まめに録画する根性はない。DVDを買い続ける金もない。 だからレンタルビデオで行こう!

ARIA The ANIMATION 1~6話

10月からテレビ東京系(6局)で水曜日の深夜に放送してる新番組。
AT-Xでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
原作はスクエニ傍系(BLADE)のマンガで全巻持ってます。
今よりずっと未来の話。水の星アクアのネオ・ヴェネツィアが舞台。
街をボートで案内するウンディーネに憧れてマンホームからやってきた
水無灯里(あかり)と同じ道を志す藍華とアリスの3人を中心にして、
いつもの穏やかな日々を灯里目線で素敵いっぱいにしてしまう物語。
癒しという言葉がこれほど似合う作品もないと思う。

実はずいぶん前からこの作者(天野こずえさん)のファンでした。
(この週記を何年分も遡ると書いてあるけど)
浪漫倶楽部の頃からだから最古参の部類に入るんじゃないかな。
アニメ化されるなんて考えたこともなかったので動いてるのが不思議な気分
ちなみにARIAって知ってる人は知ってるけど最初は少女誌(ステンシル)に
載っていた作品でエニックス内乱の時にBLADEに移籍したのでした。
※ステンシルの頃はAQUAというタイトルだった
これステンシルのまんまだったらアニメ化は難しかったんじゃないかな。
今ほど大量にアニメが放送されてても少女誌原作はほとんど無いから。
そう考えると偶然が積み重なったまさに奇跡のアニメ化かもしれない。

作品を実際に見て。原作のカラーの配色に似た明るくキレイな色の空間に、
穏やかな時間が流れて緩やかな音楽が充ちてる雰囲気がとても心地よい。
ゆっくりと流れる背景なんかまるで絵画のような絵になる風景だし。
描かれるエピソードも日常のあたりまえで些細なことだったりするのに
それが楽しかったり素敵だったりととても情動に満ち溢れているし。
アリシアさんの「あらあらうふふ」も実にイメージぴったしだし(笑)。
藍華の「恥ずかしいセリフ禁止!」のタイミングも実に絶妙だし。
まさにARIAからイメージするそのままが動く映像になってるというか。

話数からいってエピソードの抜粋になるのは想定の範囲だったけど、
原作をここまでアレンジしてくるとは思わなかったので正直驚いたよ。
オリジナルキャラが出るという時点でその方向性に気づくべきだったかも。
記憶の中のアバウトな原作の内容と比較する限りは原作のエピソードを
ベースにしながら部分的に追加や改変が入ってるなって感じだったです。
でも原作と比較したら結構大胆にアレンジが施されてることに気づいたり。
それはベースになるエピソードに別のエピソードを織り込むと言う手法。
別のエピソードを組み合わせながら一つの話として違和感なく仕上げてる。
吉田玲子さんは上手いと前から思ってたけど技量を初めて思い知ったよ。
(Canvas2は原作を知らないのでどこまでが吉田玲子さんの力かわからん)

原作は手元に4巻以降しかなかったので倉庫から全部持ってきた
そして1話ずつ詳細に内容を比較してみました。
※細部はかなり大幅に違うのでいちいち書いてません
以降の内容は比較の性格上かなりネタバレしてるのでご注意!

1話。この回に出てくるアイちゃんはアニメオリジナルキャラです。
でもこの回のベースエピソードはちゃんと原作にもあるのでした。
ARIA1巻の「ネオ・ヴェネツィア」(一番最初の話)がそれで
案内するのは女の子ではなくスーツを着たちょっと頑固なお爺さん
最初は楽しくなかったけど最後に魅力に気づいて帰るとこは全く同じ。
ちなみにこのエピソードは原作では藍華は出てこないです。
最初のほうでちょろっと挿入される記憶の中のアクアに来るシーンは
AQUA1巻の(ホントの)一番最初の「水の惑星」から。
これは灯里がARIAカンパニーに辿りつくまでのエピソード。
アリア社長が流される部分は同じく1巻の「水先案内人」から。
これは藍華が初登場するエピソード。友達ネタもここからだね。
そして逆漕ぎ無敵の部分は2巻の「初めてのお客様」から。
これは暁さんが初登場するエピソードで3話にも少し出てくる。
こーして改めて確認すると見事なパッチワークっぷりっすね。

2話。アクアアルタのベースエピソードはAQUA1巻の「水没の街」
この回はとても印象的な絵面なので絶対やると思ってたよ。
後半の藍華が家出する部分はARIA3巻の「水の3大妖精」から。
この2つのエピソードを繋いでる家出のきっかけのシーンとか
藍華が料理をするシーンやARIAカンパニーに泊まるシーンとかも
原作にないアニメで追加された部分なのでした。
(藍華の思い出は原作にもあって違うタイミングで使ってます)
「水没の街」の頃ってまだ藍華が姫屋の跡取って話が出てこないので
姫屋の従業員の藍華への敬語対応も原作にはなかったりするね。
この描写で晃さんだけ藍華に正面から対してるのが際立ってる。
原作のエピソードの意味をより掘り下げるカタチでアレンジしてます。

