現在リリース中の30分×5本(?)のOVA。DVDレンタル。
現代に近いけどなぜか万能の巨大ロボットの産業が存在する世界。
各国には自慢のロボットを擁した研究施設なんかも存在した。
しかし突如として出現した謎のロボットが彼らを次々と倒していく。
そのロボットはまるで道場破りのように力の誇示だけをして去った。
実はそのロボットを操っていたのはある企業に属するオヤジたちで
そこが秘密裏に進めるプロジェクトの情報収集のための行為だったのだ。
そして上層部の厳しいリストラに喘ぐ現場の最後の意地の産物だった。
プロジェクトX……
このロボットが次に目指した場所は地中海に浮かぶ小国。
この国は小国ながら高度な科学技術を擁し人々は豊かに暮らしていた。
国を治めるのは3人の歳若き王女でそれぞれに秀でた才能を持っていた。
特に次女のカナはロボット設計の天才で彼女の身の回りを世話する
リンクルという人型のロボットも実は彼女が作ったものだった。
そしてリンクルの妹になる新たなロボットも完成させつつあった。
そんな日に謎のロボットは王国に上陸する。
王国を守るためにロボットを使って欲しいと頼む長女のクローネに
ロボットは友達で危ないことなんか頼めないと断るカナ。
(カナにとってロボットは友達で道具じゃない)
止めるのも聞かずカナ作のパワードスーツでロボットに向かった
三女のネネはヘマしてロボットに捕まってしまった。
さらに悪いことに敵ロボットは連戦の影響で制御系に不具合が発生し
ネネを握りつぶしそうになってしまう(カナ達には結果だけ見える)。
その事態についにカナはリンクルの妹を使うことを決意するのだった。
そして地上に響き渡るメロディと共に出現した巨大なドールハウス……
うーむ、なんか凄いよコレ。
ある意味巨大ロボット物の基本を忠実に再現してるんだけど
設定とかストーリーとかいろんな意味でとんでもなく規格外です。
なにしろ重力計算を加味したトゥーンシェードのCGで動いてるのが
ファンシーなフランス人形ですよ。全長45メートルの……
(巨大なドールハウスには巨大な家具の模型なんかも)
見た目からしてロボットというイメージからかけ離れ過ぎです。
女性型のロボットもいろいろ見てきたけどそれらと根本的に違うから。
どっちかというと機械仕掛けの巨大な人形というほうが相応しいね。
そんな巨大な人形が物理挙動でズシン、ズシンと歩くわけです。
物理計算によって描画されるCGは嘘がつきにくいんだけど
それを逆手にとってアリエナイ絵面に説得力を持たせてしまってる。
CGモデルの特性を生かしてギリギリまで寄る画面を多用したり
ロボットの回りをなめる様に見せるのも映像のインパクトが大です。
これ手描きだったらここまで迫力が出せたかどうか。
ちなみにリンクルの多重変形のデタラメさは手描きならでは(笑)。
それぞれの特性に合わせた使い分けが上手いなと感心したり。
そーいえばプロモーション映像でこのロボットの姿を見た時、
いったいどんな戦い方をするんだろうと思ってた。
なんと必殺技はローリングバッグ……手に持ってる可愛いバッグを
勢いよく振りまわしてただけだったり。でも一撃で相手は沈黙したよ。
なんか凄い運動性能を誇るけど戦うためのロボットじゃないような。
カナにとってロボットは友達なんだから当然かもしれんけど。
にしてもスタジオ・ファンタジアは最近ノリノリだね。
戦闘妖精少女の外しっぷりも含めて(爆)。