まめに録画する根性はない。DVDを買い続ける金もない。 だからレンタルビデオで行こう!

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初恋限定。-ハツコイリミテッド- 1~6話

4月からBS11(のみ)で放送してた全12話の新番組。
7月からキッズでも放送しています(それを録画しました)。
原作は少年誌(ジャンプ)のマンガで全巻持ってます。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(3巻までリリース済)
素敵な告白に憧れる女の子に告白してきたのは野獣のような男だった。
それまで意識もしてなかった異性がある瞬間から素敵に輝き始めた。
男はビジュアルが全てと公言していたのに実際に好きになったのは。
兄が大好きな妹がいた。妹が世界一大事な兄がいた。別の兄妹だった。
好きな人には別の好きな人がいて、その人もまた別な人が好きだった。
ドキドキする気持ち、切ない想い、甘酸っぱいシチュエーション
初めての恋にまつわる全てを切り取って詰め込んだ。そんな物語。
アナタは恋をしたことがありますか?

よくアニメ化されたな、と言うのが最初に思ったことです。
だってこれ知ってる人は知ってるけど打ち切り作品だから……
まだまだこれからなのに無理やりラストっぽく終わらせちゃったし。
長く続いた前作より気に入ってたので打ち切られて悲しかったよ。
どー見てもジャンプに載せる作品じゃないとも思ったけどね(爆)。
だから終わった時に、あーやっぱりという感想もかなりありました。
何しろ近しい数人の男女による恋愛オムニバスなんて体裁なうえに
男子よりも女子の視点を中心にしたエピソードが多いという構成で。
最もステレオタイプな少年マンガであるジャンプには場違いというか。
本来の読者層には最も共感しにくい作品じゃないの?と。
まぁジャンプじゃなければアニメ化はまず無かったし結果オーライ!?

原作は打ち切りだったけどアニメはむしろ前作よりも恵まれてるかも。
何しろ前作「いちご100%」なんか全19巻を1クール作品でやってたわけで。
ストーリーをもの凄く圧縮してたし、最後まではやらなかったし。
全19巻だと単純計算で6クールぐらい必要なので、無理に最後までやったら
原作の筋をまともに再現できない想像を絶するものになるだろうけど。
(テレビ版の後の内容はOVAで4話分ほど描かれてます)

それに比べてこっちは全4巻を1クールにするという贅沢な構成です。
原作のエッセンスを完璧に再現した上でアレンジまでする余地があるし。
スタッフの格が違うのかキャラの見た目も動きも演出のキレも段違いで。
原作ファンとしてはこのレベルで作って貰えれば何も言うことないよ!
監督もシリーズ構成も美術監督もまるで記憶に無い顔ぶれなんだけど
ずっと高いレベルで安定して驚きました。J.C.STAFFは人材が豊富だなと。
にしても、比較のために久しぶりに見返した「いちご100%」のアニメは
とってもヘボかった。確かに当時も見た目が今ひとつとは思ってたけれど。
こーして比較すると動きが雑だったり演出が陳腐だったりと悲しい品質で。

この作品の体裁について。
1話ごとに一人のヒロインをクローズアップして描くありがちな体裁で。
それぞれのヒロインが近しい関係なので一見するとハーレムモードです。
でもこの作品はそれぞれのヒロインが好きな相手は違う人なのでした。
現実ではこっちの方が普通なのにアニメとかで稀なのはなぜだろう(笑)。
つまり全く無関係のキャラを使った1話読みきり作品のような体裁っすね。
でも互いの関係が近いので全ての話にメイン以外のキャラは出てくるし、
読み切りっぽい話だけど他の回と緩やかに繋がってる要素もあるわけで。
1話毎の満足感とシリーズ全体への思い入れの両方が絶妙に成り立ってます。
ジャンプの続き物は編集部の方針かやたら間延びする傾向にあるんだけど
この作品はエピソードが凝縮してて読んでてとても満足感がありました。
まぁ、体裁的にあきらかにジャンプ向きでは無いのも痛感してたけど。

コミックスで全4巻だと少し詰めれば1クールに収まります。
普通のストーリー作品なら筋をほぼそのまま映像化しても大丈夫です。
でも読みきりのエピソードを連ねたものはそう簡単にはいきません
4巻の書き下ろしを除いて全32話、続き回が有るので全22エピソード。
これを単純に1エピソード1話にするには話数がまるで足りません。
長い6話分のみ1話にして後は半分づつでもかなりギリギリな感じです。
それでも出来るけど半パートのは今ひとつ深みがなくなってしまいます。
なのでこのアニメでは映像化するエピソードを選別したのでした。

無理に全ての話を映像化しようとせず個々の話をしっかり見せてるのです。
原作では短かった話も膨らませてあってより楽しめるようになってます。
アニメ化してない回の内容をアニメに不自然なく混ぜてあったりします。
二つのエピソードを織り込んで1本にしてあるARIA方式のもあります。
柱のエピソードをしっかり見せてそれ以外もなるべくフォローするなんて
限られた尺の中でいかに魅力を伝えるかがよくわかってるなと思ったよ。
エピソードを選別した関係で原作でも比率が大きかった女子の視点が
さらに大きくなって、ほとんど女子の視点ばかりになっちゃったけど。
(女の子視点にしようと提案したのは担当さんだったとか)
そんな美少女ラブコメが有ってもいいじゃないか、と。

