まめに録画する根性はない。DVDを買い続ける金もない。 だからレンタルビデオで行こう!

まりあ†ほりっく 1~5話

1月から一部の民放(6局)で深夜に放送してる新番組。
AT-Xでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。
原作はマニア系少年誌?(アライブ)のマンガで大ファンです。
※セル・レンタルDVDのリリースは3/25から
宮前かなこは両親が出会った天の妃女学院へと念願の編入を果たした。
かなこもここで両親のような生涯の伴侶を見つけたいと思ってたから。
と言っても目的は数少ない男性教諭ではなく女生徒達のほうだった。
そう、かなこさんは男の人が苦手で女の子が大好きというレズ娘だった。
これから美少女に囲まれて過ごすのだと思うと鼻息が荒くなるのだった。
妄想して道に迷ったかなこの前に祇堂鞠也という凄い美少女が現われた。
彼女は前理事長の孫にして中等部では生徒会長を務めていた才媛で、
この学園では年上のお姉さまにすら絶大な人気を誇っていたのである。
その彼女のキスを受けたかなこはいきなり本命に出会ったと浮かれた。
しかし彼女の幸せはそれから数時間後に終わりを告げるのである。
麗しの学園のアイドル改め女装のドS少年・祇堂鞠也の手によって。

始まりましたよ!待ちかねましたよ!凄い楽しみでしたよ!
だって大ファンの作品を大ファンの監督さんが映像化してるんだから!!
こんな奇跡みたいなこと生きてるうちにもう起きないんじゃないかな。
(確率的にはせいぜい30年とか50年に一度有るぐらいだし)
思わずテレビの前で正座して全裸で見てしまいましたよ!嘘ですが。

前に破天荒遊戯のところにも書いた気がするけど、
遠藤海成さんのあの言葉で畳み掛けるようなセンスが大好きなのです。
ボケにつっこみを入れるような、ボケにさらにボケを重ねてるような、
ひたすら話がずれて行くような、言葉のエンターテイメント、みたいな。
破天荒遊戯のアニメではそこがかなり端折られて不完全燃焼だったけど、
新房さんなら!新房さんなら!きっと完璧に再現してくれるはず!
むしろ今までの作品の出来からいって完璧以上に再現されるはず!
そう期待せずにいられなかったのです。

そして実物を見た感想は……素晴らしいほどに完璧でした。
それどころか原作のテイストを再現しながらえらくパワーアップしてる。
原作すらついて来れない人はお帰りください。このブタ野郎!状態なのに。
(原作コミックのAmazonの評価が両極端なのがいい例かも)
さらにパワーアップしちゃって感覚の合わない人は叩き出すような感じに。
まぁ、新房アニメはいつもそんな感じなので、いつも通りといえますが。
いつも通り原作のテイストを完璧に再現しながら新房アニメになってるし。
相変わらずの素晴らしい手腕にはぐうの音も出ません。
てゆーか大好きな遠藤海成テイストの内容を新房テイストで彩ると言う、
何この貴方のため(だけ)に作りましたみたいな作品は、って感じですよ!

ちなみにアニメの内容は原作の内容をかなり忠実に再現してます。
もちろん細部にアレンジは入ってるけどほとんど原作通りです。
映像表現はさすがに新房アニメらしく大胆に作り変えられてますが。
でも実はいつもの新房アニメな表現だと思ったのが原作由来だったりも。
例えば2話で隆顕さまがかなこに部屋を替えられた訳を聞きに来たところ。
かなこの部屋がKEEP OUTで塞がれてる絵って原作にもそのままあるので。
他にも新房テイストにアレンジされた原作通りの表現が結構有るし。
原作者とアニメスタッフの見事なコラボレーションになってるのです。
なるほど新房さんってこんな手法でアニメにするんだと感心しちゃったよ。
つまりアニメで変わったわけではなく原作からこんな内容なんです。これ。
ゴッドが猫耳だったり鞠也がメイド服を着たりも原作通りなんです。ええ。
(鞠也のナース服のシーンは尺の都合で放送ではカットされたらしい)

実は原作とかなり違ったアニメになってるかも、と考えたりもしました。
原作のエッセンスを使いながら内容を大胆に再構成してしまったりとか。
原作と一風変わったまり†ほりもそれはそれで見てみたいなと思ってた。
新房さんがやるならどんなアレンジでもきっと許容できるハズと思った。
だから原作をきっちり踏襲してきたのにはちょっと肩透かしだったなと。
表現はいつものように異彩で多彩で内容を知ってても楽しかったけどね。
原作を読んでて思ったけど元から新房アニメと方向性が近いような気が。
原作の遠藤海成さんと新房アニメのスタッフの感性が近いと言うか。
(遠藤海成さんはこのアニメの制作が楽しくてしょうがないようで)
どっちのセンスも大好きなあたりで有り得た話なわけですが。

