去年大々的に公開された劇場用アニメ。DVDレンタル。
内容に関しては説明が面倒なので公式サイトを参照!(汗)
とにかく第一印象としては凄い金がかかってる(笑)。
ものすごい予算をかけて作ったと宣伝するだけのことがあって
アニメに有りがちな誤魔化しとか節約のテクニックを使わずに
真っ正直に全部動かしてます。CGを使ってる部分も結構あるけど。
そーいう意味では確かに凄いというかビジュアルに圧倒されるっすね。
今の日本のアニメの作画レベルは制約さえ無ければこーなるって見本かも。
ただ物語の展開的には世界を意識し過ぎなのかなって感じが。
まるでハリウッドの売れ線アクション映画を見てるような気分だし。
特に序盤の車に追っかけられるシーンから列車が襲われるシーンなんか
まるでインディ・ジョーンズかよ!って感じの展開だし。いいけどね。
AKIRAの感想ではろくな評価をしなかったくせになんだけど、
以前の作品は画面から得体の知れない凄いパワーがあふれてたよ。
歳をとって丸くなったのか、普通になっちゃったなって感じ。
クセがないぶん誰が見てもわりと楽しめる作品になったとも言える。
でも多くの人は大友作品としてこんなのを求めてるんでしょうか!?
AKIRAが世界で絶賛されたのはハリウッド風だからでは無いはずだよ。
ある意味ジブリを見に行ったらイノセンスをやっていた。の逆だね。
※イノセンスはジブリ配給ですから
もひとつ気になったのは気分的な盛りあがりが分散してるとこ。
宣伝で流れてた女の子を抱っこして飛ぶシーンがクライマックスか
と思ったら実は違ってて(ネタバレ)。盛り上げポイントの一つだけど。
一番のビジュアル的なカタルシスはそこよりかなり前の城が飛ぶトコ。
しかしこれ主人公の行動とは無関係に進行する出来事なので
主人公の視点にシンクロしてても気分的な盛りあがりに欠けるのです。
全てが当事者だったラピュタと見比べると意味がよく分かるかと。
(最後に飛んで逃げる部分がそっくりなんですけど)
つーか、タイトルや宣伝映像から
てっきり初めて蒸気で飛ぶその瞬間に向けて盛りあがる展開かと思った。
つまり抱っこして飛ぶシーンこそが初飛行でクライマックスなのかと。
それぐらいシンプルな方が映像と情緒の臨界を一点に集中しやすいはず。
すごく分かりやすい例をあげるなら「オネアミスの翼」っすね。
あれなんかただ史上初めてロケットを打ち上げるだけの物語だけど
だからこそその瞬間に向けて物語が収束していけるわけで。
ま、面白いとは思うけど。