あとは1話ずつ。

1話「美少女Aと野獣Z」
原作の同名エピソードに「純情アフロ」を少し混ぜてあります。
素敵な告白に憧れるあゆみに告白してきたのは怖い顔の少年だったな話。
告白されたら誰とも付き合っちゃう!と言った次の瞬間に告白されるし(笑)。
「ほら早く追いかけてオーケーしなよ」と友達は他人事のように面白がるし。
お姫様抱っこをしてくれたクラスメイントの男子にいきなり惚れてしまうし。
その男子はなんと恐ろしい顔の少年の弟だったなんて皮肉な人間関係だし。
初っ端からお約束と意表がてんこもりの楽しいストーリーになってます。
この回は原作が長めなのでほとんど原作通りで細部を書き足してあるだけ。
でもそのちょっとした味付けがいい感じに効いてたりします。
「何であたしのこと好きになっちゃったの?」を2回繰り返すのが上手い!

2話「となりの山本さん。」
原作の同名エピソードに「純情アフロ」を少し混ぜてあります。
あゆみが好きになった財津弟(衛)が好きなのは隣のお姉さんだったな話。
この回は珍しく(前半6話中で唯一)男子の側の視点がメインになってます。
男子の側が視点なのでいつもよりもちょっとエロっぽく見せてます(笑)。
いつもパンツとかさりげに見えてるけどあまりエッチぃ感じしないから。
なんだかとっても少年マンガのラブコメっぽい!とか思いました(爆)。
あと財津兄(操)が見た目に反してみょーに可愛い性格なのが面白かった。
ちなみにこの作品は好きな相手に別の好きな人がいるのが基本なのです。
つまり両想いはほとんどいないのです。続いてれば変わったかもだけど。

3話「ゆらめきアンバランス」
原作の同名エピソードに「ナイショノコトバ」を少し混ぜてあります。
面食いな慧とカッパ顔の楠田の二人が体育祭の応援係をすることになる話。
男は見た目と言ってはばからない慧にとって楠田はまさに論外な存在で
見ただけでなく中身もエロでいやらしいコスチュームをデザインして……
楠田を叩き出して一人だけでみんなの分の衣装を作ろうとするのでした。
でもさすがに無理があってて力尽きて、そこで楠田が手助けしてくれる。
予想外に頼もしい楠田にポッとなり、ありえない!を繰り返す慧でした。
知らなかった側面を知って惚れるのはお約束だね。少女マンガの(笑)。
面食いの慧が実際に好きになったのが不細工だったのが面白いのです。
この作品はあえてセオリーを外してくるのが特徴だったりして。

4話「世界の誰より大好きな」
原作の同名エピソードに「ふいうちキャンディ」を混ぜてあります。
超ブラコンの今宵が全く相手をしてくれない兄に迫りまくるという話。
兄が大好きな妹という設定はよく有るけど兄がつれないのは珍しいね。
仲が良い程度ならともかくこの場合はこの反応が普通な気もするけど。
ちなみにあゆみの兄は妹が世界で一番大事とか公言してる凄い人で、
でもあゆみはそんな兄を邪険に扱ってたりと世の中上手くできてます。

この回は原作の内容をベースにしながらかなりアレンジしてあります。
特にあゆみの飴とその兄の飴のエピソードを繋いだのが見事だったなと。
原作だとあゆみの飴はなくてポーとした夢心地な描写があるだけだから。
あと原作だと1回だけの仏壇でチーンを要所に挿入したのも上手かった。
元々楽しかったエピソードだけど演出が冴えててさらに面白くなってる。
切ない初恋というよりは頭に花が咲いたアホ~な話だけど凄く良かった。
今宵の性格と豊崎さんの独特な声が絶妙にハマってたし。
※けいおんの唯の人

5話「とまどいダイビング」
「トキメキドルフィン」と「とまどいダイビング」を組み合わせて
そこに「純情アフロ」と「逆走少年!」を少し混ぜてあります。
中学時代に記録を作っためぐるが頑なに水泳部に入るのを拒んだわけはな話。
美少女モノで女性作家がよく題材にするおっぱいコンプレックスの話です。
おっぱいコンプレックスは女性向けより男性向けの作品でよく目にするけど
わかって欲しいからなのかなと。切実なのが逆にそそったりしますが。

このエピソードは別の二つのエピソードを絶妙に織り込んであります。
原作では水泳の勝負を申し込む話と廃部の危機の話って全く別なので。
アニメで見てるとそんなことわからないほど見事に融合してるのでした。
2本の話を繋いだせいでコンプレックスの話がより重く切実に見えるし。
それを乗り越えた先のカタルシスもより強く感じるようになってます。

