4月からフジテレビ系(3局)とBSフジで深夜に放送してた全11話の新番組。
7月からはフジテレビ系地方局2局で放送する予定。
※セルBD/DVD・レンタルDVDは6/29からリリース
その昔、6人がまだ小さかった頃。とても仲が良くて、いつも一緒にいた。
小屋を秘密基地にして6人に超平和バスターズなんて名前をつけたりした。
だけとある日のある出来事をきっかけに5人の距離は次第に離れていった。
高校生になった今では言葉を交わすことすらしないほど離れてしまった。
距離が離れただけではなく姿も中身もあの頃とは変わってしまっていた。
みんなのリーダーだった宿海仁太は受験に失敗して引き篭もっていた。
そんな仁太の前にあの夏に逝ってしまっためんま(本間芽衣子)が現れた。
あの頃より成長した姿で現れためんまは他の人には見えないようだった。
最初はめんまを幻影だと思ってたけど次第に存在を実感するようになった。
めんまはお願いがあると言った。それはみんなでしか叶わないと言った。
だから仁太は、めんまの願いを叶えるため、すっかり距離が出来ていた
かつての超平和バスターズのみんなと、再び関わろうとするのだった。
圧倒的じゃないか我が軍は!、、、じゃなくて圧倒的なデキだよコレ。
今期ぶっちぎりNo.1どころか今年のベスト1すらほぼ当確っぽいですよ。
とらドラ!とレールガンで素晴らしい仕事をした長井龍雪さんが監督だし、
それどころか監督と構成とキャラデザがあのとらドラ!と全く一緒だし、
スタッフの顔ぶれで期待するなと言う方が無理、って感じだったのです。
さらに確認のために見た1話の印象は文句無しに今期の大本命だったし。
だからこの結果は予想通りです。期待した以上のものが出てきただけで。
最大級の期待をしながら見てたのに期待以上のものが出てきただけです。
やっぱ本物だ長井さんは!リアルに正攻法にキャラを描かせたら最強だよ。
宣伝スチルを見て数人の男女による現実的な人間模様を描くのだと思った。
だから1話でいきなり幽霊が登場してちょっと面食らったのを覚えてます。
でもファンタジーな仕掛けを使ってた以外はほぼ予想した通りだったです。
めんまが登場したことでそれそれの心が曝け出されたのは見事だったです。
めんまのおかげであの夏に止まってしまった時間が動き出したみたいで。
変わったと思ったみんなが最後に昔のように一つになるのが素敵だったよ。
めんまも幽霊なのに生き生きとしてて、まるで生きてるような存在感で。
普通なら儚げだったりするのに元気だしモノも持てるし料理もできるし。
じんたん(仁太)以外には見えないだけでまるでそこにいるみたいだった。
じんたん以外のメンバーには見えないのにまるで見えているようだった。
だからとっくに死んでて消えるのを知ってたのに消える時は凄く辛かった。
実はめんまがじんたん以外にも見えるようになるのは予想していました。
めんまのコトに関わりながら肝心のめんまが見えないのは悲しすぎるから。
視聴者にカタルシスを与えるためにも絶対に見えるようになると思ってた。
それぞれの気持ちが当時に近づけば見えるようになるのかなと予想してた。
まぁ、ある意味その通りだったと言えるかも。タイミングが違っただけで。
あのタイミングで見えるようになったのは見事すぎて脱帽としか言えない。
さらにじんたんまでめんまが見えなくなる予想外の展開を入れてくれたし。
否が応でもじんたん達と同じ気持ちでその場に臨んでしまうわけですよ。
とめどなく溢れてくる感情はどんなに抑えようとしても止まらないのです。
1クール作品でこんなに感情を揺さぶられたのはef1期以来じゃなかろうか。
この作品はかつての出来事が心に深い棘として刺さってる人たちの話です。
幽霊として登場するめんまが死んだあの夏に囚われてるってコトなのです。
死んだ人に囚われてる設定はクロスゲームに結構似てるようなと思ったよ。
てゆーか、これ、もしかしてクロスゲームを意識して作ってるのかな!?
だってクロスゲームのメインの二人がじんたんとあなる(安城鳴子)だよ。
さらにゆきあつ(松雪集)は東だし6人中3人が偶然被ることはありえないよ。
あの夏とか言ってるし、川で溺れてるし、偶然にしちゃ一致しすぎだし。
クロスゲームの作中で幽霊でも会いたいと言ってたのを物語にしたのかも?
