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原作はライトノベル(電撃文庫)で全巻持ってます(大ファンです)。
※セルBD/DVD・レンタルDVDは12/22からリリース
高坂京介はごく平凡な高校生。何もかも並で大した趣味も持ってなかった。
対する妹の桐乃は学業でも部活の陸上でも県の上位に入るほどの優秀さで。
さらに磨かれたルックスと服装センスで読者モデルなんかもやっていた。
京介には桐乃はあまりに高スペックで気後れのする距離のある存在だった。
いつの頃からかまともに会話することもない冷え切った関係になっていた。
しかし運命の気まぐれで京介は桐乃が隠してた意外な趣味を知ってしまう。
桐乃の趣味なんてどうでも良かった京介が軽い気持ちで肯定をしたことが、
桐乃の中では重大な意味を持って、京介の大きな転機へと繋がるのだった。
その日の深夜、桐乃は京介をビンタで叩き起こし部屋に招き入れ言った。
「人生相談があるの」と。
とりあえず「とても面白いです」と書いておこう。
原作と大差ない内容だし原作ファンなんだから面白くて当然ではあります。
と言っても原作と違うのはダメって意味で言ってるわけではないですが。
原作が面白くてファンで、原作と大差ない内容なら面白くて当然ってこと。
ちなみにキャラの見た目は原作イラストがそのまんま動いてる感じです。
原作イラストを描いてる当人が(別名義で)キャラデザインしてるからね。
ただ原作ととても近い内容(構成)だからこそ気になる部分も有ったりして。
アニメの内容が原作をほぼトレースしてるから余計思ってしまうんだけど、
内容がキツキツというか尺の配分に苦心(苦戦)してるのが見えるのでした。
多少のシーン移動をしてるところも有るけど大筋は原作を通りなのです。
でもアニメの尺と原作のページ数の関係でかなり細部が端折られている。
小説とアニメは媒体の質が大きく違うから全てを再現するのは困難だけど、
この作品にとってディテールのオタク描写は結構キモだから痛いでした。
オタクネタに京介が驚いたり突っ込むシーンは原作だと大量にあるのです。
原作にはもっともっと笑えるシチュエーションが有るのにとか思うのです。
アニメ化をすると原作の方がずっと面白いとかいう人が必ずいるのです。
その手の人は大概は原作ファンで言うことが納得できる場合も有ります。
大差ないとかアニメの方がいいと思える場合でも、その手の人はいます。
(涼宮)ハルヒ(の憂鬱)ですら原作の方がずっと面白いって言う人いるし。
ハルヒのアニメの内容って原作ほぼそのまんまじゃないですか。
長編1本あたり5~6話もかける贅沢な構成でト書きまで語りで再現してて。
あそこまで小説のエッセンスを残さずに映像化した作品は他にはないよ。
そして短編なんかアニメの方がマシになってるのが多い(EEは別として)。
それでも(どこがか知らんが)原作の方がずっと面白いとか言うわけで。
原作ファンの言うことなんて話半分に聞いておけとか言いたくなります。
他人事のように言ってるけど、ここに書いてあることもそういうこと。
細部がいっぱい端折られてる理由は原作1巻あたり3話の配分だからです。
いい最終回だったとか言われた3話は1巻のクライマックスだったのです。
あやせが怖い5話は2巻のクライマックスで6話は2巻で飛んだ内容かなと。
(麻奈実の話は原作だと4話のAパートとBパートの間に入ってる)
とらドラ!なんて1巻あたり2~3話構成で見事に内容を再現してたから、
3巻あればストーリー構成的にはだいたい再現できると言ってもいいかと。
実際この作品も細部が端折られてるだけで構成はちゃんと再現してるし。
ホントの本質な部分はちゃんと削られずにきっちり映像化してるわけで。
京介と桐乃の関係を描いたさりげないシーンとかちゃんと出てくるし。
例えば4話で加奈子が京介を馬鹿にしたら桐乃が黙っちゃうところとか。
つまり馬鹿にした口をきいててもそれは必ずしも本心では無いってこと。
だからアニメスタッフは描くべき優先順位はちゃんと理解してるのです。
1巻が3話構成だから細部を端折らないと収まらなかっただけなのです。
とらドラ!が2話構成でもどうにかなってるのはセリフが凄く多いからで、
セリフを削って言葉での説明を映像で感じさせるようにしたからですね。
結果というか副産物でアニメの方が情感描写が凄くパワーアップしてた。
しかしこの作品はセリフが多いわけではないので整理しても大差はない。
ディテールはオタクなネタに関する描写やそれに対する感慨なわけで。
それによって物語のリアリティとか説得力とか共感性を増してるのです。
