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電脳コイル 9~15話

時間がなくてすっかり話数がたまってしまいました。
実は11話までは放送直後に見てたんだけどね……

ちなみに今回見たのは7回分ではなく8回分だったりします。
1クールの区切りである13話と14話の間に特番が入ってたから。
「電脳コイル自由研究」というタイトルでフミエとイサコの声優さんが
今までの内容を振り返ったり主要キャラや生き物を紹介してました。
よーするに総集編みたいな内容を情報番組風の体裁でやってたわけです。
そしてこの放送の前の2週間は高校野球でお休みだったり。
にも関わらず視聴が追いつけませんでした(汗)

本編の話に戻って。この作品は物語の核心に迫る本筋のエピソードと
作品世界を掘り下げるサイドエピソードの2タイプが存在します。
と言っても完全に分類できるわけではなく程度の問題ではありますが。
その分類だと9~10話は物語の核心に迫る本筋のエピソードになります。
そしてハラケンがこの物語の重要なキーマンなのが次第に見えてきます。

実はハラケンは前回見た5話から登場してました。
でも最初は無口だし控えめだしでイマイチつかみどころが無かった。
印象が変わったのはカンナの事故の話が出てきてからかな。
さらにこのカンナの話は決して過去の話では無かったのでした。
つまりその辺の内容が今回の9~10話に出てくるわけです。
そしてカンナのことは後半の展開でも大きな鍵になると思われます。

ただ控えめに見えたハラケンのキャラクターが前面に出る瞬間も。
フミエが怖い話が苦手なのを知ってダイチが怖い話をするのです。
交差点で事故に遭って今もそこで人を呼ぶミチコさんという話を。
効果音付きで語られたこの話で期待通りフミエは震え上がるのでした。
しかしそこでハラケンが違うミチコさんの話を喜々と始めたのでした。
それはもうダイチの話よりも遥かに震え上がるような内容で(笑)。
フミエを怖がらせるために始めたはずが自分まで震え上がるはめに。
皆が震えてる中ハラケンは楽しげに別の話を始めようとしていた……
ハラケン本人は怖い話をしてるという意識は全く無かったようで。
この手の噂話の類型に民俗学的な面白さを見出したみたいすね。

もう一つ印象的だったのがカンナの日記を読んだ後の行動。
ハラケンは不思議な場所の電話でカンナのメッセージを受け取るのです。
そしてそのメッセージによって日記の鍵を手に入れたのでした。
日記とはカンナが書いていた、カンナの親に託された鍵つきの日記。
この日記の鍵を解除する過程でうっかりヤサコを中を見てしまったのです。
日記の鍵を手に入れたのとは別の道順が目に入ったからなんだけど。
※道順については後述
でもヤサコは読んでしまったことを凄く後悔することになるのでした。
その日記にはカンナのハラケンへの秘めた想いが書かれていたから。
そして日記の終わりにあまりに悲しい結末が待ってたから。

日記を読んで涙をボロボロ流すハラケンにこっちまで貰い泣きを……
そこはハラケンでなくとも大概そうだろうから驚きはなかったけど。
と言うかいつも泣いてるシーンが印象的というわけではないので。
その後にハラケンはカンナの残した道順を辿ろうとするのです。
上手くいかなくて何度も繰り返して日が暮れてきても止めようとせずに。
明日だってできるんだからとヤサコが制止するまで止まらなかった
まるで頭に血が上って周りが見えなくなってしまったような感じで。
いつもの飄々としたハラケンとは全く違う姿が印象的だったよ。

道順のこと。
ハラケンが不思議な場所でカンナから受け取った謎めいた道順。
この道順はなぜか出発地と目的地の間を遠回りして向かっていく。
最初はただ目的地に行けばいいのかと最短で向かったら何もなくて
しかし道順の通りに辿ると古い電脳空間がそこには存在してた。
もしかして道順を辿ることがパスワードみたいになってる!?とか。
恐らく特定の手順を経て蓄積した位置座標でのみ顕現するんだろうね。
現実空間では同一座標でもデータ的に全く同一とは限らないわけだから。
この仕掛けは突飛な発想に見えるけど論理的にもあり得るのが凄いなと。
うる星(アニメ)で多用してた細い路地を抜けると不思議な場所だった
みたいな展開を電脳的な仕組みを使って実現してるのは脱帽の一言です。