6話「雪が降り出すその前に」
続きエピソードの「雪が降り出すその前に」「言いたくて、言えなくて」
「イロヅキコミュニケーション」に「逆走少年!」を少し混ぜてあります。
クリスマスに男女6人でパーティをするはずが困ったことになってな話。
面食いな慧とカッパ顔の楠田のエピソード第2弾。3話の続きみたいな話。
この作品では一番まともに進展する二人でとても切ない話になってます。
素直になれない(ツンデレ)側の視点で物語を見るのって新鮮かもしれない。
原作の3回分(+α)を使ってるのでかなり原作の内容に近いんだけど、
見せ方のせいか音がついて喋ったりするせいか原作よりも伝わってきます。

後半も時間を作って見てみようかな。
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宙のまにまに 1~6話

7月から一部の民放(5局)で深夜に放送してる新番組。
AT-Xでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は青年誌(アフタヌーン)のマンガで1巻だけ読んだことがあります。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(1巻はリリース済)
大八木朔(さく)は小学生の頃に過ごした町へに7年ぶりに帰ってきた。
朔の高校入学を期に転勤続きの父が単身赴任して腰を落ち着けたのだ。
朔はこの街に忘れられない思い出があった。どちらかといえば悪夢な
通称みーちゃん、美星(みほし)という名の近所に住む一つ上の女の子は、
本を読むのが好きな彼の時間に強引に押し入り外へと連れ回したのだ。
彼女の父親が星好きだったのが災いし連れ回しは昼夜の区別なく続いた。
星を取ろうと木に登り落っこちた彼女を受け止め骨折したこともあった。
彼女こそ幼少時の恐怖の象徴でここは最も帰ってきたくない場所だった。
でもそれは7年前の記憶で歳月は街も人も変える、彼女も変わったはず。
そう思いながら足を踏み入れた高校に因果なことに美星はいたのである。
記憶のまま成長したような姿で、当時とさほど変わらぬ星好きの中身で。
そんな感じに始まる天文部を舞台にしたハートフルなストーリー。

なんだかテンション高ッ!と言うのが第一印象でした。
こんなにテンション高かったっけ?もっと落ち着いた作品だったような、
とか思いながら見終わった後に原作を確認してみたから、まんまでした。
どーやら内容だけが記憶されて元気な表現の部分は忘却してた模様(汗)。
この作品って青年誌的な内容を少女誌的なキャラ描写でやってるのです。
青年誌と少女誌の手法がミックスされてるのは今では珍しくないけれど。
(これも含めて女性作家がいっぱいいるし)
描画もキャラ描写もねっとりしてる旧来の青年誌のマンガに比べれば、
こんな感じでさらっとしててキャラが生き生きとしてる方が好きですね。
ちなみにスケッチブックで混同して覚えてた作品とはこれのことでした。
つまり「素朴で優しい雰囲気のストーリー漫画」とはこれなのですよ。
アニメ化の話を聞いたとき何の巡り合わせだろうとか思ったよ。

アニメを見終わった後にざっと原作を読んだときもそう思ったし、
じっくりアニメと原作を比較してみて改めて再確認したんだけど、
アニメは見事なほどに原作コミックそのまんまなのでした。
(比較したのは手元にある1巻と対応してる1~3話ですが)
かんなぎも原作そっくりだったけどこっちはそれ以上にそのまんまだ。
内容が数頁削られてたり少し足されてるけどほとんどそのまんまだし。
シーン構成も原作だと2話の「全天候型!」の後にあるクイズ番組調が
3話に移動してる以外は原作そっくりそのまんまです。
セリフやキャラの表情や構図もかなり原作を忠実に再現してるし。
あのあっさりした絵柄や背景も原作の雰囲気を忠実に再現してる。
原作のコマの間に動きを足した原作が動き出したみたいな感じなのです。

内容や見た目が原作を見事に再現してるのは上に書いた通りです。
でも実はアニメで見てると原作とはちょっと印象が違ったりします。
それは最初に書いたテンションが高いという印象に集約できるかも。
原作も確かにギャグ表現を散りばめてあって元気では有るのです。
でもアニメはそれと比べてもずっとテンションが高く感じるのでした。
動いてるからか?喋ってるからか?原作よりも元気に感じるのです。
そして1巻分を3話に詰め込むほどテンポが速いので勢いがあります。
かと思えばテンポを落としてじっくりと見せる部分もあるわけで。
元から原作に有った二つの要素をよりメリハリをつけて見せてるのです。
内容は原作そのまんまなのに受ける印象はずいぶん強くなってるのです。
小粒であまり派手さのない原作を良くぞここまで印象的にしたもんだと。
内容を変えずに見せ方だけでここまで印象が変わるのかと感心したよ。

ちなみに監督とキャラデザ・総作監と制作会社がスクラン1期と同じです。
作品のデキはスタッフで決まると言うのを妙に実感してみたり。

内容について。見ててちょっと気になったこと。
2話で朔の家に天文部のみんながお邪魔した時の帰りのところ。
朔の母親が美星に両親によろしくと言ったところで一瞬無言になるけど、
もしかして美星の両親って亡くなってたりするのかな?
健在だったらあんな驚いたような反応はちょっと考えにくいし。
そのへんの話も物語が進むと出てきたりするのかな。