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true tears 1~13話

これだけは是非続きを見たかったけど時間がなくてすっかり今頃に。
と言っても今も視聴スケジュールに余裕は無かったりするわけですが。
2008年の私的ベストに突っ込むために無理やり捻じ込んで見ました。
序盤の印象がかなり薄れてたので念のために1話から。
※セル・レンタルDVDは全巻リリース済

(注)以下ネタバレ大量なのでこれから見る人は読まない方がいいよ

まず、最後まで見て思ったのが変わった構成の作品だなってこと。
いわゆる物語的な作法に則ったストーリー展開になっていないので。
おかげで見てて物語の着地点がイマイチ見えてこなかったのでした。
10話の最後に眞一郎が自転車で比呂美を追いかけるシーンが有るけど
これってよくある物語的な構成ならクライマックスシーンなわけで。
麦端祭りのシーンがクライマックスかと思ったらそれも違ったし。
この作品ってどんな意図の構成なのかさっぱりわかりませんでした。
そして最後まで見てやっと理解できたのです。
この作品は意識的にいわゆる物語的な展開を外しているんだと。
関係の糸が絡み合ってからほぐれるまでの時間を切り取ったみたいに。
生っぽさを追求するために物語的な巡り合せの良さを排除したんだと。

もうひとつ思ったのが、収まるところに収まった、という感想かな。
そもそも眞一郎は最初から比呂美が好きだったわけで。
比呂美の方も眞一郎が好きっぽいのは序盤からかなり匂わせてたわけで。
でも比呂美は事情があってその態度を表に出さなかったわけです。
むしろ次から次へと嘘をついたり全く気のないそぶりをしてたりして。
この事情は比呂美の責任ではないしむしろ同情に値するのだけど。
そんな比呂美の態度のおかげで状況は混乱を極めていったのでした。

眞一郎の母が比呂美に辛く当たる理由ってやっぱり浮気かなと思った。
比呂美が比呂美の母に似てるとか写真の顔だけ切り抜いてたりとかだし。
でも比呂美の母と浮気した結果についてまでは考えが至らなかったよ。
浮気なら二人は血が繋がってる可能性があるんだと……
比呂美は気持ちを隠してたのではなく無いことにしようとしてたのです。
眞一郎の気持ちが自分に向いてることにもちろん気付いていたからこそ
これ以上先に進まないように気のない態度をとってたわけです。
それでも自分の感情を無かったことに出来てない比呂美からしたら
先に進めなくてもそばに居られるだけでささやかな幸せだったのかも。

比呂美の事情にはなんと思いもよらぬオチがついてきます。
眞一郎の母が言うとおりどうにも合わない人間関係というのは有るし、
つい何の根拠もなく思ったことを勢いで口走ることも有るわけです。
眞一郎の母自身すら比呂美がそこまで思いつめると思わなかったようで。
比呂美が眞一郎が好きじゃなければ大した問題でもなかったしね。
「忘れたことなんてありません。一時も」って言葉にとても驚いていた。
考えたら比呂美が眞一郎の母に感情を吐き出したのはここが初めてです。
それまで比呂美はどんなにひどい態度を取られても静かに従ってたから。
そしてそれは二人の関係に大きな変化を与えるのでした。
確かに変化のキッカケなんて案外こんなものだったりする。

思いもよらぬオチによって比呂美の事情はクリアになるのです。
もう自分の感情を隠さなくても良くなるのです。
そして比呂美はある決心を行動に移したのです。
眞一郎の家から出て一人暮らしを始めたのです。
これって眞一郎を諦めたのではなくむしろ先に進むつもりだからだね。
淡い想いのままならひとつ屋根の下でもいいかもしれないけど、
先に進んで恋人同士になりたいなら同じ家はあまり好ましくないから。
都会ならともかく人間関係が密な地方だと外聞も悪くなるわけだし。
アニメだと一つ屋根の下で上手く行っちゃう展開が少なくないけど、
生っぽさを追求したこの作品であえてそうしなかったのに感心したよ。

物語的な展開なら10話の最後がクライマックスとか上に書いたけど、
眞一郎が誰かを選ぶラブストーリーならそこで終わりでもいいわけで。
確かな言葉は何ひとつ無かったけど互いの気持ちを確信したわけだから。
だけど誰かを選んでそしてハッピーエンドで終わりにはならないあたり
物語的ではない現実からある時間を切り取ったような生っぽさがあります。
タイミング良くいかにもなクライマックスに至るなんて現実にはないから。
気持ちが通じ合った二人以外の関係はまだ絡み合ったままなわけだし。
絡み合った関係の糸をほぐしていく過程が二人には残っていたわけです。
それは決して楽しいことではない。一度は繋いだ手を離すということ。

