まめに録画する根性はない。DVDを買い続ける金もない。 だからレンタルビデオで行こう!

.hack//Liminality 1~4話

2002年頃にゲーム同梱でリリースされた30分(1巻は45分)×4巻のOVA。
後で全てが.hack//Integrationに含まれる形でパッケージ化されました。
同梱されてた.hack1期ゲームの表(現実)の世界での出来事になってます。
現在までのところDVDを含めてレンタル商品が一切リリースされてません。
バンダイチャンネルを利用すれば有償で見ることは可能です。
これはこの前AT-Xで放送してたのを録画したものです。

現実と酷似した世界の現在とほとんど変わらない時代の日本が舞台。
世界的に大ヒットした「The World」というネットゲームがあった。
と言っても街中の人が誰でもやってるというほどの存在ではなかったが。
そんな「The World」をプレイしてた人が突如昏睡する事件が発生する。
プレイ中に昏倒した香住智成と水無瀬舞が病院へと搬送されてきたのだ。
舞はすぐに意識を取り戻したが香住智成はいつまでも目が覚めなかった。
医者の診察では肉体的に何の問題もなく覚醒しない原因は不明だった。
舞は智成が目覚めぬ事件の後遺症で音に対して異常に過敏になっていた。
そんな舞の前に徳岡純一郎という胡散臭い中年のオヤジが姿を現した。
最初は徳岡を避けていた舞だったがある言葉を聞いて心を開いていった。
実は徳岡は「The World」に関わる昏睡事件の原因を調べていたのだ。
他にも智成のように昏倒して目覚めない人が何人かいるというのだ。
智成が目覚める助けになればと舞は徳岡の調査に協力することにした。

今までに見た.hackのどのテレビシリーズよりも面白い。
というのがこれを見て最も思ったことですかね。
理由はゲーム内の世界よりも共感しやすい現実を舞台にしてるからかな。
それとテレビシリーズよりもずっとクオリティが高いからってのもある。
特に1話がそうだけどゲームのオマケ同梱OVAというレベルじゃないです。
クオリティ的には単品のかなり力の入ったOVAと比べても遜色ないので。
値段からするとOVAを買ったらまともなゲームもついてきたという感じ。
(ガンスリ1期はゲームの方がオマケみたいな代物だった)
アニメ市場より当時のゲーム市場がずっと大きいから出来た手法っすね。
そしてゲーム内容とアニメ内容が表と裏で繋がってるのも興味深いところ。
と言ってもゲームを知らないとアニメが理解できないわけでは無いけど。
知ってたらより楽しめるという程度。

アニメの.hack//SIGNはこれのゲーム版を元にした作品だったはず。
つまりLiminalityが表(リアル)でSIGNが裏(バーチャル)ってことです。
ゲームはPS1の3Dで今ではチープなのでアニメで見た方がいいかも!?
アニメ(SIGN)の方もこれと比べるとずいぶんチープに見えますが……
どちらかと言うとこの内容と見た目のテレビシリーズが見たかったかな。
まぁ、このクオリティをテレビスケジュールでやるのは難しいですが。
それでも多少クオリティが落ちたとしてももっと話数が欲しかった
題材的にとても興味深いのに尺の関係で説明が足りてない感じなので。
せめて1クールかけてもっとじっくりキャラ描写や説明をして欲しかった。

この作品は完全な続き物ではなく1話毎に主役が変わる構成になってます。
全部で135分しか無いので完全な続き物の方が話はよくなると思うけど。
OVAはある程度1話で理解できる内容じゃないと商業的に良くないのかも。
だから1話毎に一人ずつキャラをクローズアップして描いたのでしょう。
でも完全な読み切り構成ではなく前の話が次の話へ繋がっていくのです。
そんな全体の流れ中の1話なのにそれぞれの回は方向性が違ったりします。
それぞれの主人公の特性が違うので題材へのアプローチが異なるのです。
そして最後の4話で1~3話の主人公が集まって事件を解決するという展開。
1話毎に話を成り立たせながら全体としても一つの物語になっている
不満がないわけではないけど構成はよく出来てるしとても興味深いです。

とは言え舞と徳岡を中心に他を絡ませる展開で全編やるべきだったような。
1話のキャラ描写が特に良かったからそれでずっと見たかったというか。
複数キャラの視点で核心に迫っていく構成のせいで説明が足りてないし。
舞の音が聞こえる現象とかとても気になるのにちゃんとした説明がないし。
4話も手に汗握るけど何がどうなって解決したのかいまいちわからない。
なんで徳岡が警備員にぼこぼこにされながら開放されたかも説明がない。
同じ構成でももっと尺があれば良くなったかもと思えてしょうがないです。
どちらかと言うとこの構成はOVAではなくテレビシリーズ向きだなと。

あと、これを見てて「電脳コイル」と「絶対少年」を思い出しました。
特に電脳コイルの方は題材や舞台設定的にとっても似てますね。
開発者が残したバーチャル空間の仕掛けが昏睡事件を引きおこすとか。
古いシステム云々なところなんてそっくりでちょっとビックリしたよ。
仮想現実という概念を中心に据えながらあくまで心の話なのも同様だし。
もしかしてこの作品がヒントの一つになったのかなとすら思ったですよ。
電脳コイルにはこの作品にない独創的な発想や仕掛けがあふれてるので
仮にモチーフにしてたとしてもパクリなんてとても言えませんが。
(そーいえばコメントを途中までしか書いて無いや)

絶対少年は題材が全く違うけど仕掛けとアプローチがとても似てる。
境界線が曖昧になって世界に奇妙な事件が起きるとかそのまんまだし。
複数キャラの視点で核心に迫っていく構成もそっくりそのままです。
話の中心に子供たちがいてその視点をまとめる大人がいるのもまんま。
不思議な出来事を追い求めながらやっぱり心の話なのもそのまんま。
同じ伊藤和典さんがシリーズ構成・脚本なので驚くことでもないけど。
つまりこの作品でやったことを題材を変えて改めてやってたわけです。
尺の都合で掘り下げられなかったので再度挑戦したみたいな感じかも。
絶対少年は2クールもあったからさすがに掘り下げは十分だったしね。
世界の異変も時間と共にスケールアップして最後には凄いことに。
(こちらもコメントを途中までしか書いて無いや)

この作品が面白かったけど物足りない人は上の二作品を見るといいかも。

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

記事への反論は非公開を指定しても公開します
公開して欲しくなければメールで送って下さい

※コメント・トラックバックについてのおことわり

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://navido.blog12.fc2.com/tb.php/1246-f5f6f609