10月から一部の民放(10局)で深夜に放送してる新番組。
アニマックスとBSジャパンでも放送してるので見れない人はそちらで。
原作はスクエニ傍系(REX)のマンガで1巻だけ読んだことがあります。
※セル・レンタルDVDのリリースは11/26から
御厨仁(みくりやじん)の住む神薙町にはとても大きなご神木があった。
しかしご神木のあった神社は取り壊されて木も切り倒されてしまった。
不思議な縁でそのご神木の一部を手に入れることに成功した仁は
それで昔ご神木の傍で出会った不思議な女性の姿を彫ることにした。
突然現われ突然消えた彼女はまるで木の精霊のようだと思ったから。
完成した木彫りの像は自分でも驚くほどに会心の出来ばえだった。
それはまるで木の中に見える姿を彫り出したかのような感触だった。
だからって、その像が突如人になり動き始めるとは予想できなかった。
彼女は自らを産土神(うぶすながみ)と称し、やけに態度が大きかった。
神を自称するくせに自らについた小さな穢れすら払う力がなかった。
人には何もできないはずの穢れを仁はあっさり掴んで捨ててしまった。
次の瞬間「なんでじゃー」という叫びと共に彼女の蹴りが仁に炸裂した。
※公式サイトの「おはなし」の方が雰囲気がわかりやすいです
とりあえずの第一印象。またオープニングで踊ってるよ(笑)。
ヤマカン(山本寛)と言えばキャラを躍らせる人として定着しそうです。
※ハルヒのEDの踊りをやった人&らき☆すたの4話までの監督
躍らせるしか能がないのかよ!みたいに言われたりもしますが。
今回の作品は今までのと違って躍らせることに多少の意味があるので。
ナギがオープニングのようにアイドル活動をするわけではないけど。
アイドル的な存在を目指して頑張るという意味には違いないから。
アイドルはアイドルでもご町内のアイドル、学校のアイドルですが。
このオープニングの映像ではナギがアイドルの活動をしてるけど、
よく見るとマネージョーやスタイリストや振り付けの人やカメラマンとか、
それぞれのカットに出てくるモブ以外の人がレギュラーキャラだったり。
アイドル(っぽい存在)になる方向性と主要のキャラを紹介するという
作品の顔としてのオープニングの役割をきちんと果たしてて感心したよ。
らき☆すたなんか踊ってるだけで画面の流れに何の脈絡もなかったから。
見せ方のセンスと言う意味でも今までで一番良いんじゃないだろうか。
肝心の本編については、一言で言えばとても面白いです。
どこが面白いのかと言うと……バランス感覚なのでしょうか!?
萌え系っぽいけどいかにもなキャラ描写でもキャラ配置でもないとか。
異性と同居ネタなんだけどドキドキ感は薄めであっさりしてるとか。
面白おかしく誇張されてるけど嘘っぽい記号化キャラではないとか。
かといって生臭かったりドロドロしてるわけではないあっさり感で。
萌え系だけどテイストがライトでポップだから嫌悪感を感じにくい。
バカみたいなことをやってるようで、ちゃんと中身もあったりする。
一つ一つは些細な要素なんだけどそれが上手く噛み合ってるみたいな。
だから目を引くほど凄い要素はないのに、とても面白く感じるのかなと。
少なくともナギの太腿だけがウリってことはないと思います。
まぁ、この異常な人気は太腿のせいもあるのかもしれんが(爆)。
※今期1番人気の作品
漠然とした話ばかりではアレなんで具体例としてナギのことを。
この作品のヒロインにして面白さを凝縮した存在のナギのことを。
一言で説明するとナギは女子高生にしか見えない神様です。
神様なんだけど行動とか能力とかあまり神様らしくない神様です。
木(御神木)と土塊から顕現したのにトレイに行くしご飯も食べます。
神様のクセに息をするように嘘をつきます。二重人格のふりもします。
ちゃんと料理を作れるのに面倒だからと料理を知らないフリをします。
(料理をしたらそれはそれで凄い結果が待ってるわけだけど)
神様のクセに自分についた穢れひとつ満足に払うことが出来ないし、
みんなの気持ちを集約して新たに使えるようになった力も光だけ……
