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とらドラ! 20~25話

最後まで見て、書きたいことが次から次へと湧き出してきて、
書き始めて収拾つかなくなって、再構成してもまとまらなくて、
結局全ての文章を没にして、もう一度最初から書き直してみた。
そんな想いの塊を喰らいやがれ!みたいな文章になりました。
読むなら覚悟して読んでください。もしくは読み飛ばせ。

※以下ネタバレてんこもりなのでご注意

竜児はみのりんが好きで、みのりんだって竜児が好きだと思ってるはず。
だから竜児がみのりんにちゃんと告白すれば上手く行くはずだった。
気持ちが通じ合ってるのだから絶対に上手く行くべきたと思った。
もしも二人の気持ちが結ばれるための障害になるのが自分だとしたら、
こんな気持ちは無くていいし、こんな関係だってなくていいと思った。
大好きなみのりんの幸せのために。何よりも大好きな竜児のために。
そうして大河は竜児との心地よい生活を捨てて一人立ちしようとする。

自分は一人でも生きられる。今までずっと一人でも生きてきたのだから。
自分は一人だって大丈夫だから、と大河はことあるごとに繰り返した。
そんなの寂しすぎると思うのに、まるで寂しくないように振舞っていた。
でも決して寂しくなかったわけじゃない。感覚が麻痺していただけで。
想像を絶するほどの孤独の中で、寂しい感情がわからなくなってただけ。
竜児はそんな大河に偶然の成り行きとはいえ温かい場所を与えてしまった。
大河がずっと欲しててでも決して得られなかった温もりを与えてしまった。
温もりは大河の心に開いた傷口から毒のように体の中に染みていった
そうして大河の中にはある感情が芽生え、次第に大きくなっていった。
その感情が何なのか大河にはずっとわかっていなかった。

自分が好きなのは北村クンで、竜児とは言ってみれば家族みたいなもの。
二人の共同生活は偶然の成り立ちと必然の片恋共闘関係でしかなくて。
それはいつまでも続かないし、そう大事なものだとも気付いてなかった。
実際、今までにも何度かこの関係を手放そうとしたことがあった。
一度目は北村クンとみのりんに二人が付き合ってると誤解された時に。
二度目は父親の気まぐれな優しさから一緒に暮らすことになった時に。
結局は二度ともうやむやになり、竜児との心地よい歪な関係は続いた。
だけどこの二人の関係には最初から終わりが定められていたのだった。
互いの好きな人に自分の想いが届くまでという。
そして今、この二人の関係は終わりになった。自分で終わりにした。

みのりんは大河が自覚するより前に大河の中にある感情に気付いてた。
それだけではなくたぶん最初から大河には竜児が必要だと思ってた。
決して自分から寂しいと言わない大河の孤独に気付いてただろうから。
大河の親友だから自分に出来ることならしてあげたいと思ってた。
でも自分には踏み込めない場所があって、何でもできるわけでもない。
だから大河の懐に踏み込んだ竜児にこそ任せられると思ったのだろう。
みのりんは最初から最後までずっとその考えで、ぶれることはなかった。
二人の関係は誤解だと大河に否定されて一度は納得したふりをしたけど。
その後も何度か冗談っぽく仲がいいねとかお似合いだねとか言ってたし。
冗談ということにしてただけできっとずっと本音だったんじゃないかな。
元気でアホっぽいようで、でも芯がしっかりしてて意外と頑固だから。

大河の幸せのために竜児の気持ちには答えないと決めていたみのりん。
そのみのりんが私も高須クンが好きだと、ずっと好きだったと口にする。
大河が自分の気持ちに気付いて、竜児も自分の中の感情の正体を知った、
そんな告白するにしては明らかに遅きに失した今さらなタイミングで。
もちろん今さらだからこそ今なら相手に届かないとわかってて言ってる。
私は言ったよ、だから大河あんたも自分の想いをちゃんと伝えるんだと。
結局のところみのりんは最後の最後まで大河の親友として立ち回っていた。
目に見える目的のためには自分の感情すら殺して意地で突っ走っていた。
その突っ走る姿が竜児の目にはキラキラしたものとして映ってたのだけど。