3話。アリス初登場のベースエピソードはARIA3巻の「春一番」
アリスが雑誌に載ってたりとか、ゴンドラ部でスカウトされたとか、
学校で後輩にサインを求められるとか、全部アニメオリジナルです。
原作でもアリスは初登場から上手いので、アニメの素質を買われて
スカウトされたって話にほほーそう来るか!と感心してしまったり。
愛想がないので笑顔を練習するとかも上手い補完だなと思ったよ。
後半の暁さんを案内する部分はARIA1巻の「ため息橋」から。
ちなみにこのエピソードは原作では(当然)アリスは出てこないです。
アリスが心を開いてくのはベースエピソードの流れだけど、
原作ではアニメほど掘り下げないので印象がかなり違うかも。
そして最後の浮島に行く部分はAQUA2巻の「花火」から。
ここは浮島に行く以外は原作と違う(メンツ違うし)と思ってたけど
窓から光が漏れる通路を走るシーンがまんま原作に有ったし
浮島から下を見下ろして「うわー」って言うシーンも有ったよ。

4話。これはなんとオリジナルエピソードっすね。
大筋はオリジナルなんだけど部分的に原作のパーツも使ってたり。
アリア社長を追いかけて不思議な場所に迷いこむのは原作にも何度か。
例えばAQUA1巻の「猫の王国」とか。原作のこの回とても好きだよ。
よく見るとこれ入植地跡(廃墟)が出てくるので4話のモチーフなのかも。
だとするともうアニメではやらなそうだね。見てみたかったけど。
郵便屋のおっちゃんが灯里と絡むのも原作に何度かあります。
例えばARIA5巻の「郵便屋さん」とか。手紙を届ける手伝いをする回。
内容は全く関係はないけど手紙を届けるってとこは同じだ。
ウッディに乗せてもらう部分はARIA4巻の「空を泳ぐ魚」から。
これも内容が全く違うけどセリフとかアレンジして使ってたりして。
藍華の「パンツまる見せ」も全く違うカタチで使われてたりするよ。

5話。不思議な招待のベースエピソードはARIA4巻の「ネバーランド」
実はこのエピソード原作では前半の特訓してる部分がなかったりして。
晃さんが「血反吐を吐くまで特訓!」な部分はそのまんまだけど
その後に息抜きも必要だからってすぐに遊びに突入するのでした。
いきなり遊びの原作よりも練習してるアニメの方が説得力があるね。
遊んでて海に潜る部分もアニメで追加された部分です。
灯里とアリスが手をつないで崖から飛び込むのも原作とは違います。
原作では灯里は一人で崖にへばりついて降りていくのでした(笑)。
無くしたリボンが戻ってくる印象的なエピソードもアニメ独自だったり。
最後のなぜか涙が出るな部分はAQUA2巻の「夜光鈴」に似たシーンが。
似たシーンを二度使うとは思えないので夜光鈴の回はやらないのかな。

6話。左手&アテナ先輩のベースエピソードはARIA5巻の「舟謳」
まぁくんのエピソードはARIA6巻の「迷子」から。
この回の構成はベースの舟謳にまぁくんの話を挿入してるのではなく、
まぁくんの話を舟謳に織り込むように混ぜてあります
原作を確認するまで全く別の話を混ぜてあることに気づかなかったです。
アテナ先輩がまぁくん絡みで謳うのも最初からそうだった気がするほどだし。
それぐらい見事な内容の組み合わせっぷりにすっかり脱帽だったよ。
この回はアテナ先輩のさりげない気配りが原作よりも強調されてるけど
ボケっぷりまで原作よりも超パワーアップしてる(笑)。水をこぼしたりとか。

アイちゃんがオリジナルキャラってことで毎回出るのかと思ってたけど
実際に姿が出てきたのは1話だけで2話以降は声だけ登場してきます。
灯里って原作でも頻繁に誰かにメールを書いてるシーンがあるけど
その相手をアニメではアイちゃんにして文通してるみたいな感じに。
さらに原作では毎回はしないメールをアニメでは毎回必ずやってて、
文通のカタチでその回のエピソードの意味合いを再確認してるのです。

にしても
ここまで大胆にアレンジしながら原作のイメージを損なってないのが凄い。
原作ファンのイメージを裏切らない、そして原作ファンでも新鮮に見れる
スタッフの顔ぶれで全く心配はしてなかったけど予想以上にいい感じです。

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ARIA The ANIMATION 第10話 「その ほかほかな休日は・・・」

いろいろ言いながら書いてしまおうかなと…。あと4話なのに。(>__
2005/12/09(金) 01:18:27 SEEDs