4月からテレビ東京系(3局)で日曜日の深夜に放送中の新番組。
AT-Xでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。
※セルDVDのリリースは7/25から(レンタルは7/29から)
ARIAのセカンドシーズンです。今回も四季構成みたいなのでまさに第2期。
ちなみに6話までが春のエピソードで7話から夏のエピソードみたいです。
と言うことはつまり今期は2クールやると言うことです!びっくりだよ。
アニメ化されただけで驚きだったのに、第2期まで作られることになって、
それが2クールだなんて、奇跡の大盤振る舞いです。<恥ずかしいセリフ禁止!
やらしい話をしてしまうと、1期のDVDが予想以上にスマッシュヒットしてるし、
原作のストックはまだ大量にあるし、売れるネタは逃さん!ということですな。
1巻の発売前のAmazonのランキングを見ててそれなりに行くとは思ったけど
強力タイトルが目白押しの月末であそこまで上位に入ってたのには驚いたよ。
参考までに月末頃のオリコン週間ランキングでのテレビアニメの売上順位を。
Fate→BLEACH→なのはA's→蟲師→ARIA→シャナ→舞-乙HiME→ぱにぽに
→ハチクロ→かみちゅ→エウレカセブン→BLOOD+→SHUFFLE→苺ましまろ
※月末は激戦なので月(巻)によって順位が多少違います
こんだけ上位に入るならさぞかし景気の良い予約発注の数字が出ただろうし、
その数字を根拠にして放送中に第2期製作が決まっても不思議はなかったすね。
ちなみに視聴率はとっても低かったそうで……
第2期のテーマは出会い……ってナニ?とか思ってました。
この作品って出会いと別れみたいな内容を描いた作品じゃないし。
暁さんやウッディさんやアルくんとは(初登場から)知り合い状態だし。
いったい誰と(何と)の出会いって意味なのかなと。
そして1話が放送される。カーニバルの日にカサノヴァに出会う展開で。
そうか!今期はこの街での素敵との出会いを描くんだ!と理解しました。
1期とどこが違うんだよ、というツッコミは無しの方向で(笑)。
原作をちゃんと読んだことがある人には説明するまでもない話だけど
ARIAには不思議なことに遭遇するエピソードが何本も有ったりします。
1期はそのへんがカットされててオリジナルの時間を超える話だけだったすね。
今期は1話からやったぐらいだし不思議系の話も存分に入れてもらえそうだ。
前にちらっと書いたけど7話の「猫の王国」は特に好きなエピソードなのです。
そして不思議系の話には大きいネコさんが毎回のように出てきたりします。
D.C.(アニメ1期)のサイドエピソードの不思議さんでこれを思い出したよ。
※時期的にはARIAの方がはるかに古いはず
素敵なことをただ待ってるのではなく自分の足で見つけるという側面も。
そんな方向性の作品なので散歩するというエピソードも何本もあります。
2話の街で宝探しをする話や、5話の島へ遊びに行く話がまさにそうだし。
特に宝探しで街を探検する回が特徴的だけど、楽しいことや素敵なことは
どこか別の特別な場所に存在するのではなく、実は身近にあるみたいな。
感覚を研ぎ澄まして見なれた風景をよく見れば素敵はすぐそばにみたいな。
この作品の主人公は灯里とその友達の藍華とアリスだけど
実は影の主役……と言うかむしろ真の主役がいる(有る)のでした。
それはこのネオ・ベネツィアという街。つまり作品の舞台になってる空間。
灯里たちはこの街をお客さん(視聴者・読者)に案内するまさに水先案内人。
灯里の素敵フィルターによって些細な素敵が大きく増幅されるみたいな(笑)。
実際にこんな感じのガイドさんがいたら旅がとっても楽しくなりそうだね。
そして第2期はその主役とも言える街をじっくり見せてます。
1期はたったの13話で主要キャラと作品世界を描く必要が有ったので
わりと端折られ気味だったけど今回はゆっくりじっくり見せてくれてます。
※原作では毎回ここぞという瞬間に大ゴマで空間を見せる手法を使ってる
背景美術が全ての回でとても力が入ってるので空間がとても魅力的すね。
(1期は予算配分の関係か回によってずいぶん差が有ったような)
空間描写に予算を割きすぎたのかキャラが止まってる部分も目立つけど。
この作品は動かすより空間を見せることが重要だから正しい選択だと思う。
では恒例の原作との詳細な比較を。
もちろん細かい違いはいちいち書いてません。大量に違うので。
以降の内容は比較の性格上かなりネタバレしてるのでご注意!
