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まず私的ベスト(アニメ)ランキングのこと。
いつものように去年のうちに暫定ページをアップする予定だったのに
時間がなくていきなり完成版をアップする展開になってしまいました。
作りかけのページ自体は11月頃から有ったんですがね……
そして実はそのページの
リストを見て愕然としてたのでした。
なんと全てが続編や第2弾、第3弾みたいな作品ばっかだったので。
すっかり守りに入ってるみたいで(自分的に)ヤバイんじゃないかなと。
深夜枠の新番組に続編みたいのが目立って増えているのは事実ですが、
それにしたって純粋な新作も1年に50本以上は少なくともあるわけで。
にも関わらず1本たり最後まで見た作品が無いのは、内容が問題ではなく
単純に
見てる時間が足りて無かったと考えるのが妥当だろうなと。
※私的ベストには最後まで見た作品が全て入れてあります
よーするに好きな作品の続編を見るだけで時間が尽きてたってことです。
2007年のベストよりも2008年の方が作品が多いのでまさにそれっぽい。
さすがに私的ベストに純粋な新作がないのはアレだなと思ったので、
正式版を載せる今回の更新までにいくつか見ることにしてたのです。
続きを見たかったけど時間の都合でそのままになってたやつから、
特に優先度の高いのを何作か
視聴スケジュールに捻じ込んだんです。
それが前々回の夏目友人帳と今回のtrue tearsってことです。
他にも候補はあったけどさすがにこれ以上見るのは無理でした。
そのへんは時間に折り合いがつけば近日中に追加されるかも。
肝心な私的ベストの内容については実際に見てくれってことで。
※ブログは→にあります
一言だけ触れるなら
コードギアスは雪辱を果たしたって感じですか。
あと見たのに途中からコメントが落ちてる作品がいくつもある(汗)。
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続いてブログパーツのこと。
ブログとアニメの索引ページにはef1期のブログパーツが貼ってあります。
数ヶ月ぐらいとか言いいながら
既に1年近くそのままずっと貼ってあるね。
たぶんこれからも代わりにしたいと思うのが出るまでそのままでしょう。
もしかしたらブログパーツが反応しなくなるまでそのままかも……
でも最近はちらほら他の作品でもブログパーツが用意されるようになって
注目作品でもブログパーツが存在するのがいくつか出てきています。
今のやつの代わりになるほどの出来がいいかと言われると……だけど
せっかくだからブログとかに貼ってみたいなとか思ったりしたのです。
てゆーか12月頃に
ブログに一時的(試験的)に貼ってたんですよ。
特定の作品のカテゴリーページだけ今のブログパーツと差し替わる感じで
その作品のブログパーツが表示されるようにしてたのです。
※「夏目友人帳」と「とらドラ」と「ひだまりスケッチ」
もしかしたらその現場を目撃した人もいるかも。
なんでそのブログパーツ切り替え機能を止めてしまったのかというと、
(うちの非力マシンでは)
ページの表示がみょーに重くなってたからです。
ブログパーツの切り替えはJavaScriptを使って実現してたんだけど、
どーも表示されてない分のパーツのスクリプトも毎回動いてるらしく、
負荷の大きい「夏目友人帳」のパーツの影響が常に出てしまうようで。
これを除外すればマシになるけど今回使ったので一番良かったから……
仕方ないのでそのやり方をやめてCGIで切り替える手法を試したのです。
設定ファイルで作品が増えても対応できるようなスクリプトを自作して。
思い立ったのが1月1日で
元旦から何してると言う気もかなりしたけど(爆)。
そして出来上がった切り替えスクリプトをブログに貼って完成……
と思ったのに試したらefのパーツだけ不具合が出ることが判明しました。
正常ならプレイボタンでウインドウが出てムービーが流れるはずなのに、
なぜか通信中のままで動画が始まらないのです。通信してないのです。
スクリプトの中でスクリプトを呼び出してる副作用かなんかだろうか?