実際のところはスタッフに直接問いただしでもしないとわかりませんが。
この作品はキャラの配置やキャラの行動にもちゃんと意味が有るのでした。
偶然とかただの設定と思ったことが偶然ではなく意図した結果なのでした。
過去に囚われながら足掻いた結果として今のそれぞれの位置が有るのです。
あなるが引き篭もったじんたんに宿題を届けたのは偶然ではないのです。
じんたんとあなるが同じ学校(高校)だったのは決して偶然じゃないのです。
つるこ(鶴見知利子)がゆきあつと常に一緒にいたのも偶然じゃないのです。
つるこがゆきあつと互角の成績なのも気付いてたのも偶然じゃないのです。
全て胸に秘めた気持ちに従って行動した結果としてのポジションなのです。
物語が進むにつれて次第にそれぞれの秘めていた心のうちが明かされて、
見事なまでに計算し尽くしたキャラ造作とキャラ配置が見えてくるのです。
特にぽっぽ(久川鉄道)が秘めてきた心のうちは目から鱗が落ちまくりです。
少しずつ断片をちらつかせて最後に一気に曝け出すとこは見事だったです。
自由奔放な生き方だと思ったそれらがまさか苦しさの裏返しだったとは。
それぞれは心の中に秘めた想いを持ちながら違う自分を装っているのです。
その中ではじんたんば別として、あなるとゆきあつが分かり易かったなと。
あなるは見た目こそ凄く変わったけど中身はたぶん一番変わってないから。
レアのけモン(≒ポケモン)を探す手伝いをしてる時は楽しそうだったし。
でもみんなから外れてまで自分のスタイルを貫ける強さは持ってなくて。
表面的に合わせるような付き合いだから酷い目に会わされそうになった。
ゆきあつは冷静にキメてるようで過剰なまでに反応してるのが見えていた。
じんたんの言ってること(真実のめんま)と正反対なことばかり言ってたし。
夜中にクローゼットを開けめんまを呼びながら何かの匂いを嗅いでるし。
実のところあのシーンを見るまでもなく溜め込んでるのは分かっていた。
ゆきあつ変態と言われてたのがまさかアレとは想像しなかったけど(笑)。
じんたんばかりに見えるのは納得行かないってストレートで清々しいね。
ぽっぽの秘めてきた心のうちが目から鱗だったのは上に書いたとおりです。
そしてつるこも予想してたのとは違う心のうちを曝け出してくるのでした。
近くにいるけど無関心と思わせて、ゆきあつがしっかり好きだったわけで。
だからゆきあつとあなるが会話してるのを見てショック受けると思ってた。
でもつるこはそれすらも気付いてて、だからこそみんなに協力をしていた。
何故かあなるにだけキツイ態度をとるなと思たらそーいう理由だったとは。
私は代わりでも良かった、という言葉に切実さが滲み出てると思ったよ。
どんなプロセスだろうと結果が同じならそれでいいと割り切ってるのです。
この作品に出てくるキャラはみんなみっともない心の内を晒してるのです。
人を好きになることは決してキレイ事じゃ無いのだと見せつけてるのです。
人間関係がロジックのように簡単に割り切れないことを見せてるのです。
スマートじゃなくて、キレイじゃないからこそ、とても魅力的なのです。
じたばたと足掻いてるからこそ、キャラが生きてるように見えるのです。
見てて(シリーズ構成が)同じ岡田麿里さんのtrue tearsを思い出したよ。
関係の絡まり具合も心の曝け出し具合もさらにパワーアップしてるけど。
表情のつけ方もとらドラ!・レールガンからさらに深化した感じだし。
(キャラの見た目もその二つを足して割った感じです)
それぞれのスタッフの過去の作品を積み重ねて生まれたのを実感します。
物語はじんたんの元にめんまが出現してお願いすることから始まります。
お願いを叶えるという展開はよくある定番パターンのひとつと言えます。
よくあるそれらと違っているのはめんまがお願いを忘れてるところ(爆)。
肝心なめんまが叶えたい願いを忘れてるので推理するしかないわけです。
とは言え、じんたんは最初めんまをストレスによる幻影と思ってたから、
めんまのお願いは心の底にある引っ掛かりのようなものかなと思ってた。
それほど本気で考えようとも実行しようとも思ってなかったのでした。
肝心のめんまもあんまり真剣にお願いを思い出そうとしてなかったし。
適当に思いついたようなことを、もしかしたらそれかもとか言ってるし。
ただ、じんたんと一緒にいられるだけで楽しい、みたいな感じだった。
だけど、妄想だと思ってたじんたんも次第に存在を実感していくのです。
何しろめんまは幽霊のなのに物を持つし料理を作るし風呂にも入るから。
幽霊としては常識から外れた存在、という表現はちょっと変だけど……