1話。カーニバルのベースエピソードはARIA2巻の「謝肉祭」
大筋の展開は原作に沿ってるけどディティールはかなり違います。
そもそもこの回はアニメオリジナルキャラのアイちゃんがいるし。
それぞれのシーンで説明する人と聞く人も原作とはかなり違います。
セリフを喋る人が原作と違うのはここに限らず大量にありますが。
原作では時期的にアリス&アテナさんと晃さんも出てきません。
暁さん&ウッディさん&アルくんも出てきません。なにげに全員集合だ。
ガチャペン&ポニ男ってセリフはAQUA2巻の「花火」からの切り抜きすね。
カサノヴァを追いかけて一緒に歩く部分は原作とほぼ同じ内容です。
(原作だとアイちゃんがいないのでここは灯里だけですが)
こーゆー内容は映像にすると凄くインパクトがあるっすね。
2話。街の宝探しのベースエピソードはARIA3巻の「街の宝物」
サンマルコ広場のエピソードはARIA5巻の「影追い」から。
このエピソードは「街の宝物」に「影追い」を混ぜてあるのです。
(2話と3話のエピソード織り込みは今期は藤咲あゆなさんがやってます)
原作と違う部分としてはまず最初の宝箱を発見するシチュエーションが。
原作だとゴンドラの修理で代わりに借りた年代モノのゴンドラの中にある。
1つ目の宝箱の位置は原作と同じで2つ目の位置は原作とは微妙に違います。
実は原作では2つ目の宝箱のとこでレストラン(?)に寄り道をするのです。
アニメではそこの展開をアレンジしてサンマルコ広場の宝箱にしてある。
あと目立つ違いは最後に下る小道の入り口と小道そのもの。
原作では目立たない細い道でアニメみたいに秘密の通路っぽくはないので。
原作とは解釈が違うけどアニメのほうが秘密の宝物みたいな感じだね。
3話。流星雨のベースエピソードはARIA5巻の「流星群の夜」
お鍋&重力の話のエピソードはARIA2巻の「星の謳声」から。
1期では通行人に毛が生えた扱いだったアルくんがめいっぱい目立つ回が!