この作品は眞一郎と比呂美と乃絵の三角関係のラブストーリーです。
正確には愛子と三代吉と乃絵の兄を巻き込んだ複雑に絡んだ関係ですが。
その三角関係のどちらを選ぶか?みたいな作品に一見すると見えます。
一見するとと表現してるのは実際はそうなってないからという意味です。
上にも書いてあるとおり眞一郎は最初から最後まで比呂美が好きなわけで。
にもかかわらず乃絵に好きだ付き合おう、と言ってしまったわけですよ。
まぁ、この時の乃絵を好きだという気持ちに偽りは無いとは思うけどね。
それ以上に比呂美が好きなだけで。好きって感情は一つじゃないから。
眞一郎が乃絵と最後に会った時にオレは比呂美が好きだと言ったけど
乃絵も好きだとは決して言わなかったのが誠意なんだろうなと思った。
(好きという言葉を使わず乃絵との関係も大事だったと表現してた)

実は眞一郎が10話の最後に決心をして自転車で追っかけるよりも前に
乃絵は自分から眞一郎のことを諦めて引いてしまってたりする。
バイクで事故った時の眞一郎の比呂美への態度で気付いちゃったから。
そして自分を選ぶ可能性が無いことにも気付いちゃったんだろうね。
乃絵って行動は変だけど直感的というか結論にたどり着くのが早いから。
そして相手に捨てられる前に自分から気持ちを捨てようと思ったのです。
それでもいきなり感情は無くならないから好意が向けば嬉しいわけで。
10話で「どうしてわたしのところへ来るの?」とポツリと言った後に
「今日は私のために踊ってくれる?」と言ってるのがズキっと来るよ。

この作品には3人のヒロインがいます。
三角関係の当事者である乃絵と比呂美とそして幼馴染の愛子。
この三人で一番の美人は比呂美という意見に反論する人はまずいないかな。
最も清楚で儚げでさらに不幸な境遇もあっていかにもヒロインって感じで。
でも比呂美はこの作品の中で最も見苦しい行動を取った人でもあります。
自分でも自分の行動をコントロールできてない迷走っぷりを見せてみたり。
乃絵に向かって思わず悪意のこもった言葉を発してしまったり。
(思わず口から出た言葉って本心だと思う?のところ)
自分が嫌な人間になってる自覚があるのにそれを止めることができない。
人を好きになるのはキレイ事ではなくてキレイではいられないみたいな。
たとえ見苦しくても、なりふり構わなくても、手に入れたいと思うから。
だから比呂美は手に入れられたんだと、そうも思ったのでした。

実のところ乃絵ももっとじたばたしてたら目が無かったわけじゃない。
見てて乃絵は恋をするにはまだキレイすぎたんじゃないかと思ったよ。
今回の失恋は乃絵の未来にとって必要な過程だったんじゃないかなと。
これからもっと多くの人との間に関係を紡いでいって、
もっとずっと見苦しくてみっともない恋をするようになって。
そしたら乃絵も愛を手に入れることが出来るんじゃないかと思うのです。

序盤の比呂美の行動が迷走してる部分もそうだけど
眞一郎から見て比呂美の行動が不可解に見える部分が少なくありません。
上にも書いたように比呂美自身にも不可解な行動だったりもするけど。
でも大半の不可解な行動にはそれなりに理由があるわけです。
眞一郎の視点だけだと見えてこない比呂美の心のうちと言うやつが。

男が主人公の作品だと女子は不可解で完結することも少なくありません。
特に美少女ラブコメアニメはその傾向が強かったりします。
(エロゲーアニメなんか中身の見せようのない変なキャラが多いし)
でもこの作品は男の側だけでなく女の側の視点も随所で挿入してあります。
眞一郎から見たら不可解に思える比呂美の行動の理由も見せてるのです。
外側は美人で儚げな比呂美の内なるドロドロしたものを見せてるのです。
だからこそ行動に説得力があるし、より深く感情移入ができるのです。

男と女の両方の視点を見せると言う意味でとても特徴的だったのが
5話の眞一郎が初めて比呂美の部屋に入った時のシーンです。
眞一郎の視点だけだと何でいきなり機嫌が悪くなるのかわからないアレ。
いや、そこまでの比呂美の内面を追えてればわからないことはないけどね。
でもそこまで読めない人は女の子はわけわからんという印象を持つはず。
でもこの作品は改めて比呂美の視点でリプレイしてちゃんと説明してる。
最初は初めて眞一郎が自分の部屋に入ってきて嬉しいのが滲み出てるし、
その後の話の内容で気持ちが上から下へと急降下してるのも良くわかる。
特に言いたいことをモノローグで何度も繰り返してたのが印象的だったよ。
面白い表現を使ってるなと凄く印象に残ったところでもあります。