みのりんが竜児を好きになった理由は恐らくは竜児が想いを寄せたから。
竜児は親友の大河の近くにいたから当然のように互いの距離は近くなった。
距離が近くなればよほど鈍くない限り相手の気持ちが見えてくるわけで。
近くにいるから竜児が見た目と反して優しいのや家事が得意なのもわかる。
それに何より大河のことを想って尽くしてるのを好ましいと思っていた。
みのりんにとっての竜児の好ましいイメージは全て大河とセットだった
大河がいなければみのりんと竜児がここまで親しくなった可能性は薄いし、
大河との共同生活をしてなければここまで好ましいとも思わなかったから。
みのりんが最後まで大河のためというスタンスを頑なに変えなかったのは、
自分の気持ちがどこから生まれたか気付いてたのもあるんじゃないかな。

竜児はある時ずっと秘めていたみのりんへの想いに自分で終止符を打つ。
それはみのりんが想いを受け入れてくれないと思い知ったからではなく、
好ましいと思ってたみのりんの生き様についていけないと気付いたから。
竜児の想いすら千切って突っ走る姿についていけないと思い知ったから。
亜美が傍にいたら焼き尽くされると言った意味を今さら実感したのかな。
そして竜児の恋に引導を渡したのすらみのりんの計算通りだったのかも。
みのりんにも竜児の中のあるもう一つの感情が見えていたのだから。

竜児はずっとみのりんに恋をしていた。それは間違いのない事実で。
竜児はそう思ってたし、片恋共闘関係の大河もそう信じて疑わなかった。
でも竜児の中にも大河に対する自分でも良くわからない感情が存在した。
この関係を心地よいと思ってたのは決して大河だけではなかったのだ。
大河に比べればはるかに恵まれてたとはいえ竜児も寂しかったわけで。
片親と思わせないほどに母親は十二分に愛情を与えてはくれたけど、
生活のために昼夜逆転で働いている母親との接触は薄かったから。
心の中に小さな穴があったのだ。自分でも全く気付かないような傷が。
そして偶然にもその穴に大河はすっぽりはまり込んでしまったのだ。
大河に尽くすことは竜児の中の足りない何かを埋める行為だったのだ。
だから一度は離れようとした大河の手を取って引き止めてしまった。
それが大河にとってどれほど重大な意味を持つか気付きもせずに。

竜児にとっての大河も最初は家族と極めて似通った何かだったはず。
そうでない感情が芽生えたのは大河の心のうちを知ってしまったから。
気を許した大河は竜児の前で心のうちを全てをさらけ出してしまった。
心についた無数の深い傷を、今もなお血を流し続ける赤々とした傷口を。
目を背けたくなる傷口を晒して、でも決して痛いとは言わなかった
たぶん大河は自分の傷口を晒してることに気付いてなかったのだろう。
ただ自分の中にあるささやかで他愛のない夢を口にしただけだから。
ささやかな夢の向こうにある深い孤独に竜児が気付いてしまっただけで。

竜児は暗い孤独の渕に立つ大河のことを助けたいと思った。
決して大河を一人にしない、手を掴んで決して離してやらないと思った。
触った人に幸せを呼ぶ伝説をつくりながら自分は少しも幸せじゃない。
そんな大河を幸せにするにはどうすればいいのかとずっと考えていた。
(そんだけ想われてんだから十分幸せじゃんと亜美は言ってたけど)
そう考えてしまう感情が何なのか竜児にはずっとわかっていなかった。
自分が想いを遂げてみのりんと結ばれるのとは矛盾した感情なのだと。
大河が想いを遂げて北村クンと結ばれるのとは相反する感情なのだと。
大河が夢うつつで漏らした本心を聞くまで竜児は気付けなかった。

高須クンはバカだから嫌い。そう言って前とは態度を一変する亜美。
あんなにハッキリした大河の気持ちに気付けないバカだから嫌いだと。
自分の中にある感情さえ何なのか全くわからないバカだから嫌いだと。
そして、私の想いにこれっぽっちも気付かないバカだから嫌いだと。
大人の中で上手く立ち回るために人の表情を読むことに長けていて。
自分には人の気持ちが見えてしまうのに、肝心な人は気付かなくて。
もどかしくて、腹立たしくて、好きだったから余計に嫌いだと思った。

結局、亜美は自分の気持ちを竜児にハッキリと伝えることはなかった。
(聖夜祭の準備中にボソっと聞こえないような声で言ってるけど)
もしかしたら自分の本心を伝える気なんて無かったのかもしれない。
亜美はせっかく手に入れた居場所を守りたいと思ってたみたいだから。
自分を曝け出したのに受け入れてくれた場所を守りたいと思ってたから。
人の気持ちが見える亜美だから、何とか上手く行くように立ち回ってた。
自分が手を貸すことで複雑に絡み合った関係の糸を解したいと思ってた。
だけど意図に反して事態は余計に混乱し歪みがどんどん拡大していった。
みのりんとは修復困難な亀裂を作り、大河を死にそうな事故に会わせた。
結果的に軽症だったとはいえ大河の事故は亜美には相当なショックで。
自分がここにいなければ、何もしなければ良かったと考えてしまう。