てっきり何か凄い効果でもあるのか思ったらステッキが光るだけ(爆)。
ナギは何と素晴らしい力だ!と喜んで懐中電灯代わりに使ってたよ。
服装も自由になるわけではなく顕現した時に着てた一着だけなので
別の格好に着替えるためにはお店で買ってこないといけません。
1万円じゃ男物だって大した物は買えないと思いますが。
体型も自由にならないのでブラのサイズで右往左往をしたりします。
地面にめり込むような唸りと切実過ぎるやり取りが印象的だったよ。
「育ち盛りですから!」ってこれから育つんですか?神様なのに(笑)。
なんか神様というよりいい性格をした生身の女子のようですな。
もちろんナギにも神様らしい部分はあります。
神様らしく態度は尊大だし、世間知らずで服の値段を知らなかったり、
味噌汁に牛乳を入れたものを平気で食べるほど味覚が曲がってます。
にしてもとても美味しそうな料理が出てくる作品は世の中に数有れど、
明らかにジャンクな料理を食べるシーンばかりってかなり異色かも。
魔法少女の番組を見てこれだ!と魔法のステッキをオオヌサにするとか。
穢れを払う前にポーズとって魔法少女風の前口上を口走ってみるとか。
行動パターンが人間の一般的な感覚からかなりかけ離れてたりします。
迷惑をかけられても、神様だからしょーがねーな、と諦めるほどです。
なんか有り難いところではなく、駄目なところばかり神様だ(爆)。
こんな感じでとても面白いのです。
ただ、原作ほとんどそのまんまなんですよ、このアニメ。
いわゆる原作のテイストや内容に忠実とか言うレベルではなくて。
手持ちのコミックスの1巻とアニメの内容を詳細に比較してみたら
カット割りからセリフからキャラの表情までほとんどそのまんま。
1話のAパートの冒頭5カットなんか原作のコマ割りと構図も同じだし。
(他にも原作のコマ割とカットの構図が連続して同じところがある)
原作より少しカットを追加してディティール描写を深くしてあったり、
カットの流れが原作と入れ替わってたり場所が動いてるのもある。
セリフも少し削ったり追加してあったりもする、けど9割方同じです。
キャラの表情やギャグ表現なんか原作由来のカットは99%同じだよ。
ここまで原作の表情をそのまま再現したアニメは前代未聞かも!?
良くも悪くも原作を忠実に再現したアニメとは言えると思います。
つまり面白さもキャラが生きてるのもほとんど原作に由来するのです。
アニメで追加した部分がないわけではないです。
1話のBパートなんかほとんどオリジナルの内容だったりするし。
ただ、この作品は原作1本分がアニメ半パートに完全に対応しているので、
原作にはほとんど手を加えずに1回分を間に挿入してある感じなのです。
だからオリジナル要素があるにも関わらず原作ほぼそのままって印象に。
このBパートは原作ではわりとあっさり流したナギとの同居の始まりを
じっくりと描いたと言う意味でそれなりに意味が有ったのかなと。
特に美少女と同居のドキドキ感を原作よりずっとパワーアップしたのが
メインの男子視聴者の共感性を補強すると言う意味でとても効果的かなと。
原作は美少女ハーレムっぽい構図にも関わらずあまりそれっぽくないし。
あくまで女キャラを可愛くそして面白おかしく描くという方向性なので。
男キャラはチヤホヤされるのではなく女の子に振り回される役回りで。
男性向けのサービス的なシシチュエーションってほとんど無いのです。
(原作者が女性で女性視点で描かれてるから)
つまりナギの太腿がどうとかはアニメでの色づけってことです。
原作にそっくりなので原作を知ってるとインパクトが薄いです。
原作ファンならキャラが動いて喋ってるだけで楽しいでしょうが。
原作そっくりなのでアニメから原作でも全く違和感はないはずです。
雰囲気どころか内容までそっくりなので新鮮味は無いですが。
それは原作→アニメでも全く同じなので勘弁しろってことで。
つまりアニメが気に入ったからと原作を買ってきて読んだりすると
放送内容を純粋に楽しめなくなる可能性が高いって意味でもあります。
すぐ買ってもいいけど読むのは放送が終わってからがいいと思うよ。