4月から一部の民放(11局)で深夜に放送中の新番組。
原作はライトノベル(スニーカー)で読んだことはありません。
※セルDVDのリリースは6/23から(レンタルは6/30から)
クラスの自己紹介で悪い冗談としか思えないことを口走った涼宮ハルヒ。
黙ってれば美人な彼女のその発言が冗談でなかったことをすぐに思い知る。
隣の席だからとうっかり話しかけ会話が成立してしまったのが運の尽き。
宇宙人でも未来人でも超能力者でもないごく普通の高校生であるオレは
奇人変人大集合の涼宮ハルヒと愉快な仲間たちに半ば強制的に加えられ
退屈とは無縁の好意的に解釈すれば刺激的な毎日を送ることになるのである。
と言うか出来ることならうっかり話しかけた過去のオレにやめろと言いたい。
なんかいきなり「朝比奈ミクルの冒険」なる謎映像で始まる。
黒い外枠付きだし、色が変だし、
カメラワークとはお世辞にも言えない素人まるだしの画面構成だし、
登場人物は大根役者だらけだし、ストーリーもメチャクチャだし、
文化祭とかで上映されるしょーもない自主制作映画のような……
つーかこの映像はまさにハルヒが作った自主制作映画だったりして。
バトルシーンで無駄にズームインするとこなんか実にそれっぽいね(笑)。
カメラを持った初心者はいろんなカメラワークをついやりたくなるから。
(あそこはやるならカットして片目アップだと思う)
どーせなら顔を下から見上げる(アオリ)とか上から見下ろす(俯瞰)とか
なんの脈絡も必然性もなく使っていればさらに完璧だったすね(何が)。
もちろんキョンの淡々としてでも鋭いツッコミ入りで。
自主制作のしょーもない作品を実際に見たことあるならわかるだろうけど
はっきり言って素では全くもって視聴に耐えません。放送もできません。
しかしこの映像はなぜかそこそこ見れてしまいます。楽しめるのです。
理由は簡単でナレーションのようなキョンのツッコミがついてるから。
最初これ自主制作映画についてる音声トラックなんだと思ってたよ。
それだと中の人(出演者)に比べて上手すぎだし。ツッコミ鋭すぎだし。
もしこの映像にこのセリフをつけられるなら監督は凄いセンスの持ち主だし。
と言うわけでよーするに試写会を見てるキョンの心の中の言葉なのでした。
黒枠&変な色も試写会だからってことのようで。
2話目からちゃんと本編が始まる。
序盤の展開は上の説明通りだけど、最近のノベル原作アニメの常套手段である
全編をト書きともモノローグともセリフとも言える言葉で畳み掛ける手法で、
言葉そのものの面白さで魅せるテキストエンターテイメントとでも言うか、
文字のみで構成されるノベルが原作なのを実感しやすい作品になってます。
ぶっちゃけると気の抜けた映像でも今と面白さは大差ないと思われる……
(1話以外は映像作品である必要すらあまり感じなかったり)
京都アニメお馴染みの凄い気合の入った映像でこんなこと思うのも何だけど。
もう一つの特徴的な部分が変人と称されるハルヒのキャラクター。
発言や行動が常軌を逸してるのは実際に見てもらえばまさに一目瞭然です。
でもハルヒの全ての行動の規範は「現実がツマラナイから面白くしたい」で、
それ自体は思春期にありがちな閉塞感と枠組を破壊したい衝動みたいなもの。
誰にでもある感覚をハルヒは極端な行動に移してるだけ。かもしれない。
この作品はあくまでもハルヒの行動が極端なだけの日常的な物語。
だと思っていたのに、いきなり長門有希の「私は宇宙人」発言が……
さらには未来人やら謎の転校生(超能力者)なんかも登場して。
それらがハルヒの周囲に集まったのには極めて深い理由があるのだとか。
この世界はハルヒの意志によって作られてて、つまり神みたいなもので、
ハルヒの機嫌を損ねたら世界がリセットされてしまうかもしれない、とか。
もはやどこからつっこめばイイですか?みたいな様相を呈してきます。
いったいこの作品はどこに向かって進んでいくのでしょう?
エキセントリックな内容に相応しく構成も実にエキセントリック。
1話から自主制作映画の試写会とか時間軸を全く無視してるし。
2~3話と物語を進めて長門有希の「私は宇宙人」発言で終わった次の回には
前ふりを無視してなぜか野球をやってるし。しかも突然一人増えてるし。
で5話でやっと3話の続きの内容が……
次回予告でハルヒが(実際と違う)第XX話と言ってキョンに訂正されるけど
実はハルヒの言う番号こそが時間軸で並べた本来の話数かもしれないね。
※DVDでは放送と収録順が違うとか
こんな感じ(リアル話数→ハルヒ話数)
2話→1話「涼宮ハルヒの憂鬱I」
3話→2話「涼宮ハルヒの憂鬱II」
4話→7話「涼宮ハルヒの退屈」
5話→3話「涼宮ハルヒの憂鬱III」
6話→9話「孤島症候群(前編)」
7話→8話「ミステリックサイン」
そーいやこれのED曲がずっとAmazonランキングの1位にはりついてたよ。
そんなに印象的な曲だったっけ?というかすぐには思い出せなかったり(爆)。
キャラが踊る映像にインパクト有りすぎで曲は耳を右から左に抜けてます。
あのアイドルとかのいかにも振付けしました的なわざとらしい動きの踊り。
しゃがむ以降の一連の動きってそれっぽい振付けする人いなかったっけ?
ラッキィ池田とか(テキトーに言ってるだけなのでねんのため)。
そんな踊りを絵で描いて完璧に再現するズレまくった気合の入れ方に唖然(笑)。
これのコンテ・演出と1話(朝比奈ミクルの冒険)のコンテ・演出って同じ人だよ。
最後にお約束のツッコミを。
「超監督 涼宮ハルヒ」って誰よ!(笑)
「シリーズ構成 涼宮ハルヒと愉快な仲間たち」って(以下略)
※スタッフクレジットにそう書いてある