今年リリースされた30分のOVA。
tvkで放送したのを録画したものです。レンタル商品はありません。
※追記:CWフィルム作品集としてレンタルリリースされました
そこには暗い街があった。鬼が出るから入ってはいけないと言われてる街が。
しかし子供たちは噂する。何かを隠すためにそう言ってるのかもしれないと。
そして興味を持つ。その街で行われると言われる「オトコヨ様のお遊戯」に。
それはキツネの面をつけた7人の子供で行われる、とても危険なカクレンボ。
大人の危険をほのめかす言葉よりも自分たちの興味が勝る子供たちは
見知らぬ女の子の言葉を頼りに道を辿りその遊戯が行われる広場へと向かう。
人数が揃い、ひとりでに灯る明り。開く街の扉。危険な遊戯が始まった。
これはよーするに「かくれんぼ」という遊戯の持つ意味を
そのまま鬼に追いかけられる恐怖として描いた作品です。
クーロンズゲートを彷彿とするカオスな空間をただ探検するだけでも
いきなり何か得体の知れないモノが出現しそうな恐怖感があるけど、
そこで実際にオブジェかと思われた造型物が動き出すわけです。
例えるならお寺とかの門にいる怖い顔した鬼たちが実際に動き出す感じ。
廃墟で画面全体がうす暗いのに目が光った天然色の鬼が迫ってくる。
それはもはや理屈ではなく生理的な恐怖という感じでしょう。
ビジュアル面では背景美術もだし迫ってくる鬼もだけど全部CGです。
キャラ絵も動きからしてトゥーンシェードのCGでしょう。
3DCGは現実を模倣すればするほど不自然さが目に付いてしまうけど
非現実な映像を緻密に作り上げた場合はそこに説得力を持たせられる。
手で描いてこの映像と同じレベルの臨場感を実現しようと思ったら
相当にハイレベルのスタッフが必要だと思われます。
3DCGなら誰でも作れると言うつもりは毛頭ないけども。
30分(正味24分)という限られた時間に無理に物語を詰め込もうとせずに
一つの単純な構図を膨らませて見せる映像作品にしたのは正解っすね。
タイプ的にはMEMORIESや迷宮物語の1作品みたいな位置付けなので
シリーズの1話相当ではない30分完結の正しいショート作品というか。
特に背景美術の美しさとか恐怖の臨場感とか一見の価値があると思うよ。
見たくてもレンタルが無いけど……