まめに録画する根性はない。DVDを買い続ける金もない。 だからレンタルビデオで行こう!

フタコイ オルタナティブ 9~13話

これでラストです。
ラストに向けていろんなことが繋がってきます。
なんと1話冒頭の謎生物もイカファイヤーも繋がってました(笑)。
脈絡のない内容だと思ってたのにちゃんと意味が有ったとは……
でもこれスタッフが見せた超一流のレトリックかもしれない。
常識的に考えたら到底叶わない相手にわかってても向かってくみたいな。
その叶わない「良識」をイカファイヤーという化け物として描いてるのかも。
考えてみたら父親もそーいうものと戦って自分の道を行ってたわけで。
単純に力関係で勝ち負けみたいな結果にならないのもそれっぽいし。
そんな感じで表面的には脈絡もなく無茶苦茶やってるような場面でも
実はちゃんと繋がってたり全体の流れとして意味は有ったりしてな。

8話のラストで沙羅は恋太郎の元から行ってしまう。
そして恋太郎と双樹の二人だけになって9話は始まります。
二人はまるで沙羅が最初からいなかったように振舞ってみたり
無理にはしゃいでいたりもするけど画面には喪失感が充満してた。
恋太郎は「もしもあそこで二人を抱いていたら?」なんて自問してる。
過ぎ去った過去に「もしも」なんて仮定は意味がないのもわかってたけど。
そして双樹も自分の元にいない方が幸せなのではなんて考えたりもして。

このへんまで見ててふと思ったよ。
この作品って体裁的には私小説で内容的には純文学に近いような。
イカファイヤーみたいな現実にはありえない設定こそあるけど、
描いてる内容の本質は恋太郎の生き方という実に現実的な内容だし。
最終回の夢オチかと思わせる語りをつい信じそうになったぐらいで。

見たことない人はこの作品を美少女ラブコメみたいに思ってるだろうけど、
どっちかと言うと青くさい青春ドラマの映画を見てるような感じっすね。
無駄に勢いがあるし、突っ走ってるし、空回ってるし、迷ってるし。
そーいうのって普通なら泥臭くてカッコ悪い作品になってしまうのに
脚本と演出の圧倒的なセンスでみょーに洗練した映像化がなされてる。
岩井俊二さんの映画みたいなカッコ悪いけどカッコイイ物語というか。
※スワロウテイルの監督さん

よーするにこの作品は恋太郎が自分の生き方を選ぶ物語。
大人の良識的な選択なら「3人がいい」なんてナンセンスだし、
双樹の未来を考えたら自分が身を引くのは正しい選択でしょう。
でも、その正しい選択には恋太郎や沙羅や双樹の気持ちは入ってない。
結局のところ3人の問題は3人が選ぶべきで、それが3人の正しい選択で、
向かう先に大きな良識の壁があったらぶつかって突き破るしかない。
そんな展開だからイカファイヤーが「良識の壁」に見えるのでした。

そしてラストは有る程度予想ができる結末になります。
(詳しくは書かないけどクライマックスはめっちゃ派手)
「3人でいることが幸せ」という簡単なようで難しいテーマ
一つの物語として完結させたキレイな終わらせ方だったすね。

※DVDはセル・レンタルとも8/24からリリース開始

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