1月からフジテレビ系(4局)とBSフジで深夜に放送してる新番組。
各フジテレビオンデマンドで有料配信中。
※セルBD/DVDは4/22からリリース(レンタルは5/13から)
人類はフラクタルシステムによって働かなくてもいい楽園を手に入れた。
それから長い年月が過ぎてシステムの構造すら分からなくなった時代。
システムの崩壊が始まってることをまだほとんどの人が知らないころ。
退屈な日々を過ごしていたクレインの前に一人の少女が落ちてきた。
クレインは何者かに追われてた少女フリュネを助けるため匿うのだった。
翌朝クレインが目覚めるとフリュネの姿は無くブローチが残されていた。
そのブローチには極めて精巧な少女の姿をしたドッペルが入っていた。
ネッサというその少女は好奇心旺盛で次々とトラベルを起こすのだった。
1話を見た時に思ったのが「面白そう」「面白くなりそう」だった。
5話まで見て思ったのも「面白そう」「面白くなりそう」だった(爆)。
そろそろ半分ぐらい進んでるのに、未だに「なりそう」でどうする!
1話を見た時の大きな期待が回を経る毎にどんどん萎んでいくよ……
この作品を見た人はほとんど思うでしょう。宮崎アニメっぽいと。
見た目や物語構造やディテールがあちこちとても似通っているので。
いわゆるオマージュとかリスペクトとか言いたくなる作品なのです。
フリュネの初登場シーンはまんまメーヴェに乗ったナウシカだし。
エンリがフリュネを追い掛け回すあたりはほとんどラピュタだし。
グラニッツ一家の飛行船の中の生活もラピュタを彷彿とするわけで。
もう少し宮崎アニメの猿真似以外のやり方を見せて欲しかったかな。
真似るのは雰囲気とか方向性とか精神性とかだけにしておくべきだよ。
ザムドもそうだけどナゼにここまで似た感じに作っちゃうんだろう?
とりあえず宮崎アニメっぽい作りは好意的に解釈したとして……
実際、笑っちゃうぐらい似てるとは思いつつも楽しんで見てはいたので。
でも回を重ねて物語が進んでるはずなのにあまりにも見通しが悪いのです。
5話でクレインがフリュネに対して何も教えてくれないって怒ってたけど、
それはまさに視聴者がこの作品に対して思ってることに他ならないわけで。
全部説明しろとは言わないけど、少し核心に近い情報を見せて欲しいなと。
つまりは見えてる部分と見せない部分のバランスが悪いんじゃないかなと。
ハッキリした目的が見えないから物語を追いかける欲求が弱くなるのです。
映像に力があってキャラが生き生きしてるから辛うじて見れてるだけで。
もしかして2時間の映画を1クールに引き伸ばしたらこんな感じなのかも!?
映画なら一気に見せちゃうから途中まで見通しが悪くても何とかなるし。
ディテール描写に凄く力を入れて作品世界を実感させるのも有りでしょう。
最初のうちとても良さそうに見えるのもまさに描写に力が入ってるからで。
物語世界での生活感は凄くあるしキャラも生き生きと描かれてはいます。
作画に力が入ってて視覚的な部分ではものすごくクオリティは高いのです。
問題は物語が離陸した後もあまりにディテール描写に頼りすぎなところ。
5話まで見ても「面白くなりそう」なのは、つまりそーいうことなのです。
同じ宮崎アニメもどきならザムドの方がずっとマシだったよ。5話までは。
スタッフに共通点が有る「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」とは比較になってないね。
日常の些細な出来事が中心のソラヲトの方が物語が動いてるってどーよ?
果たしてこの後挽回して上手く作品としてまとめられるのかな。