そーいやこの作品がどんな作品か書いてなかったなと。
この作品は一言で言うと美少女萌えアニメの皮かぶった何か違うもの
男性向けに媚びた美少女作品を期待すると唖然とする可能性があります。
破天荒から原作者を追いかけてた人ならそんなの有り得ないとわかるけど、
いきなりこの作品から入った人は期待したものと違うと思ったりしそうだ。
カワイイ女の子ばかりの萌え萌え百合ワールドが展開してるとかね……
まぁ、かなこさんもそれを期待して天の妃に編入したわけですが(笑)。

主人公のかなこは女の子が好きなので女子校はある意味ハーレムです。
毎日どころか日に何度も女の子の可愛さに鼻血を吹き出してるし……
でもまわりのカワイイ女の子たちは誰一人かなこに惚れてくれません
まぁ、女の子に惚れる女の子がそんなにいようはずもないわけですが。
美味しい料理を前にしてひたすらお預けをくらってるような作品。かも。
(そもそもこの作品にはかなこさんの一方通行のラブしかありません)
それどころか女装のドS少年にひたすら足蹴にされる不憫な主人公です。
と言っても9割方はかなこの自業自得な気がしないでもないけど。
なにしろかなこさんの行動は同性愛を別にしてもかなり変態なので(爆)。
鞠也がかなこを歯止めしてなければどれだけ危ないことになってたやら。

実は女装でサドな少年との同居ネタって他にもあったりします。
主人公の女の子がボケをかまして相手の男子に弄られるのもあります。
どちらも少女マンガです。てゆーかかなり少女マンガな構図だね。これ。
さすがに女子校に生涯の伴侶を探して~な内容は少女誌では難しいけど。
それ以外の要素に関しては少女マンガの方が近いんじゃないだろうか。
作者が女性だから女キャラは(変だったりするけど)生っぽいし。
言葉のマシンガンっぷりやギャグの黒さとか新井理恵さんに近いし。
Amazonの女性向けという形容もそう間違ってはいないかもと思ったよ。
あくまで程度の問題で男がついていけないわけではないですが。
いつもの新房アニメより人気が低いのはそのへんの関係でしょう。
(それでも地べたを這いずってた破天荒よりは断然マシです)
ワタシク的にはいつもより楽しいぐらいなのに……

表現のこと。
表現はいつもの新房アニメ的な洗練かつ先鋭的な演出がてんこもりです。
原作は内容こそ尖がってるけど見た目はここまでシャープではないので
アニメの洗練された表現のおかげでより切れ味が鋭くなった気がします。
(実は破天荒遊戯の初期の方が絵は尖がってた)
原作の面白い表現もアニメの表現の中に違和感無く組み込まれてるし。
ずいぶん昔の少女マンガのような悪ノリした表現も随所で入ってる。
(原作はテヘッ程度でここまで突き抜けた表現はありません)
落ち着いたネイチャーカラーの配色に白い校舎のコントラストという、
相変わらずの他の作品とは一線を画す色彩センスにも惹きつけられます。
他の新房アニメと表現技法が似てるようで、でもどこか違ってるし。
ここまで特徴的な表現や配色を使いながら作品毎に変えてくるのも凄い。
この先のシーンがどんな表現になってるのかとっても楽しみです。

そして新房アニメといえばオープニングとエンディングの映像です。
今回ももちろん期待を裏切ることなく凄いものを出してきましたよ。
オープニングなんか単色レインボーカラーのマネキンをCGで並べたり
白い画面にレイボーカラーのバケツを並べたりするポップアートだし。
レタリング文字を画面に散りばめたりクレジットで入れてたりするし。
尾石さんたらすっかり表現技法の最果てにイッちゃってる感じだよ。
もはや今のアニメ業界で敵はいませんな。同じ新房組の中以外には。

エンディングは映像よりも曲にビックリです。
「君に、胸キュン。」ってYMOじゃねーか!元祖テクノポップの。
手元にオリジナル(YMO)版が有ったので思わず聞き返してしまったよ。
これ見てる視聴者の大半はRYDEENとか知らなかったりしそうだね……
※うる星のサントラがかなりYMOテイスト
ちなみにアニメのはボーカルが違うだけでなく曲もアレンジ版です。
さすがにオリジナル版のシンセの出音は今となっては古いから。
ボーカルエフェクトも当時は元声が判別不能なボーコーダしか無かったよ。
なので現代版の「君に、胸キュン。~Ver.2009~」みたいな感じです。

追伸。アニメの公式ブログがとても楽しいです。

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