続きを見る前に倉庫から原作の1巻を持ってきて読み返しました。
で気づいたんだけど、アニメの内容って原作と全然違うよ……
確かに原作の大枠には沿ってるしキャラ描写も原作に忠実だけど、
ストーリーの展開もキャラの設定もかなり大幅に変えてしまってる。
原作の意味を描くために大胆に再構成してしまったって感じすね。
どことなく劇場版AIRのアプローチに似てるかもしれない。
なので原作ファンにはいろいろ言われるんじゃないかなと。
原作と比べて特に大きく違うところはプロセスの描き方かな。
アニメは一つ一つのプロセスをとっても丁寧に描いてるのです。
例えばからだと淑子さんが自分の変化を受け入れるプロセスとか。
姿が変わってしまった後の生活を組み立てていくプロセスとか。
尋兄が姿が変わってしまったからだを受け入れるプロセスとか。
原作だとあっさり流してる部分をじっくり丁寧に描いてるのです。
そして緻密で現実的な空間描写と丁寧なプロセス描写の相乗効果で
原作とは比較にならないぐらい感情が伝わってくるようになってる。
大胆に変えちゃってるけど、決して原作を無視してるわけではなく、
原作の持つエッセンスがより伝わるようにアレンジしたって感じ。
だから忠実ではないけど素晴らしい映像化だと思う。
原作ファンがこれで納得するかは知らんけど。
原作と全然違うので原作を知ってても先が全く読めません。
知ってると言っても1巻だけだけど。
(続きはアニメが終わったら読むかもしれない)
その1巻分の内容はかなり違うけどほぼ6話までの内容で。
ラストが願い石の手ががりを求めて旅行に出ようとしたところ。
アニメは8話までに旅には出てないのでその展開が有るかどうか。
それとは別に全てを知ったからだが家出をする展開になってるし。
おそらく1クールだと思うけど物語がどこに至るのか未だに予測できん。
でも4話や8話に大きな山場を作ってあるシリーズ構成から考えて
物語の最後に大きな見せ場があってしっかり終わらせると思われます。
何らかのカタチで終わらせるために内容を再構成したんだと思うから。
(そもそも原作はまだ終わってないはず)
今回見た部分のあらすじ。
尋兄が二人の姿が変わったのを納得したけど、
でもやっぱり互いにぎこちなさみたいのが残ってるわけで。
姿が変わったことでの生活や周りの変化にもまだ戸惑いがあって。
それでも三人で一緒に暮らすことでだんだんと慣れていった。
そして些細だけど二人にとっては大きな意味のあるイベントが訪れる。
過去にやりたくてもできできなかったことを二人でやり遂げたことで、
この奇妙な三人の共同生活は心地よい関係になったような気がした。
このままいつまでも続くんじゃないかと幸せな錯覚をした。
しかしからだは知ってしまったのです、尋兄と淑子さんの過去を。
今回の内容の中で特に印象的なシチュエーションは
からだと淑子さんが尋兄の誕生日のケーキを作るプロセス。
からだにとっては小さい体ではしたくても出来なかったこと。
そして淑子さんにとっては昔やろうとして出来なかったこと。
冒頭の(付き合ってた頃の)尋兄をつれて食事に出るシーンに
前と後の部分があるのが後でわかる構成には脱帽だったよ。
この部分に関しては同じ回の中でそのままカードを開いてるけど
他にも断片で見せたシーンの前後を後で見せる手法を多用してる。
断片のシーンにもその時点での意味がもちろん存在してたけど、
前後のシーンが追加されることでより深い意味を持ってくる。
断片と断片の隙間が次第に埋まりキャラの存在感がどんどん増してくる。
「よみがえる空」もそうだったけど今回も脚本の上手さが光ってる。
そして「よみがえる空」同様にあまりヒットはしなそうだ(爆)。
てゆーか普通の人間模様を描いた作品を面白いと思う人たちは
あまりアニメを見てないというか、間違いなく少数派だというか。
ARIAのアニメ企画もチャレンシャーだなとは思ったけど
ARIAはまだ見た目が萌えアニメっぽく見えなくもないから。
だけどこの作品に関してはえっ?マジでやるの?と思ったぐらい。
でも結果としてこんな素敵な作品になったのだから嬉しい限りです。