10月からテレビ東京系(3局)で月曜日の深夜に放送してる新番組。
AT-Xでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。
原作はスクエニ傍系(BLADE)のマンガで1巻だけ読んだことがあります。
※セルDVDのリリースは1/25から(レンタルは1/30から)
時代はほぼ現代。舞台はわりと緑が目立つ街にある高等学校の美術部。
人見知りで無口だけど感受性が豊かで表情も豊かな梶原空(かじわらそら)。
空と特に仲のいい元気でパペットが好きな麻生夏海(あそうなつみ)と
倹約家で空や夏海より常識人でフォロー役の鳥飼葉月(とりかいはづき)。
この3人を中心に美術部の人たちの日常の光景を情緒豊かに切り取ったもの。
事件が起きたりドラマチックな展開があったり、なんてことは一切なく。
普通なら見過ごすような日常の中の些細な出来事にズームインしていく。
日常をスケッチしていく、まさしく天然色スケッチブックな内容です。
今回はいつもと違って原作の内容をアニメを見る前に確認したのです。
そしたらおぼろげな昔の記憶(思い込み)とは全く違う体裁でビックリ。
てっきり素朴で優しい雰囲気のストーリー漫画だと思い込んでたから。
なにやら全く別の作品の記憶と取り違えて覚えてたみたいっすね。
実はこの作品の原作は4コマ漫画の体裁で内容は小ネタの羅列なのです。
つまりストーリーらしきストーリーは原作には全く存在しないのでした。
(元来4コマとはそういうものだったけど最近は流れがあるのも少なくない)
これをいったいどうアニメ化するんだ?と原作を確認した時に思ったよ。
なのでアニメを見た第一印象は、ああっARIAっぽくしたんだ、でした。
※制作してるのは大半がARIAのスタッフ
おそらく見てて似たような印象を覚えた人も少なくないと思うのです。
原作を知らない人なら似たような原作なんだと思ったかもしれないね。
しかし前述のとおり原作はARIAとは全く似ても似つかない体裁の作品です。
そもそもスケッチブックの原作とアニメは全く別物と表現できなくもない。
まぁ元から4コマ漫画はアニメ化での裁量の余地が大きいものではあるけど。
それでも原作と見比べるとあまりの違いにビックリすること請け合いです。
原作と全く違うから原作を蔑ろにしてる、と言うわけでは決してないです。
と言うか原作の内容をベタっとそのままアニメにするのは不可能なので。
そもそも筋も脈絡も時間経過もデタラメなネタの羅列をどう1話にしろと?
なのでアニメは一つのテーマにそった(恐らく)オリジナルのストーリーに
原作の筋も脈絡もない小ネタを素材として織り込んで利用してるのでした。
原作の内容とアニメ独自の内容は全く違和感なく繋ぎ合わせてあるのです。
つまりオリジナルの構成だけど原作のテイストにはかなり忠実なわけです。
もちろんキャラの表情も原作のテイストにきちんと沿って描かれてます。
この手の4コマ作品では続けるうちにキャラが定まってくる傾向にあるので
原作の1巻よりアニメのほうがキャラの性格付けがわかりやすくなってるし。
例えばアニメではお約束の夏海のパペットネタは原作1巻だと2本だけだよ。
そんな感じで原作では描かれてないけど存在してたかもしれないみたいな、
原作の延長線上にあるオリジナルエピソードな作品に仕上がってるのでした。
原作至上主義の人が納得するかは知らんがアニメとしてはいい作品だと思う。
原作との比較ばかりではなくアニメとしての表現手法についても。
なんとなくARIAっぽく感じるのは風景をじっくり見せる場面が多いから。
(かっちりした背景のARIAと比べると水彩タッチの柔らかい印象だけど)
そしてゆるやかに時間が流れてるようなまったりした雰囲気だからすね。
アプローチがARIAに似てるとはいえ完全に同じと言うわけではないけど。
それはARIAとこの作品の描こうとしてる内容が違うからなわけですが。
ARIAは言ってみれば街や世界にある素敵をみんなに伝えるガイドな作品で、
この作品は身近の色々な素敵なものを目でよく観察するという作品だから。
スケッチすると言うことは対象をよく観察することから始まるわけで。
スケッチブックという作品の持つ色をよりくっきりと際立たせた感じだね。
実は原作は美術部が中心な以外ここまで方向性はハッキリしてなかったり。
主題歌の話。
1話はオープニングの映像がついてなくて本編に曲が被ってました。
よーするにオープニングの体裁までARIAそっくりだったわけです。
てっきりそのままやるんだと思ってたら2話からちゃんと映像つきに。
さすがにあまりに似せすぎるのもちょっととか思ったのでしょうか!?
ちなみに楽曲はOPもEDもARIAと似た路線の優しい&美しいメロディ系です。
※Flying DOGはビクターエンタのアニメ関係の(新)ブランドらしい