7月末頃に発売された雑誌に付属する形でリリースされた単発50分のOVA。
一枚の絵をモチーフにしたオリジナルのストーリー。だったっけかな。
※BD/DVDパッケージは12/17にリリース(レンタルはまだ未定)
中学校に進学した黒衣マトは入学式の日に小鳥遊ヨミと出合った。
ヨミのことが気になるマトは積極的に話し掛けて打ち解けていった。
仲良くなった二人は家が近かったので一緒に行動することが多くなった。
二人は同じではないけどすぐ傍で活動し互いが見えるクラブへと入った。
順調に友情を育んでいったマトとヨミ。しかし大きな転機が訪れる。
進級した時にクラスが分かれて常に一緒にいるのが難しくなったのだ。
さらにマトのクラスには同じ部のユウがいて二人は仲が接近していった。
それまでマトとヨミだけだった関係にユウが頻繁に入り込むようになった。
そしてヨミはマトの前から姿を消した。
このアニメは現実パートと異世界パートが併行する構成になってます。
両者にどんな関係が有るかはずっと明かされない意味不明なままで。
エンディングの直前に一応は二つの世界が繋がるけど……
あまりに投げやりと言うか、こじつけと言うか、素人くさいというか。
(プロ未満の投稿ストーリーみたいって意味です)
こんな形で両者を関係させるならやらない方がマシだったようなと。
正直言って、この内容で描くのなら異世界パートなんていらないです。
異世界パートこそ元々のブラックロック★シューターではありますが。
このアニメのメインの現実のパートは女の子同士の友情を描いたもの。
ただ仲良くなってそれでメデタシで終わらないのが重要なポイントです。
二人だけの関係にもう一人の女の子が関わることで変化が起きるのです。
一言で表現するなら「女の子(の友達関係)は面倒くさい」みたいな(爆)。
ジャケには「思春期の少女たちは、純粋で脆く、そして輝いている。」
とカッコよく書いてあるけど、よーするに独占欲と嫉妬のお話ですよ。
ものは言いようだな、とか変なところに感心してしまったり。
現実のパートは凄くディティールを丁寧に描いてて存在感があります。
行動やプロセスをきめ細かく描くことでキャラが生き生きとしています。
ディティールに力を入れすぎで尺のわりに大して内容は無いですが。
空気感や実体感を最優先するアプローチはもちろん有りだと思います。
不満があるのは映像化のアプローチではなく、マトとヨミの関係を
修復するプロセスを異世界に投げてうやむやにしちゃったことです。
異世界の戦いの結果でわだかまりがなくなるとかちょっと安易だろう。
ちゃんと現実で修復するプロセスを描いてたらもっと評価したのに。
まぁ、それだと異世界パートの存在意義が無くなってしまうけど……
こんな感じに現実と異世界の二つの世界を併行して描きたいなら、
表(現実)と裏(異世界)として両者をリンクさせるべきだったのでは?
現実での行動によって異世界での状態を変化させるという意味で。
現実世界での関係を異世界での関係として反映させていくのです。
現実では感情を全ては表に出さないで秘めることがあったとしても、
異世界での彼女たちの分身はストレートに出してしまうわけです。
現実世界の揺れる心情を異世界での戦いや融和として描くわけです。
少なくとも現状よりは二つの世界に分けた意味が有ると思うのですが。
これ見ててMUNTO(空を見上げる少女の瞳に映る世界)みたいとも思った。
ディティール描写が濃密な現実とアクションが派手な異世界があるとか。
主人公の女の子の身近で等身大な事情がストーリーの根幹にあるとか。
ディティールやアクションに力が入れすぎで尺のわりに中身が薄いとか。
物語の内容やスケールが一昔前のコバルトの入選原稿レベルみたいとか。
そんなところが妙に符合してるので。MUNTOの方がまだ中身有るけどね。
考えてみたらこれのスタッフはOVAの頃に制作に携わってたりして!?
※これを制作してるOrdetは元京アニの人たち