去年の10月から日テレ系(5局)で放送してた全25話のテレビシリーズ。
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原作は少女誌(別冊マーガレット)のマンガで読んだことはありません。
※セルDVD・レンタルDVDは全巻リリース済
この物語の主人公の黒沼爽子は爽やかな子と書いて「さわこ」と読む。
しかしストレートロングの黒髪と名前とは裏腹の醸し出す雰囲気から
(かの有名なホラー映画の)貞子と呼ばれて恐れられ避けられていた。
爽子自身は決して陰気ではなくむしろ妙に前向きな性格をしていて、
避けられ恐れられても決してめげずに他の人と交流しようとしていた。
皆に楽しんで貰えるならと肝試しのオバケ役も自ら進んでやっていた。
そんな爽子が憧れている男の子がいた。同じクラスの風早翔太である。
いつも爽やかでみんなに好かれる風早みたいになりたいと思っていた。
かかか、カワイすぎなんだけど、どうしよう……(爆)
なんて興奮したくなるほどこの作品は爽子の可愛さが際立ってるなと。
と言っても美少女系のような見た目の美醜を言ってるわけではなくて。
むしろあだ名が貞子になるような陰気で怖い外見だったりするわけで。
(少女マンガなんで外見がかわいく見える瞬間もあるけど)
それなのにこの作品を見てると爽子がかわいくて仕方なくなるのでした。
少女マンガには内面から可愛さが滲み出る作品が多いのは確かだけど、
実際に映像で見ててここまでかわいいと思えたのは凄く久しぶりです。
(過去にこんな気分になったのはフルーツバスケットだけ)
爽子がかわいいと思えるのは自分を変えようと頑張ってるからです。
みんなに怖がられ避けられてもめげずに他人にアプローチをしてるし。
肝試しではみんなに楽しんでもらおうとお化け役を自ら買って出るし。
あんな扱いでも心が捻じ曲がらずに凄く前向きで真っ直ぐなのでした。
そんな内面に気付いてちづとやのちんが親友になるのも理解できるよ。
二人を切っ掛けにして次第にクラスの人たちに理解されていくのです。
一つ一つのちょっとした素敵に凄く喜ぶ爽子に共感してしまうのです。
最初があまりに低い位置だったから普通が素晴らしく思えるのです。
いかにもな感動シーンではない何気ない瞬間にこみ上げてくるのです。
最初は友達(親友)ができたりと爽子の世界が順調に広がっていきます。
しかし妙な噂を発端にちづややのちんとの関係がぐら付いてしまう。
最初は二人とも噂の内容を全く信じないで一笑に付してはいたけど。
その後の言葉の行き違いから互いの関係に亀裂が生じてしまうのです。
噂ではなく互いの言葉が原因になるあたり構成に工夫が見えるなと。
そして互いの強い信頼関係こそが危機の原因なのも興味深かったなと。
噂が二人を傷つけるのなら離れたほうがなんて爽子は考えちゃうし。
せっかくできた風早との絆までも全て無かったことにしようとして。
でも思ってないことはできませ~んって言っちゃうのが凄く良かった。
理性でそうすべきだと思っても感情がコントロールできない感じで。
こんな気持ちが入ったセリフを喋るアニメが他にあるかなと思った。
もちろん見てる時にはそんなことばかり考えてたわけではないけど。
爽子に共感しまくって涙がボーロボーロだったので(汗)。
なんとか爽子とちづややのちんの関係は(より強固に)修復されます。
爽子の成長のプロセスという意味で最高に感動的なシーンとして。
そのへんの詳細はここでは触れないので自分の目で確かめてください。
とりあえず6話の最後のそのシーンまでは見ることをオススメします。
で、実はそこでとりあえず視聴は終わり(中断)にしようと思った。
でも噂の出所がうやむやなのが気になってそのまま続きを見ました。
まぁ、くるみ(胡桃沢)は初登場から怪しすぎたけど(笑)。
物語のセオリーからして絶対にこいつだと根拠の無い確信があったよ。
自分は虫も殺さないみたいな完璧に白いキャラが実に嘘臭かったし。
くるみから爽子に直接アプローチしてくるとかやる気まんまんだし。
