2009年にリリースされた45分×全2本のOVA。TBSの放送を録画しました。
原作は大昔のSFマンガで文庫版の1巻だけ読んだことがあるみたいです。
※セルDVD/BD・レンタルDVDはりリース済
ベクシルのスタッフによる3DCGアニメの新作です。
2本のOVAを「TO」というタイトルで括ってますが話は全く繋がってません。
原作である「2001夜物語」の2つの話を映像化したというだけみたいです。
長い宇宙開拓の歴史の一端として物語が繋がってるとは言えるかもだけど。
それぞれのOVAの内容はSF的な仕掛けのあるちょっとしたエピソードで
SFアクション超大作という宣伝文句はかなり実情とかけ離れています。
「人類は宇宙に裁かれる」というコピーもJAROに訴えたいレベルです。
まぁ、ベクシルのスタッフなのでこんなもんかという気しかしませんが。
「楕円軌道」は衛星軌道の中継ステーションで一組の男女が再会する話。
二人は曰くありげで昔の恋人同士なのかと思ったら実は……という話。
長距離航行の冷凍睡眠で二人の時間がずれるという仕掛けを使ってます。
そんな内容をテロリストを絡めて派手なアクション映画風にしてある。
てゆーか時間の仕掛けの方がおざなりでほぼ三文アクション映画です(爆)。
この内容で最後にあのオチを見せられても「で?」って気分なんですが。
要素がアクションに寄り過ぎなので尺のわりに内容が希薄になってるし。
これならビバップの1話分の方が中身が有るんじゃないかと思ったり。
「共生惑星」は未開の惑星の相反する勢力に属する一組の男女の恋の話。
この惑星は菌類が地表を覆ってて生き物同士が共生する特徴を持ってた。
地球上の常識とは全く異なる菌の特性から予想もしない結末がみたいな。
こちらもリミットに向けて盛り上がるアクション映画風になってます。
それでも「楕円軌道」よりは中身があってSFっぽい色彩も感じられます。
エピソードのスケールは「アフター0」(岡崎二郎)の1本分ぐらいですが。
どちらもテレビシリーズの1話だと思えば有りかもと思えるレベルかな。
映像的にはベクシルと同様のフル3DCGでリアルを模倣した表現です。
最近では手描きアニメでも背景やメカで3DCGを積極的に取り入れてるので、
この程度の映像ではさほどインパクトは無いというのが正直なところかも。
実写の劣化コピーではない3DCGならではの表現が見せて欲しいものです。
既存のアニメに3DCGを組み合わせた作品の方がずっと工夫が見えるので。
そろそろ全てを3DCGで作ってるという以外の価値を提供してもらいたい。
3DCGを使うなら空想の光景を力ずくで視聴者に納得させるぐらいやれと。
これよりも「星の海のアムリ」の方が表現的にはずっと面白かったよ。
「共生惑星」だって色使いを鮮やかにするだけで印象が違っただろうに。
(ナウシカの腐海みたいに)