4月からTBS系(3局)とBS-TBSで深夜に放送してる新番組。
原作は少女誌(LaLa)のマンガで1巻だけ読んだことがあります。
※セルDVD/BD・レンタルDVDは7/22からリリース
数年前まで男子校だった青華高校は今でも男子生徒が8割を占めていて
男子の臭い汚いだらしない振る舞いに女子は肩身の狭い思いをしていた。
そんな状況を打開すべく鮎沢美咲(みさき)は努力と愛想で信頼を重ねて、
生徒会長という便利な立場を(みんなの無関心もあって)手に入れたのだ。
生徒会長になった美咲は学内の雰囲気を変えるため厳しい態度で臨んだ。
反発する者もいたが美咲の腕っ節の前にみんな従うようになっていった。
成績優秀にして武道を嗜む美咲には付け入る隙などないように思えた。
しかし美咲は学校の誰にも知られてはいけない秘密を持っていた。
それはメイド・ラテというメイド喫茶でアルバイトをしてること。
もしもこの姿を知られてしまったら生徒会長の威厳が崩壊しかねない。
にも関わらず学校一のモテ男・碓井拓海(たくみ)に知られてしまう。
大ピンチに陥った美咲の未来はどっちだ?みたいな。
まず見て思ったのが、とっても少女マンガらしい作品、でしょうか。
その形容何度目だよって気もするけど、そうとしか言いようがないし。
相手役がイケメンで主人公の弱みを握って翻弄するとか超お約束だし。
成績優秀な上に腕っ節も強くて料理まで上手いとかスーパーマンだし。
(文武とも美咲と拓海は学校内での双璧の存在)
外見も中身も特級な彼だから毎日のように女の子に告白されまくりで。
だけど寄ってくる女子には全く興味を持たず端から切って捨ててたり。
女の子の味方である美咲にとってそんな彼の所業は許しがたいわけで。
(理由があって)男嫌いだし、自分の前を走ってるのも気に入らないし。
当然のように美咲の拓海に対する態度はツンツンになるわけです。
でもそんな媚びない態度が逆に拓海の興味を引いてしまったという。
このモテ男がなびかない女子に興味を持つのも少女マンガの定番です。
男を蹴散らすぐらい凛々しい主人公も今の少女マンガでは定番ですね。
つまりこの作品は少女マンガのお約束を凝縮した作品ってことです。
素材はいいのに(事情で)装うことに興味がないのも有りがちだしね。
それってメガネを取ったら実は美少女だったの変形みたいなもんだし。
さすがに今はメガネを取ったら~はネタ以外で使う作品はないけど。
元がいいので磨けば光るみたいなのはよくあるパターンの一つですよ。
この作品ではメイド姿がカワイイので普段着の残念度が際立ってます。
そのメイド姿こそがこの作品が有りがちな少女マンガでないところ。
メイドと言ってもお手伝いさんの着るような地味なメイド服ではなく、
いわゆるメイド喫茶のフリフリブリブリなメイド服なのがポイントです。
てゆーか内側を描く以前にメイド喫茶って他の少女マンガに出てくる?
(男性向けの)萌え系マンガではわりとポピュラーな存在では有るけど。
まぁ、メイド喫茶は基本男性向けとはいえ働いてるのは女性なのだから
働いてる側の視点を少女マンガで描くのは十分にアリだと思うけどね。
興味があってもお客や従業員として入るのは敷居が高いだろうから。
そしてメイド喫茶の文化を知らない人間の視点があるのも面白いすね。
萌え系作品だとメイド喫茶の文化の肯定が物語の前提になってるから。
妹デーでの立ち振る舞いに試行錯誤する美咲の姿がとても楽しかった。
ほのかの萌えマニアな性格と時々見せる黒さのギャップも面白いし。
原作コミックは1巻しか読んだことがない(持ってない)ので
アニメでメイド喫茶のエピソードがずいぶん多いことにちょっと驚いた。
※1巻分は1話・2話・5話とたぶん6話
アニメがこれってことは2巻以降はメイド喫茶の話が多いんでしょうか。
それとも視聴者のインパクトを強くするために前の方に入れただけ?
9巻もある原作っていったい何をそんなに続けてるんだろって感じです。
あとこのへんは読みきり構成だけど先に進むと続き話になるのかな?
ちなみにアニメの放送は2クールあるみたい(DVD/BDは全10巻)です。
このアニメの表現について。
マンガ的に文字を散りばめたり絵を崩したりポップな表現てんこもりで
キレのある演出でテンポよく畳み掛けてくる感じでとても楽しいっすね。
内容がありきたりだからこそ演出の差が面白さに直結してくるというか。
誇張したキャラをわざとらしく表現して見せるからこそ面白いというか。
頭に花の咲いたようなさつきさんの言動で実際に花を飛ばしてるし。
(声が同じせいで初春がそのまま歳を取ったようなイメージに)
少年マンガとは全く違った方向に進化したデフォルメ表現って感じかも。
ちなみに演出手法としてはスキップビート!と結構似てるかなと思った。
そして絵の安定度も演出の完成度もスキップビート!より上って感じ。
(ストーリーはスキップビート!の方が上ですが)
スキップビート!でやってたマンガ的アニメ表現を完成させたみたいな。
スキップビート!のアニメ表現って実は意外と特徴的だったのかも。
確かに少女マンガアニメの系統だけどここまで徹底してるのそうないし。
リアル系とは違うこの手の表現もまだまだ追究の余地は有るのでしょう。
原作との違いについて。放送と手持ちの1巻とざっと見比べた限りは
細部は多少違うとこもあるけどストーリーはほとんどそのままでした。
上のほうに書いたようにエピソードの順番が入れ替わってはいるけど。
このへんは1話読みきりの内容なので入れ替わってても問題ないです。
あとアニメは原作に比べて多少余裕を持った構成になってると思った。
てゆーか原作の1巻は内容を詰めこみすぎでコマが詰まりすぎなので。
アニメの方で多少の手直しをしてあると考えるのが丁度いいような。
原作のイメージが壊れるような見た目や内容ではないので大丈夫です。
サブキャラが最初からちゃんと見分けがつくのはアニメならではだね。
おまけの商品情報。
これのBDの初回限定版ってちょっと変わってます。
なんとBDと全く同じ内容のDVDが付属してるのです。
DVDしか見れないけど(BDのみの)限定版が欲しい人への配慮ということか。
(ならBDを買おうとか軽々しく思えないほど価格差がありますが)
それBDしか映像特典がついてない「けいおん!」こそして欲しい配慮だよ。