さすがに爽子に接近してくると愛想の裏の本心が垣間見えてきますが。
カワイイ顔でやる事が陰険なのが実に少女マンガだとか変な感心を。
そして爽子がくるみの行動を全て好意的に解釈するのがまた面白い。
くるみの陰険な行動が爽子の前ではただの空回りの喜劇になるので。
人の嫌な部分を描きながら悪い印象を与えないんだから面白いなと。
次第に爽子の前でもくるみの本性が現われていくようになって。
ついに噂の出所がくるみなのが爽子の耳にも入る日が来るのです。
意外にも爽子はそのこと自体にはショックを受けてなかったなと。
既に噂の事件は過去のことで自分の中では整理がついてたからかな。
それよりくるみのある言葉の方に爽子は凄いショックを受けてた。
切っ掛けはどうあれくるみとは本心をぶつけ合った関係だったから。
くるみがあそこまで本心を見せた相手は爽子以外にいないだろうし。
それに意外にもくるみは爽子の魅力をちゃんと理解していたわけで。
「私の方がずっと好きだから」勝てると思ったって言っちゃうあたり
(てっきり私の方がずっとキレイだからって言うと思った)
爽子にやったことは許せないけどくるみ自身は憎めないなと思った。
同じ人を好きなるぐらいだから気持ちを共感できる関係なのだけど、
でも決して友達にはなれないというのがなんとも切ないっすね。
15話でくるみの話にもケリがついてそこで終わりでも良かったけど
ここまで見たなら最後まで見てしまえと勢いで最後まで見ました。
一日で最初から最後まで一気に見たので疲れました(何度目だよ)。
ちなみに16話が総集編で17話以降は恋愛中心の内容になってます。
もちろん15話以前も恋愛要素はありますが。
17話以降には爽子メインではないちづの恋愛エピソードが有ったり。
この作品は爽子の精神的な成長がテーマになるので友達を作るのや
その友達の恋愛に触れて知っていくのも重要な要素なのでしょう。
アニメの後の内容ではやのちんの恋愛話が出てきたりするのかな。
(付き合ったとか別れかとか言葉ではいっぱい出てくるけど)
そしてアニメのラストに来るのが爽子と風早の年越し初デートの話。
この二人って最初から両想いなのに25話も使って手を繋ぐだけです。
互いに好きと言葉に出すことも無くキスなんてまだまだな関係です。
今時こんなスローテンポな恋愛モノはそう無いだろうと思うぐらい。
まぁ、爽子の場合はあまりにも最初のポジションが低すぎるので
自分が好かれるという想像が出来ないのも仕方ないとは思ったけど。
他人には当たり前のことで爽子は凄く幸せになってしまうから。
それでも人より遅い歩みできっと着実に進んでは行くのでしょう。
風早が積極的に引っ張らないのは成長を待ってるのかもしれないね。
爽子の相手役である風早のこと。
彼をカッコイイと言う人が多いけど、私は見ててカワイイと思った。
爽子のセリフで素直に喜んだり意図が違うと知って落ち込んだりと、
爽子の態度で一喜一憂する様が実にかわいく見えてしまうのでした。
もちろん爽子に共感して見てるからとても素敵な存在に見えるのです。
一方で一歩引いた視点もあって(歳のせいか)かわいく感じてしまう。
ある意味好きな相手が爽子なのは気の毒とすら思ったよ。
なにしろ爽子が風早のことを好きだと自覚するのはずっと後だから。
(最初から気持ちは有ったけどそれが何かわかってなかった)
自覚は無いのにあれだけ風早を慕った態度をとってたわけですよ……
風早の視点で見たら爽子に翻弄されてる気分に陥ってたかもしれない。
もちろん爽子がそんなキャラじゃないのは知ってはいただろうけど。
だからこそ余計に爽子の態度でやきもきしてしまいそう。
この作品のエンディングを歌ってるCharaを大昔に熱心に聞いてました。
実は(10年以上前の)初の武道館のライブに行ったことがあったりする。
その頃を知ってるだけにずいぶんと声が歳をとったなと……(爆)
声は歳をとったけどを音楽は今で全く古くなってないのが凄いです。
ちなみに16話の総集編はセルDVD・レンタルDVDには収録されてません。
16話はコミックス11巻の初回限定版の付属DVDに(だけ)収録されてます。