オタクの価値観を京介が外から見て驚いたり突っ込むのが楽しいのです。
尺の都合でそのへんがかなり削られてるのが実に勿体無いという感じ。
せめて1巻あたりあと1話あればもっと盛り込めたのになと……
でも原作ファンとしてはそうできない事情も理解できてしまうのでした。
1巻3話のペースということは1クールで4巻の最後までやるのでしょう。
※放送は1クールです
確かに4巻が最もキリがいいし、最後には二人がいい感じになって終わる。
続きが気になる凄くインパクトのある終わり方をしますが。
私がもしアニメの企画を立てたとしても4巻までと考えるんじゃないかな。
それに1巻4話構成で3巻までだとあまりキレイには終われないんだよね。
3巻のクライマックスで京介が桐乃に対して感じてた感情を理解するので、
3巻の内容をすっ飛ばして4巻をやるというのもあまり誉められないし。
キリのいい4巻の最後までを1クールでやるには他に選択肢は無いのでした。
よーするに一番の問題は1クールが12~13話という放送の体裁なのでした。
無茶な話だけど1クールで16話とかできれば問題なく丸く収まったのです。
(化物語は12話だと魅力が削がれるからと15話構成にしてたなと)
アニメのスタッフも尺が足りてないのは十分に承知してると思われます。
その証拠に放送された5話のうちちゃんとOPとEDがついてたの1回だけです。
5話のうちOP映像がついてたの3回だけでEDに至っては2回しかありません。
(OP映像がついてない回にはEDか本編のラストにOP曲が流れてます)
なんかEDクレジットを見てると毎回OPとEDが存在してるっぽいんですが。
ED曲なんて全話違うので本来なら毎回ついてないといけないわけだし。
つまり少しでも尺を確保しようと(本来ある)OPやEDを削ってるわけです。
もしかしたらかみちゅ!のようにDVD/BDでは内容が少し増えてるかも!?
尺が足りなくてディテールがかなり端折られてるのは仕方ないんだけど、
それによって説明不足になってる気がする部分が何箇所か有ったりする。
私は原作を知ってるから説明不足でも情報が補完されて問題はないけど、
アニメから入った人はちゃんと理解できるのだろうか?と心配になったり。
例えば2話の桐乃が初めてオタクのオフ会に行くエピソードのこと。
地味子(麻奈実)のアドバイスを伝えるところまでは原作そのまんまです。
しかしその後の内容はざっくり端折られてなぜか京介と秋葉原にいたり。
少なくともこの時点で京介と桐乃は仲良く秋葉原に出かける関係じゃない。
実際に原作でも一緒に秋葉原に出かけるけど、その前段階が有るわけで。
アニメでも秋葉原の路上でやるけど桐乃がついて来てと言ってるのです。
もちろんそんな殊勝なお願いではなくて来て当然みたいな態度でね(笑)。
尺の都合で秋葉原の路上のシーンと合成しちゃったので何か変な感じに。
ちなみに原作だとコミュニティに入るという提案にも躊躇するのでした。
桐乃と同じような趣味だと男性で年上が多いだろうから不安だみたいに。
だったら同性ばかりのコミュと「オタクっ娘あつまれー」を選ぶのです。
そしてオフ会に参加することになって、心細いからついて来てって流れ。
もちんそんな殊勝なお願い(以下略)
アニメの女装がどうとか美形に生まれてとかは原作だとここの話です。
その後も桐乃は京介を変態にしてでもついてこさせようとするのでした。
オフ会をやる店の別の場所で(何もできないけど)見ててやるって提案も、
苦し紛れで(ついていく)意味がないと思いつつ口にした提案なのです。
なぜか桐乃はそれでいいと納得して逆に提案した京介は驚くわけです。
京介の主観描写の原作にはなぜ?とかすっ呆けたことが書いてあったり。
ここに限らず桐乃のセリフと京介の主観は事実を語るとは限らないです。
アニメだと一歩引いて見せてるので桐乃の内心が分かり易いっすね。
しかしそれ以外は説明が端折られすぎで説明が足りてるのか心配です。
1話はなかなかいい感じだったのに2話は端折り具合が目立ってアレレと。
あと夏コミに行く4話もかなりざっくり端折られてたなと。
2話で端折られた内容で削らない方が良かったと思ったのは。
沙織の「普段はもう少し大人しい女の子なのですよ」という自己紹介。
あの凄い(キモオタ然とした)格好も口調もあくまでキャラ作りの一環で、
本当の姿はこうじゃないんですよという、ツッコミどころ満点のシーン。
原作を読み進むと分かるんだけど実はこれホントのことだったりする。
桐乃と同じようにリアル世界とオタク世界のギャップが凄い人です。
(原作6巻の話なんで今回のアニメではやらないと思う)
つまりコミュの管理人として皆を楽しませるためにああ振舞ったのです。