じんたんにしか見えないだけで、そこに存在してるとしか思えなかった。
じんたんの視点で世界を見てるから、めんまが生きてるように思えた。
じんたんにとってめんまはそこにいて、話すことも触れることもできた。
だけど他のメンバーにとってめんまは見えないし、声も聞こえなかった。
めんまが抱きついた時に、何だかわからない気配を感じてるだけだった。
じんたんと他のメンバーで見ている世界が大きく異なっていたのでした。
見ている世界が違うからどうしても同じ意識を持つことが出来なかった。
そりゃあ幽霊とか言われたって本気で信じる方がどうかしてるわけだし。
めんまが見えたじんたんですらストレスによる幻影と思ってたんだから。
じんたんをあっさり信じて乗り気になったぽっぽが普通じゃないのです。
後でぽっぽの心の内を知って、話を信じたかったのだとわかるのだけど。
あなるも、信じられないけど、じんたんの話だから信じたかったのです。
信じられなくても、信じたいと思ってくれれば、それで良かったのです。
でも、ゆきあつはじんたんにだけ見えるなんて決して認められなかった。
めんまの目の前でめんまが思っていないことを勝手に代弁したのでした。
じんたんにだけめんまが見えていて、めんまが傷ついたのも見えていた。
めんまの本心を伝えたようとしたのだけど、どうしても伝わらなかった。
ゆきあつの言い分は(思惑は別として)それなりに筋が通ってたわけで。
一度は集まりかけてたみんなの意思がバラバラになってしまうのでした。
客観的に見ればじんたんの話を信じられないのも仕方ないことだったし。
じんたんもそれがわかってたから、一人でも何とかしようとするのです。
じんたんが一人で頑張ってるのを見てめんまはあることを考えたのです。
めんまがあることをして他のメンバーにもめんまが認識されるのです。
(見えなくて)すっと一方的だっためんまのアピールがついに届くのです。
気持ちが通じた瞬間は見てるこっちも凄く嬉しくてこみ上げてきたよ。
正直なところこの展開は全く予想できなかった。やられた、と思った。
もっと早くにやってくれればって言い分は確かにもっともだと思った。
でも後で分かるけどめんまは関わりが深いものしか干渉できないようで、
最初から試していたらできないで諦めていた可能性が有ったのでした。
あそこにアレがあってめんまがそれを使わなければデキなかったのです。
めんまのお願いを考えてヒントを集めて一つの可能性に思い至ります。
みんなはいつのまにかそれがめんまの願いだと思い込んでいくのです。
でもそれがめんまの正しいお願いか確かめなくていいのかなと思った。
肝心のめんまは思い出してないから期待した答えは無かっただろうけど。
結構ちゃっかりしてるから、きっとそれだよぐらい言った可能性も(笑)。
めんまはそれを楽しみにしてたから、間違っててもいいのかなと思った。
みんなが一緒に一つの目的に向かって協力していく姿は素敵だったし。
実はそれこそがめんまが本当に望んでいたこととも言えたわけだから。
物語の終盤にめんまのお願いと思ってたあるイベントが実行されます。
でもじんたんは自分から始めながらやっていいのかと思っていたのです。
めんまのお願いを叶えるということは消えていなくなるということで。
いつのまにかじんたんにとってめんまは当たり前の存在になってたから、
幽霊でもいいからこのままずっといて欲しいと思ってしまったわけです。
スッキリしない構図のまま、ある一点に向け物語が集約していくのです。
みんなの気持ちが一つになることはなく、思惑だけが一つになりながら。
だからイベントの結果は予想通りだった、と言えないこともないです。
普通の構成だったらこの大きなイベントがクライマックスになります。
ここまで盛り上げて物語を集約しながらそうでないのは珍しいです。
もちろん大きな区切りではあるし結末への大きな布石にもなりますが。
とっつき易いしわかり易いし、終盤に向けて盛り上がっていくという、
実に正攻法な物語構成だけど、要所でちょっとずつ外してくるのです。
既定路線をなぞってるように見せて意外なところをついてくるのです。
そこが並みの作品と並でない作品の違いかもしれないなと思ったよ。
終盤の大きなイベントの後に本当のクライマックスがやってきます。
超平和バスターズの気持ちが本当に一つになるときがやってきます。
お見事としか表現のしようがない真のクライマックスがやってきます。
何が起こるか分かってても感動してしまうあるシーンがやってきます。
見始めたなら是非最後まで見て、そこを自分の目で確かめてください。