この道を見つける能力をカンナは持ってたらしい。
ハラケンがカンナの残した道順を辿ろうとしたのを見てる謎の青年がいて
彼が「あの女の子のように道が見えるのか?」みたいなことを言ってるし。
能力がないならカンナはどーやって道を見つけたのかって話になるし。
そしてどーやらヤサコも道を見つける能力を持ってるらしい。
10話の段階ではまだその能力に気づいてないみたいですが。
13話の首長竜のエピソードでは無意識にその能力を使ってるね。
ハッキリとその能力を自覚するのは後半に入った15話になります。
昔の記憶(4423)と言うのもこの能力と無関係では無いような気がする。
(11話を見てると京子にも道が見えてるように思える)

11~13話はそれぞれイリーガルの出てくる読みきりエピソード。
いわゆる本筋から離れたサイドエピソードに相当する内容です。
と言ってもゆるい展開ではなく街が水没するほど派手だったり(11話)、
髭の中で文明が進化したり(12話)、悲しくて切ない話だったり(13話)、
と全く違った切り口で中々に楽しませてくれます。

11話ではハラケンのおばちゃんが(元?)コイル探偵局の一人なのが発覚。
メガばあと同じようなメタタグを使ってると思ったら……
13話ではおばちゃんが実はまだ学生だと言う驚くべき事実まで(笑)。
客員とは言え役所で働いてるからてっきり20代なのかと思ってた。
そーいえば初登場時におばちゃんなんて言わないでって言ってたよ。
確かにあの歳(17歳)でおばちゃん呼ばわりはちょっと悲しいだろう。

そのハラケンのおばちゃん。この人がなんとサッチーを導入した張本人。
メガばあ直伝のハッキングの能力を管理する側として使ってるわけですな。
強力すぎる修正能力も何らかの意図を持って設定してるみたいだよ。
現にイサコが行おうとしてることはかなり大それたことみたいだし。
それはどーやらヤサコの昔の記憶とも関係があるみたいだし。
物語が次第に核心に迫っていけばいろいろ見えてくるのでしょう。

14話から後半のスタートと見せ掛けで実はこれもほぼ総集編でした。
フミエの弟のアキラが姉による自分への虐待を記録したみたいな語りで
キャラ紹介を中心にして今までの内容を振り返ってます。
前回に内容を振り返る特番をやって次がコレなのはちょっと間抜け……
何しろ同じような内容を繰り返してる部分が少なくないから。
特番は14話でやる内容の補完になる構成にしておけば良かったのに。

14話はほぼ総集編だけど一つだけ新しい内容が。
10話でハラケン達を観察してた謎の青年(クレジットでは猫目になってる)。
彼は赤信号の交差点にうっかり足を踏み出したハラケンを引き戻すのです。
そして彼はイリーガルの研究をしてるハラケンに一つの忠告をした。
「これ以上深入りするな」「カンナと同じことになるよ」と。
彼は4年前の出来事を調べろという重要らしきアドバイスも口にした。
11話でハラケンのおばちゃんとメガばあも4年前がどうとか言ってるし。
4年前に物語の核心に連なる何かが起きてたのは間違いなさそうです。
つまり14話は前半のおさらいと後半への取っ掛かりな位置付けになってる。

15話からホントの後半戦。
いきなり本筋の物語が大きく動きます。
前にカンナの日記に絡んだ4423という言葉でもヤサコは少し思い出してたけど、
この回では昔の記憶にある風景を辿ることで記憶の扉が大きく開くのです。
まだ全てを思い出したわけではないけど、断片だけでも何だか凄いことに。
今すぐにも続きが見たくなってしまったよ。

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レビュー・評価:電脳コイル/第15話「駅向こうの少年」

品質評価 6 / 萌え評価 14 / 燃え評価 6 / ギャグ評価 5 / シリアス評価 35 / お色気評価 6 / 総合評価 12レビュー数 98 件 デパートからの帰り道に、ヤサコは道に迷ってしまう。しかも、なぜかイサコと間違えられて、「キラバグを出せ!」と、見知らぬ少年たちに追われるハ
2007/09/18(火) 18:31:08 ANIMA-LIGHT:アニメ・マンガ・ライトノベルのレビュー検索エンジン