あの格好が相応しいかは何ともだけど、みんなに信頼されてる感じだね。
(参加者の大半はシックなスタイルで実にそれっぽい感じになってた)
明らかに浮いてた桐乃だってオフ会のために考えて装って来たわけだし。
黒猫の気合の入りすぎなゴスロリコスプレだって桐乃と同様なわけです。
それが場違いだったりやり過ぎだっただけで装った想いは同じなのです。
バランス感覚に欠けてるあたりが実にオタクらしいとは思ったかな。
このへんの説明がアニメだと削られてたけどちゃんと分かったのかなと。
アニメが面白かったならなるべく原作も読んだ方がいいんじゃないかな。
もちろん削られてるだけじゃなくアニメで追加されてる要素もあります。
特にアニメとかゲームの内容が実際に動いて見えるのはアニメならでは。
そもそもメルルもマスケラも原作だと内容の描写ってほとんどないので。
内容の説明って桐乃と黒猫が互いに言い合いをしてるセリフの中だけ。
だから実際にぬるめる動く(笑)映像で見せられると感慨深いものがある。
ちなみに原作を読んでてメルルからイメージしたのはリリカルなのは。
キッズ向けだからプリキュアかセラムンだろうけどバトルのイメージで。
マスケラはセリフ回しが仰々しい厨二展開だからシャナあたりかと(爆)。
それにコードギアスをプラスしたイメージで考えてました。
マスケラ(堕天した何たら)はイメージしてたよりもカッコよかったよ。
黒猫の元ネタのクイーン・オブ・ナイトメアは凄い貫禄が有ったすね。
4話で内容がざっくり削られてしまったのはシスカリ限定ディスクのとこ。
削られたディテールは他にも有るけど黒猫がスタッフを負かすところ。
アニメだと信じられない凄い腕前で黒猫が勝っちゃうとしかわからない。
スタッフが使ってたキャラは新作のキャラで技はまだ誰も知らないのに、
黒猫はそれを使ってどんどん技を入れてスタッフに勝っちゃうのです。
そんな有り得ない話にもちゃんと種明かしがしてあるのです。原作だと。
黒猫はコマンドを入れる時にキャラが微妙に動くのと手の動きを観察して
未知の新キャラの技を覚えると言う信じがたい離れ技をやってたのです。
それを聞いた桐乃はあんた変態じゃないのと……
あそこは桐乃のために黒猫が趣味じゃないゲームに参加したのが重要で、
そのへんの詳細な説明は本質じゃないから削っても問題は無いとはいえ、
あそこまで説明を端折っちゃったら疑問に思う人もいるんじゃないかと。
4話で削られてた内容で一番印象に残ってるネタは。
桐乃が企業ブースで手に入れた戦利品の抱き枕を抱えてるエピソード。
京介がそれを何に使うんだと聞いて抱いて寝るに決まってるじゃんと。
すりすりしたり匂いを嗅いだりするよと、女の子のいい匂いするよと。
それは自分の匂いだ!と突っ込みつつ呆れてるのが凄く楽しかったよ。
桐乃の見た目とは裏腹な業の深すぎるオタクな感じがよく出てるし。
アニメでも既に十分に描かれてはいるけど、これは入れて欲しかった。
何度も言うように尺的に入れられなかったのは十分に理解してるけど。
こんな感じなのでアニメが面白かったなら原作も読んだ方がいいよと。
3話と5話でも削られてる内容は有るけど結構ちゃんと再現されてます。
ストーリー的にポイントになる回なので尺を重点的に配分してるから。
(そのせいで2話と4話にしわ寄せが来てるわけです)
この作品はよーするに桐乃の好きなものを守るために京介が頑張って
桐乃が京介に対して失っていた信頼と絆を取り戻していく展開です。
1話が「恋をするわけがない」だし、実際恋をするわけではないけど、
冷え切っていた二人の関係が次第に近くなるので恋に似てると言える。
そして桐乃は時おり素直で可愛い表情を見せるようになるわけです。
その時の京介の驚きがこの作品のタイトルになってるのです。
この京介が頑張るというところがこの作品の最も重要なポイントです。
3話と5話が特に典型的だけど自分が泥を被ってまで守ろうとするとこが。
(おかげで対外的にはすっかり変態性癖の持ち主ってことになってたり)
助けて欲しいところで手を差し伸べ、趣味を認めて相手もしてあげてる。
見た目はカッコいいわけじゃないのに、凄く魅力的でカッコよく見える。
男が主人公ならヒロインキャラが可愛かったり魅力的なのは当然だけど、
主人公はと言うと一体どこに魅力が?とか思えるのも少なくないわけで。
だからこそ当たり前なはずの主人公が魅力的なのは大きなウリなのです。
「私の兄がこんなにかっこいいわけがない」なところがウリなのです。
今期の一番人気なのもそこが受け入れられたからではないかなと。
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