7月からTBS系(3局)で木曜日の深夜に放送してる新番組。
BS-TBSでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。
原作はライトノベル(トクマノベルズEdge)で読んだことは有りません。
※セル・レンタルDVDのリリースは10/7から
時は大正14年(東京六大学野球が発足した年らしい)。
東邦星華高等女学院に通う鈴川小梅はある日友人の小笠原晶子(あきこ)に、
一緒に野球をやって欲しいと誘われよくわからないまま同意してしまう。
クラスの呼びかけで面白そうだと乗って来た人もいて幸先良さそうだった。
しかし見学に行った男子の練習の激しさにみんな逃げ出してしまう。
小梅も逃げ遅れてしまっただけで、自分にはとても出来ないと思った。
よく残ってくれたと泣いて感謝する晶子に本当のことを言えなかった。
それでもやっぱり出来ないから断ろうと、伝えようと機会をうかがった。
そんな時、なぜ無謀にも野球をやりたいのかが晶子の口から語られた。
話を聞いて晶子の想いに共感した小梅は一緒にやってみようと決意する。
なんか大昔(20~30年前)の少女マンガみたいだというのが第一印象かな。
女性が何か新しい分野に挑戦するというのが当時のトレンドだったし。
女なんてと侮辱した相手を見返すために始めるのもいかにそれっぽい。
主人公が豆狸みたいな女の子なのも当時は結構有りがちだったしな(笑)。
これで相手役として男キャラがもっと絡んでくればそのまんまですよ。
そんな感じの作品が今さらに(男性向け?)ライトノベルで人気なのか?
女キャラさえ並んでれば何でもいいのか?とか考えつつ見てました。
この前にやってた「けいおん!」と作品の構図が似てるとは言えるかな。
どちらも女の子たちが仲間を集めて新しいことに挑戦する内容だし。
ただ時代が近くて題材が身近で共感しやすい「けいおん!」と比べると
時代背景的にも題材的にもあまり共感しやすいとは言えないかなと。
20~30年前と違って今や女子が野球をするのなんて珍しくもないしね。
(オリンピックで活躍してるぐらいだし)
野球してる姿が魅力的に見えるかと問われてもどーだろうって感じだし。
それでも最初の頃に比べればかなりマシで見れるようにはなったけど。
正直、これよりクロスゲームを見た方が野球をやりたくなるのでは?
まぁ、女子野球の黎明の物語として楽しめることは楽しめますが。
完全な初心者が一つ一つの技術を模索しつつ積み上げていく内容なので
同じようなまるっきりの初心者なら勉強になる部分も多少はあるだろうし。
ただしあまり技術の細かいところまで突き詰めた内容ではないので、
そのへんを期待すると物足りないかと。あくまで雰囲気って感じです。
言わばキャプテンやプレイボールを華やかにしてライトにした感じかな。
実は野球以外の内容に関してもずいぶんライトな感じだったりします。
仲間を集めたり野球の練習をしたりする過程で何度か壁に当たるのです。
すんなり行き過ぎると物語が盛り上がらないから必然のスパイスですが。
で、この作品はその壁をクリアするプロセスがあまりに簡単なのです。
キャラの描写もそうだけど何かみょーに浅いのです。ライトなのです。
キャラが多くて一人一人のキャラを掘り下げる時間がないのですかね。
見ててあまり共感できないのは舞台だけではなくそのへんもあるのです。
キャラが多いわりに見分けはちゃんとつくので基本は出来てるんですが。
見た目に関しては、小林七郎さんの十八番の柔らかい水彩タッチの背景と、
J.C.STAFFお馴染みの繊細な配色と、池端さんの小気味いい演出が相まって、
雰囲気は抜群と言った感じです。あいかわらずいい絵を作ってくるなと。
ただ刺激とは対極にある心地よい絵でライトな内容をやってるから……
悪い意味の相乗効果でずいぶんと印象の薄い作品になってたりして。
こーゆー上品な映像は生々しいキャラだと劇的に生きてくるんだけどね。
ライトな内容の場合は表現的にもっと誇張した方がいいのかもしれない。
池端さんの小気味いい演出はコメディだと凄くハマって来るのです。
同じ監督・美術・制作会社の「ぽてまよ」なんか見事にハマってたしね。
この作品でもコメディ表現のところは絶妙な表現やテンポで見せてるし。
1話のミュージカル仕立てのところなんか結構なインパクトが有ったから。
コメディの要素がもっと大きければ作品の印象がずいぶん違ったかも。
いっそ毎回ミュージカルっぽいのを入れたら面白かったかもと思ったよ。
ウケるかは何ともいえないけど、少なくとも印象は今より強くなったはず。