これでラストです。
「ひと夏のファンタジー」と言ってるから最後には元の姿に戻る。
最初はそう思って見てました。
だけで物語が進むにつれて必ずしもそうなるとは限らないなと思った。
自分や周りが新しい姿を受け入れればそれが本来の姿になるわけで。
元の姿には戻らなくてもひと夏のファンタジーは終わるから。
そして、ラストのあたりはそうとも解釈できる展開になってたりする。
実際のところ最後にどーなるかは自分の目で確かめろってことで。
では今回のぶんのあらすじ(ネタバレ)。
尋兄と淑子さんの過去を知ってしまったからだは家出をしてしまう。
自分がずっと尋兄に負担をかけて自由を奪ってたと思ってたから。
尋兄が自分のために捨ててきたのが淑子さんだと知ってしまったから。
大人になりたいと願ったせいで淑子さんまで子供にしてしまったから。
(からだがそう思い込んでるだけで本当は違うけど)
尋兄を自由にするために願ったのに結局みんなに迷惑をかけてたから。
これ以上迷惑をかけたくないから、一人で生きていこうとした。
その結論が「あさっての方向」にずれてるのだと気づきもせずに。
からだは体こそ大人になったけど、知識も経験も小学6年生なわけで。
当然のことながら変わってしまった姿での戸籍や履歴があるわけもなく。
働き口を探すのも大変だった。けど手探りでやり方を修正していった。
そして、いつか来た海のそばのペンションに新しい居場所を見つける。
からだが居なくなったのを皆そのまま放って置いたわけではなく。
心配で探していた尋は偶然にもからだのすぐそばまで辿りついた。
しかし「ごめんなさい」と泣きながら遠ざかるからだになすすべもなく。
(からだがペンションにたどり着く前の話)
からだが何故こんな行動に出たのか、自分が何をすべきなのか、見失う。
椒子は今の関係はからだが繋いでいたのだと知り尋の家を出ていった。
網野はからだから来た暑中見舞いに疑念を抱いて尋を問い詰める。
そこで網野はからだが家出をして行方がわからないのだと知る。
(ここで姿が変わってしまったことまでは説明してない)
網野は偶然一緒になった琴美と一緒にからだの手がかりを探してた。
からだが見つけるまで帰らないという網野に琴美はある場所を案内する。
元から琴美は(元)先生の誘いでここに泊まりに来る予定だったのだ。
その場所こそからだが働いてたペンションで。そして二人は再会した。
自分をここまで必死に探してくれる網野くんの気持ちを嬉しいと思った。
そうまでして自分を探す理由を知って、心に温かいものがあふれてきた。
(網野くんは本人に告白してると気づいてませんが)
だけど変わってしまった姿で自分の本当の名を伝える勇気がなくて。
雨の中で無理して熱を出した網野くんを見て隠してられなくなって。
網野くんに自分がからだだと伝えた。でもわかってもらえなかった。
からだはどーしたらいいのか分からなくて、椒子さんに助けを求める。
そして……
あとの展開は自分の目で確かめれ。
アニメオリジナルキャラの琴美ですが、
さりげなくストーリーの重要なポイントを担ってしたりして。
網野くんがからだのペンションに辿りついたのは琴美のおかげだし。
琴美と先生の関係の深さは不思議なことが好きな父の影響であって。
不思議なことが好きだったからこそ密かにアレを持ってたわけで。
と言ってもあくまで淡い期待で凄く信じてたわけではないだろうけど。
公式サイトにからだのライバル登場!?みたいに書いてあったけど、
網野くんにとっては従妹のお姉さんって感じ。双方ともそう思ってる。
そもそも見た目はともかく網野くんは小学6年生ですから……
もっと歳取れば別だけどこのぐらいでこの年齢差だと対象外でしょ。
(小学生だけどカッコよくてドキドキみたいな作品もあるけどな)
どっちかと言うと、からだと網野くんの仲を応援してた感じっすね。
いかにも人のために生きますみたいな性格ではないのに、
育ちがいいのか自然体で関わるみんなを幸せにしてしまってる。
わざわざオリジナルで出しただけあって、いいキャラだったなと。
この物語はからだと椒子さんが自分を受け入れていく物語で。
新しい姿を含めて自分を受け入れてもらう物語でもあるわけで。
尋兄に新しい姿を受け入れてもらうのが序盤の一つの山場でした。
そして終盤の山場として網野くんにも受け入れてもらう展開が。
それに絡んでからだと網野くんの関係が近づく構成にもなってたり。
二人とも小学6年生だからそれはないかなと思ってたのに意外や意外。
元の姿だと絵にならないけど、大人からだと網野くんは絵になるなと。
と言っても中身はやっぱり小学6年生ですが。
物語の最後に関係がキレイに収まるので見てとても満足感がありました。
(ネタバレになるので具体的には書きませんが)
それぞれの抱えてた想いの行方にもきちんと折り合いが尽くし。
現在進行形で未来へと続くのではなく、ひと夏の物語として完結してる。
上手くいかないくてもどかしかったり、必死なのにずれてたりするけど、
人間の醜い面はあまり出さない、澄み渡るような爽やかでキレイな物語すね。
受け入れる、受け入れてもらう、という意味でこれも一つの癒し系でしょう。
最後にどーでもいい話。
原作を読んでて思ったけど作者はおそらく女性だと思われます。
元々スクエニ傍系は女性が多いし。以前ウイングス系で描いてたし。
こーゆーキャラ描写は男性作家はあまりやらないし。ってことで。
いつものごとく保証はしませんが。