居場所を守ることが最も大事だったから最後まで気持ちを伝えなかった。
自分の気持ちを竜児に伝えたらどうなるかも当然わかってたはずだから。
自分にとって心地よい居場所を壊してしまう行為だと知っていたから。
でも気付いて欲しくて、竜児が全く気付いてくれないのが腹立たしくて。
自分がホントに欲しかったのが何なのか気付くのも遅すぎて。

この物語は竜児と大河の二人が関係を紡いでいくラブストーリー。
そして竜児と大河が二人で新たな家族を始めるストーリーでもある。
恋愛の先には結婚があってそこから新たな家族が始まるわけだから、
ラブストーリーの終着点として家族を始めるのは珍しいことじゃない。
二人の年齢で家族を始めるところまで描くことは滅多にないけれど。
(滅多にないけど全くないわけじゃない)

この作品が他と違ったのは恋愛をする前に家族を始めてしまったこと。
恋愛という緊張感のある距離を経ずにそれより近い家族になったこと。
それは一見すると二人の関係の終着点への近道のように錯覚した。
しかし終着点への道筋を複雑にして道程をはるかに長くしてしまった。
最初から恋愛をする気だったならこの出会いは大失敗だったのかも。
でもこの出会いだからこそ二人は結ばれたのだとも思えるわけで。
他の誰かにとって間違いでも、竜児と大河にとっては間違いではない、
他の誰でもない二人にとっての運命的な出会いだったのだと言える。
それは「団欒から始まる恋もある」とでも名付けたくなる出会い。

この作品の主題は家族で。だから家族との関係を印象的に描いてた。
竜児の片親だけどそれを感じさせないほど愛情たっぷり注いだ親を。
ちょっと子供っぽいようで、でもしっかりと親の顔を見せる泰子を。
捨てたくせに気まぐれで優しくして結局あっさり裏切る大河の親を。
人懐っこくて、人がいいようで、でも自分勝手だった大河の父親を。
この大河の親との関係は物語を描く必然だとは言えあまりに気の毒で。
大河の深い孤独は全て親に起因するわけで、見てるこっちが痛かった
大河を何とか助けたいと思う竜児の気持ちにシンクロしてしまった。

そんな大河がやっと見つけた居場所がまたしても奪われそうになる。
父親が事業を失敗して夜逃げをして、実の母親が引き取ると言って。
竜児は大河を離したくないと思って、大河も離れたくないと思った。
望んだことは全て壊れてしまう。そんなジンクスを大河は壊したかった。
他の大事なことを全て捨ててでも二人の関係だけは守りたいと思った。
竜児は母親との関係すら切り捨ててもいいと一度は考えたのだった。
それは泰子を家族同然に慕ってる大河にとっても身を切る行為だった。
上手く行かない予感がしても、その方法を選ばずにいられなかった。

結局のところ竜児は母親を捨てる選択を取らなかった。
それどころか泰子を竜児以外の家族と結びつける手伝いすらした。
竜児のために捨ててきた実家との関係を結び直すキッカケを作った。
二人の関係を親に認めて欲しかったから。祝福して欲しかったから
そしてそれは竜児の親だけではなく、大河の親についても同じだった。
時間がかかったっていいという竜児の言葉で大河はある決心をする。
竜児に相談をしなかったのは、止められるのがわかっていたから。
話せばきっとわかってくれただろうけど、自分が揺らいでしまうから。

大河は一人で決めて一人で新しい場所に行ってしまう。
想いは届かなかったとしても竜児の傍にいたいと戻ってきたのに。
母親を必死に説得して時間の猶予をもぎ取ってまで戻ってきたのに。
(事故の後の母親と楽しく過ごしてサボってたと嘘をついたところ)
竜児との居場所を守るために他の全てを捨ててもいいと思ったのに。
それなのに大河は竜児の傍を離れる決心をしたのだった。
あの時は傍に居ることが竜児との間の唯一の頼れる関係だったけど、
今は竜児のことを信じられる確かなものが自分の中に有ったから。
少しの間だけど竜児と触れ合ったことで自分の中に力が生まれたから。
(家に帰る電車の中で二人が手を繋いでたのが象徴的で印象的)