アルくんのファンも草葉の影で喜んでいることでしょう。<勝手に殺すな
実は原作の「星の謳声」はアルくんの初登場のエピソードだったりもする。
このエピソードはアルくんの案内で地下の構造物を見にいく内容なので
お鍋を食べてる以外のメインの案内の部分はアニメではカットされてます。
鍋を食べてるお店も原作だと地下の構造物の一角にあったりして。
ここでこの話を使っちゃったので地下を見にいくのはやらないってことか。
流星群を見てるところで地下の構造物の絵が少しづつ挿入されてるし。
※光る玉にもちゃんと意味があるので興味が有ったら原作を参照
「マンホームに古くから伝わる高等古典」もアニメで追加された部分(笑)。
アルくんの見た目とは裏腹のびみょーなオヤジくささを演出してます。
4話。郵便配達のベースエピソードはARIA5巻の「郵便屋さん」
この回は後半の昼食から空くん&結婚式までがアニメで追加された部分です。
その後の(原作では描写されない)配達してる部分もアニメで追加された部分。
郵便配達の目線で街を見ていくだけの内容(この作品ではわりとある)を
どうしても伝えたい想いを郵便で伝えるという方向で膨らませたようで。
郵便屋さんの仕事を印象付けるという意味でいい感じにアレンジしたなと。
原作を知らないと(知ってても)追加された部分こそメインに見えるぐらいだし。
最後の言葉の部分が追加されたエピソードによってより説得力か出てるし。
5話。この回は1期でもやってたエピソード2本立て。
1つ目の狐の嫁入りのエピソードはARIA1巻の「お天気雨」
原作の通常の長さをアニメの半分の長さでやってるのでほぼそのまんま。
全編が絵になる光景なのも狐の嫁入りに出会う不思議体験もそのまんま。
詳細に見比べてみたけどセリフやカット構成が微妙に違うぐらいだね。
(原作だと季節が秋だけど内容にはほとんど影響がないから)
このエピソードもとても好きな話の一つなので映像化されて凄く嬉しいよ。
2つ目の廃線の冒険のエピソードはARIA3巻の「満開の森の桜の下」
森に入ってお弁当を食べるあたりから花の道までが追加された部分。
原作だと駅の廃墟のところで「ここが出発地点」って言うのです。
廃線の線路に花が咲いてるのや花の話もアニメで追加された部分です。
うち捨てられてからの時間を実感されるアレンジになってるのでした。
最後の車両と桜が光り輝くシチュエーションは原作そのままだけど
アリシアさんの話に続いてこの映像が有ると凄くインパクトが有るね。
原作を読んでて映像化したら映えるだろうなと思ったけどこれほどとは。
6話。アリスにお呼ばれするのベースエピソードはARIA7巻の「鏡」
この回は原作そのままの構成で間と余韻を大幅増量した内容になってる。
追加されたシーンは冒頭の二人を誘う部分と、庭の部分しかなかったり。
原作にあるシーンではセリフもほとんど原作通りで追加されてないし。
その代わりに例えば食堂で料理をバイキング風に並べてる部分のように
ディティール描写を大量に追加して空間の存在感を増す方向になってます。
ここまで原作の構成そのままでよく1話になったなと逆に感心してしまう。
蛇足だけど微妙な違いとしてお風呂のシーンは原作ではタオルを巻いてたり。
アニメではタオルを巻いてないけどお湯につかってるので見えません(笑)。
そもそもタオルを巻いてお風呂に入るのはマナー違反ですね。
(原作は雑誌の読者層の関係でそうなってるのかもね)
6話って1期3話の笑顔を練習してるシーンの応用編に見えます。
アニメで見てると自然に積み重ねたエピソードのようですが……
笑顔を練習してるシーンは実はアニメで追加された部分だったり。
まるでこうなると見越して仕込んだような見事な補完になってるよ。
7話。猫の王国のベースエピソードはAQUA1巻の「猫の王国」
冒頭の3人で練習してる部分は実はアニメで追加された部分だったり。
原作だとアリシアさんとの会話の部分から始まってるのでした。
(この会話のシーンは原作だと探検をする日の朝です)
原作だといきなりどこかに出かけるアリア社長を追っかける導入なので、
練習中に偶然アリア社長が謎の路地に入るのを目撃する前振りがあるのは
わりと唐突な原作の導入部分より説得力があるアレンジになってるなと。
不思議な路地に入るのも同じ場所をぐるぐる回るのも原作そのまんまです。
あの風車がまわってる不思議な光景も原作のそのんまんまっすね。
※このへんはうる星(アニメ)の影響を色濃く受けてると思われる
漕ぎ手が灯里に代わるのと(聞こえない)声に誘われるのは追加された部分。
原作よりも迷宮に閉じ込められた印象がより強烈になってるのです。
この路地がいつもは入れないって設定もアニメで追加された部分すね。
アニメだと冒険の翌日には通路が閉まってるけど原作だと開いてるし。
さて次は夏のエピソードです。
1期にやらなかった夜光鈴の話をついにやるかと思うと凄く楽しみです。