比呂美についてはもう一つ感じたことがありました。
それは比呂美ってとっても嘘つきだなってこと。
もちろん嘘をつくのには理由がちゃんとあったりするわけだけど。
それに途中までは自分の本心を見せられない事情もあったわけです。
とは言えこんなに嘘をつきまくったヒロインは前代未聞かもしれない。
あまり嘘が多いので今の言葉は本当なのか?とか思ってしまったり。
最後のシーンで眞一郎に付き合おうとか言われてイヤと言ったのさえ、
これは言葉どおりの意味じゃないだろうなと思えてしまうぐらいだし。

比呂美の嘘で特に印象的だったのが小さい頃の祭りの思い出の話かな。
たぶん眞一郎にとって大事な思い出で好きのキッカケとも思われる話。
それを比呂美は「忘れちゃった」とか口走ってるわけです。3話では。
でも視聴者は比呂美がその思い出を忘れてないのをすぐ後に知ります。
そして11話で比呂美は家を出る前に眞一郎にその思い出を話すのでした。
あんな思い出を忘れるわけ無いじゃない、とかぬけぬけとのたまって。
つまり比呂美にとっても大事な思い出で好きのキッカケみたいな感じ。
(その思い出があったから眞一郎の家に来たと言ってたし)
ここなんか特にだけど状況で言うことがまるで変わるのが印象的でした。

朋与に問い詰められて好きな人は乃絵の兄だと言ったのももちろん嘘。
おそらくバスケの試合で目についたのをその場逃れで言ったのでしょう。
本気で眞一郎のことを諦めて他の人を好きになろうとしてたのなら
成り行きでの付き合いとは言えもっと真摯に向き合っただろうし。
眞一郎が紹介したことであそこまで機嫌が急降下したりしません。
(デートは露骨にやる気の無い態度だったしね)
そもそもあの眞一郎の余計なお節介も半分は比呂美自身のせいだから。
なにしろ眞一郎の前でぺらぺらと雄弁に嘘話を展開してたのは自分だし。
比呂美は嘘つくときほど雄弁だとかこのシーンを見てて思ったほど。
でも眞一郎はこの嘘話を額面どおりに受け取ったのでした……

もうひとつ。これは厳密に言うとまんざら嘘ではないことだけど。
12話の麦端祭りの準備に愛子が遅れて参加してきたすぐ後のとこ。
その場所を乃絵が眞一郎がいないかと覗いてすぐいなくなるのです。
それを見た愛子が「彼女か~」と複雑な想いの混じる言葉を発するけど、
そこで比呂美が「彼女は私です」と静かにでもハッキリと言い放ってた。
まだ互いに好きだとも付き合おうとも言ってない関係にも関わらず。
確かにこの時点で二人は事実上の恋人みたいな状態だったけどね。
そしてこの言葉を公式にも本当にするんだという強い意思を感じた。
この後の愛子の私はすっかり部外者なんだみたいなセリフも含めて
特に印象に残ったシーンの一つです。

比呂美の嘘もそうだけど、この作品は会話がとてもよく出来てます。
言葉のキャッチボールが単純な受け答えとは限らないあたりが特に。
これに関しても眞一郎と比呂美の会話によく特徴が表れてます。
比呂美は嘘をつく以外に結構眞一郎の問いをはぐらかしてるのです。
一見するとちゃんと答えてるようででもよく考えると全く答えてない。
話を反らしてることに気付きにくい絶妙なはぐらかし方をしてる。
答えられない、答えたくない、それこそが比呂美の答えなわけです。
むしろ今の自分が答えを出したくないって気持ちもあったのでしょう。
想いを消したいけど消せない複雑な感情が受け答えに表れてるみたいな。

そして物語は終わりを迎えます。
いかにもなラストシーンというより人間関係の一つの区切りとしての。
複雑に絡み合った人間関係の糸がキレイにほぐれたその瞬間としての。
或いは新しい関係に向けて走り出すための。

そんな物語のラストの印象を一言で言うと「とても好き」かなと。
素晴らしいとか、よく出来てる、って形容よりも「好き」って思った。
最後の眞一郎と比呂美の「これからはずっと隣にいるんだし」
「何それ?プロポーズみたい。まだ付き合うのOKしたわけでもないのに」
(字面だけだとわからないだろうけど比呂美は感極まってるのです)
ってやり取りでやっとここまで来れたんだって思って凄くじーんと来た。
キャラに思い入れが深かったのでまるで自分のことのように嬉しかった
さんざん紆余曲折があったし、一時は未来が絶望的であったわけだから。

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