大河の決断は多くのクラスメイトとの別れでもあった。
もう絶対会えないわけじゃない。でも簡単には会うことができない。
それでも逃げないで新しい家族で新しい環境で頑張ることにした。
竜児もみのりんも亜美も北村クンも大河の選択をいいとは思ってない。
でも現実に向き合って頑張る大河を認めないわけにもいかなかった。
ただ遠い場所から大河へエールを送ることしか出来なかった。

それにずっと同じ時間が続くわけはないし、同じ関係も続けられない。
とても楽しくても。心地よくても。ずっとこのままの関係でいたくても。
いずれ終わりはやって来る。それが少し早まっただけのこと。
人は学校という温い繭から飛び出してそれぞれの道へ進むのだから。
新たな道への旅立ちは別れでもあって、爽やかだけど、どこか寂しくて。
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機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン 1~8話

10月からTBS系(全国ネット)で放送してた全24話の新番組。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(2巻までリリース済)
ソレスタルビーイングの登場によって世界には新たな秩序が生まれた。
多くの国家が地球連邦政府の元に参画し世界は統一されつつあった。
表面的には彼らが願った戦いのない世界が実現しつつあるように思えた。
しかし現実は連邦による反対勢力への非人道的な弾圧でしかなかった。
刹那は変わったはずの世界が何も変わってなかったことに失望をした。
そして世界を変えるため再びマイスターとしてガンダムに搭乗する。

まず第一印象としては、ちゃんと作品になってる!でしょうか(爆)。
そんな表現もなんだけど1stシーズンの最初があんまりだったから……
予想してたよりちゃんとキャラが識別できるし話も楽しめるじゃんと。
恐らく物語の区切りのいいとこで1stシーズンは終わってるはずだけど、
1stの続きだから物語の途中から見てることに違いはないわけで。
そのわりにちゃんと話がわかるしキャラも識別できるなと。1stよりも。
8話まで見たからわかったのではなく、わかったから8話まで見たんです。
アレルヤとソーマ・ピーリスの話の行方にちょっと興味があったから。
(8話まで見たのはプトレマイオスに乗った後の扱いが気になったから)

2ndシーズンを見て1st冒頭の構成のダメさも余計に実感してしまったり。
同じ世界設定で同じキャラだからこそ面白さの違いを痛感するわけです。
同じスタッフが作ってるのになんでこんなに違いが?とか思ったよ。
てゆーか出来るなら最初からやれよ黒田某!と(失礼だけど)思った(爆)。

1stシーズン最初と2ndシーズン最初の面白さの違いを一言で表現するなら、
ソレスタルビーイングがストーリーの当事者かどうかに尽きるでしょう。
2ndシーズンは4人のガンダムマイスターを含むプトレマイオスクルーが
物語の中心にいて当然ながら作中の視点もそこを中心にしてるわけです。
しかし1stシーズンでは紛争を行ってる各国の人たちこそが物語の中心で
ソレスタルビーイングは(最初は)得体の知れない暴力的な存在でしかない。
細切れな紛争エピソードとそれに関わる各国の人たちに視点をばら撒いて、
さらには意図も意思も見えないガンダムマイスターの視点も入れてる。
時間のわりに視点が多すぎてキャラの識別が困難な代物になっている。

公式サイトで全体(1st/2nd)のあらすじをざっと読んでて思ったんだけど、
1stの最初の頃はソレスタルビーイング側の視点はいらなかったような。
むしろ彼らの視点を隠して得体の知れない存在として描くべきだったかも。
でも沙慈の傍に刹那がいたように構成キャラだけは登場させておくのです。
予め彼ら(ガンダムマイスター)の内面を視聴者に伝えておくのです。
そしてソレスタルビーイングの意図と一緒に彼らの正体を明かすのです。
そうすれば中身の無いペラペラなキャラがカッコだけつけてるみたいな、
1stシーズン最初のどーしょもない印象にはならなかっただろうに……

もちろん、この作品のセールスコンセプトとして
4機のガンダムと4人のマイスターが存在してるのはわかってますが。
だから最初から意味もなく登場して活躍してるのもわかってます。
よーするに物語の構成とセールスコンセプトが噛み合ってないのです。
それでも何とかするのが制作スタッフの力の見せ所だろうとも思ったよ。