質!?に目をつけた先輩に誘われある部活動へ。
正確にいうと先輩に誘われた麦は緊張から逃げるために同意しただけだけど。
自分が入った部が演劇同好会と知った麦は、すぐに逃げ出そうとするのだが、
親友の佳代に裏方だってあるんだしと説得され、しぶしぶ参加することに。
その演劇同好会。実は麦を含めてたったの5人しかいなかったのである。
当然ながら「む…無理です」の口癖も空しく麦も舞台に立つことになった。
果たして麦は人生最大の試練を乗り越えることができるのか!?
この作品の掲載されてるコミックハイ!という雑誌には
「男性向け少女漫画誌」なるみょーなキャッチコピーがついてたりします。
(ならZERO-SUMはさしずめ女性向け少年漫画誌って感じか)
実際に読んでみると確かにそのような、そうでないような。どっちやねん!
そんな掲載作の中でもこれは確かに少女誌に載ってても違和感は無いかもね。
と言うあたりを基礎知識として持ってると、この作品は理解しやすい。かも。
この作品の主人公の麦はアニメではちょっと珍しい凄く後ろ向きな性格。
それというのも極度なあがり症で目立つことが苦手だからなんだけど。
でも麦を見てるとみょーに共感できてしまう部分もあります。
実は自分もかなりのあがり症だったから……てゆーか過去形などではなく。
さすがに声が出なくなったり失神したりするほどヒドくはないけど。
緊張して頭が真っ白になって何を言いたいのかわからなくなったりはしたよ。
今は歳をくって多少の度胸はついたから学校の頃ほどは緊張はしないけど。
その度胸のついた要因の一つとしてコーラス部をやってた経験があります。
つまり強引でも麦を演劇の世界に引っ張り込んだのは正しいわけです。
麦が緊張してない時に意図せず凄い大声を出してしまうという設定も、
人前で喋りなれてないと声のコントロールが難しいので妙にリアルだし。
もしかして作者の人の経験談なのかななんて思いつつ(原作を)読んでました。
アニメの出来に関して。
映像面もストーリー面も普通にクオリティが高くていい作品って感じ。
今期はどこか問題のある作品が多いので普通に出来がいいのは貴重です。
映像面での具体例を挙げると、まず橋の目立つ華やかな背景がイイ。
この橋はアニメで追加された設定で洗練された雰囲気が感じられます。
学校の外観や内部構造も芸術系の学校っぽいオシャレな雰囲気だし。
キャラの仕草も1話冒頭の麦の口パクパクを筆頭に凄く丁寧に描いてるし。
麦がジタバタしてる部分を含めて仕草が付加されたことで表情が豊かに。
麦の妄想シーンの映像は中身も回数も原作よりパワーアップしてるし。
野乃先輩の伝説や黒い行動や天然っぷりも原作よりも際立つ感じに。
元々あったキャラの特質がよりハッキリくっきりと描かれています。
オープニングの映像も今期の作品の中ではかなり上位に入ってるよ。
原作とアニメの対比について。
ストーリーは基本的に原作にそった構成になってます。
ただし比較してみるとかなり珍しいページ配分だったりします。
1話が序~一幕、2話がニ~四幕、3話が五幕、4話が六~八幕なので。
※1~4話でちょーど原作1巻分
つまり1、3話は大幅に書き足されてて、2、4話はほぼ原作そのまま。
主に実際に演劇をしてるシーンが大幅に書き足されているのです。
演劇モノという作品の方向性をよく見極めたアレンジをしてますな。
3話なんか準備してる部分から本番までの大半が追加されたシーンですよ。
麦の初舞台で声を出すまでやたどたどしく喋るあたりは手に汗握ったよ。
ここなんか原作と見比べると実に上手く映像化してるのがわかります。
そーいえば、
1話の次回予告で麦が「み、見ないでください」とか言うのです。
普通だったら来週も見てくださいとか言う次回予告で見ないでって……
そんな作品は前代未聞だろうよ。