まめに録画する根性はない。DVDを買い続ける金もない。 だからレンタルビデオで行こう!

true tears 1~4話

1月から一部の民放(5局)で深夜に放送してる新番組。
キッズとBS11でもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は美少女恋愛ベンチャーでやったことはありません。
※セル・レンタルDVDのリリースは3/25から
仲上眞一郎は絵本作家を真剣に目指して出版社へ投稿なんかもしていた。
そんな彼が今こんな物語を頭の中に思い描いていた。
いつも涙を流している彼女がいて、その涙を拭う方法が見つからない。
このイメージの中の泣いている彼女には実はモデルがいる。
父の友人だった両親が亡くなり家に引き取られてきた湯浅比呂美である。
小さい頃から彼女のことは良く知っていた。笑顔が印象的だったから。
だから初めて家に来たときは驚いた。その顔から笑顔が消えていたから。
それからの彼女は家の中では息を潜めて小さくなってるように思えた。
彼女の笑顔を取り戻したい、そんな思いが物語として膨らんだのだった。

ある日、彼は天使をイメージした。彼女の涙を止めるための存在として。
その翌日、彼は学校でイメージから抜け出たような女の子に出会った。
彼女の名は石動乃絵(いするぎのえ)。奇妙な言動で密かに有名らしかった。
そんな彼女の不思議な言動はむしろ眞一郎の興味を大いに引いたのだった。
そしてある出来事をきっかけに乃絵にとっても眞一郎が大きな存在となる。
二人の距離は次第に近づいていって、互いの生活に大きな刺激を与えていく。
それだけではなく周囲の人たちの関係にも大きな波紋を投げかけていった。

まず最初に思ったのがものすごく丁寧に作ってあるということ。
緻密で現実的な空間描写によって作品世界にとても奥行きが感じられるし、
そこで動いてるキャラの仕草やセリフも実に丁寧で生きているようだから。
キャラデザインが顔のパーツのバランスが取れた絵柄なせいもあって、
見ていていわゆる美少女アニメやエロゲーアニメって感じがしなかったよ。
それもそのはず、この作品は原作とは真実の涙という主題こそ同じだけど
それ以外はキャラ絵から設定からストーリーまで全てオリジナルだから。
そして見る限り制作スタッフはその手の作品にする気は無いみたいだから。
どちらかと言うと絵柄のスマートな青年誌の恋愛モノに印象が近いかなと。
それも一対一ではなく数人の男女による青春群像劇みたいな感じの。

美少女アニメでキャラを現実的に描くのは今では珍しくありません。
Canvas2なんかキャラ描写がかなり現実に近いものになってたわけだから。
※シリーズ構成の岡田麿里さんはCanvas2もやってた
そしてこの作品はCanvas2にも匹敵する現実的なキャラ描写になってます。
さらに舞台設定やキャラ設定までとても現実に近いモノになりました。
なのでいわゆる美少女アニメ的な要素がほとんど感じられないのでした。
眞一郎が描いてる絵本の話が本編の内容に絡んでる構成はそれっぽいけど。
それはエロゲーアニメでよく使ってるだけで汎用的な手法に過ぎないし。
ギャルゲーを原作にしながらここまで現実方向に突き詰めたという意味では、
このアニメはまさしくエポックメイキングではないかと思われます。
突き詰めた結果、美少女アニメに見えなくなっちゃったんですがね(笑)。

現実方向に突き詰めたこの作品にもいわゆる不思議ちゃんはいます。
ヒロインの一人の石動乃絵(いするぎのえ)がそうなのです。
作品の説明にある涙を無くした女の子その人なのでメインヒロインかな?
この乃絵の不思議ちゃん描写こそがまさに現実志向の最たるものだったり。
美少女アニメではお約束の記号キャラである不思議ちゃんを出しといて
いったいどこが現実志向だよ寝ぼけたことを言うな!とか思うかも。
乃絵が常人とはかけ離れた言動をするあたりがまさに不思議ちゃんです。
しかしまともにも喋れるし比呂美の本心を見抜くあたり洞察力も優れてる。
不思議ちゃん=全部変なんじゃなくて、一見まともにも見える変なのです。
この地に足のついた不思議ちゃんの描写にはホント感心してしまったよ。
(不思議ちゃんは現実にも存在するわけで)

この作品には乃絵を含めて3人のヒロインキャラがいます。
最初は乃絵だけがヒロインなのかなと思ったけどそうではないようで。
同級生で(ある事情で)同居してる湯浅比呂美もそうだとすぐわかったけど。
眞一郎の絵本の話に出てくる女の子のモデルはどーやら比呂美みたいだし。
ってことはつまり眞一郎は比呂美に対して好意を抱いてるわけです。
ただの同級生かと思ってたら以前からわりと近しい関係にあったようで。
対する比呂美はと言うと……結構複雑なので自分の目で確かめてくれ。
にしても現実的なキャラを演じるとホントに名塚さんは上手いっすね。

そしてもう一人のヒロインが眞一郎より一つ上の幼馴染の安藤愛子。
眞一郎とは姉弟みたいで眞一郎とつるんでる三代吉と付き合ってる。
だからあくまで眞一郎と近い主要キャラでヒロインではないと思ってた。
しかしどーやら愛子は表向きの態度とは別の秘めた感情が有るようで。
愛子がこんなセリフを言うのです。
人は好きになるとその人に近寄りたいと思う。もっともっと近くに。
だけどそれが叶わない時はその人に近い誰かのそばに……
これを聞いてふとした瞬間に見せてた表情の意味が判ったのでした。
(なんで三代吉と付き合ってるかも見てればわかります)

4話を終わった段階で3人のヒロインたちと眞一郎と三代吉は
想いの向かう先が絡まらない単純な関係に見えます。表向きは。
しかし、各人の秘めた想いは既に複雑に絡まりあってしまってる。
誰かが自分の気持ちを表に出したらこの危うい均衡は崩れてしまう
恐らくかりそめの平和は近日中に崩れてしまうのでしょう。
そして、その先にどんな未来が待っているのか、今はまだ見えません。

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