IE6だと動かないのにFirefoxだとちゃんと動作するのも不思議だし。
パーツのスクリプトのソースを切り刻まないと原因はわからなそうです。
そこまでする根性はないので自動切換えはとりあえず諦めました。
その切り替えスクリプトをせっかくだからここに貼っておきます。
作ったのに
使わないのも勿体無いのでリサイクルで。
・ランダムモードにしてあるのでリロードすると4種が切り替わります
・上に書いてあるとおりefのパーツはIE6だとムービーが流れません
・夏目友人帳のは夏目関係のキーワードがないので反応しません
[追記]
JavaScriptとCGIを併用して切り替えれば上手く行くことに気付いたので
改めてブログのサイドバー(→)に設置しました。
※ここに貼ったのは撤去しました
レンタルのこと。
先にレンタルのないページを更新したので見た人もいるかもだけど
ローゼンメイデン トロイメントのレンタルがやっと出るようです。
2/4と3/4に半分づつ(3巻)で2ヶ月で全部リリースされるみたい。
オーベルテューレのレンタルも3/4に一緒に出る模様。
(ぽすれんの表記では16:9になってるので今回はフルサイズ!?)
このまま永遠に放置プレイかもと思ってたので良かったよ。
で、RECのレンタルは?ウィンターガーデンのレンタルはまだですか?
これだけは是非続きを見たかったけど時間がなくてすっかり今頃に。
と言っても今も視聴スケジュールに余裕は無かったりするわけですが。
2008年の私的ベストに突っ込むために無理やり捻じ込んで見ました。
序盤の印象がかなり薄れてたので念のために1話から。
※セル・レンタルDVDは全巻リリース済
(注)以下ネタバレ大量なのでこれから見る人は読まない方がいいよ
まず、最後まで見て思ったのが変わった構成の作品だなってこと。
いわゆる物語的な作法に則ったストーリー展開になっていないので。
おかげで見てて物語の着地点がイマイチ見えてこなかったのでした。
10話の最後に眞一郎が自転車で比呂美を追いかけるシーンが有るけど
これってよくある物語的な構成ならクライマックスシーンなわけで。
麦端祭りのシーンがクライマックスかと思ったらそれも違ったし。
この作品ってどんな意図の構成なのかさっぱりわかりませんでした。
そして最後まで見てやっと理解できたのです。
この作品は意識的に
いわゆる物語的な展開を外しているんだと。
関係の糸が絡み合ってからほぐれるまでの時間を切り取ったみたいに。
生っぽさを追求するために物語的な巡り合せの良さを排除したんだと。
もうひとつ思ったのが、収まるところに収まった、という感想かな。
そもそも眞一郎は最初から比呂美が好きだったわけで。
比呂美の方も眞一郎が好きっぽいのは序盤からかなり匂わせてたわけで。
でも比呂美は事情があってその態度を表に出さなかったわけです。
むしろ次から次へと嘘をついたり全く気のないそぶりをしてたりして。
この事情は比呂美の責任ではないしむしろ同情に値するのだけど。
そんな比呂美の態度のおかげで
状況は混乱を極めていったのでした。
眞一郎の母が比呂美に辛く当たる理由ってやっぱり浮気かなと思った。
比呂美が比呂美の母に似てるとか写真の顔だけ切り抜いてたりとかだし。
でも比呂美の母と浮気した結果についてまでは考えが至らなかったよ。
浮気なら
二人は血が繋がってる可能性があるんだと……
比呂美は気持ちを隠してたのではなく無いことにしようとしてたのです。
眞一郎の気持ちが自分に向いてることにもちろん気付いていたからこそ
これ以上先に進まないように気のない態度をとってたわけです。
それでも自分の感情を無かったことに出来てない比呂美からしたら
先に進めなくてもそばに居られるだけでささやかな幸せだったのかも。
比呂美の事情にはなんと思いもよらぬオチがついてきます。
眞一郎の母が言うとおりどうにも合わない人間関係というのは有るし、
つい何の根拠もなく思ったことを勢いで口走ることも有るわけです。
眞一郎の母自身すら比呂美がそこまで思いつめると思わなかったようで。
比呂美が眞一郎が好きじゃなければ大した問題でもなかったしね。
「忘れたことなんてありません。一時も」って言葉にとても驚いていた。
考えたら比呂美が
眞一郎の母に感情を吐き出したのはここが初めてです。
それまで比呂美はどんなにひどい態度を取られても静かに従ってたから。
そしてそれは二人の関係に大きな変化を与えるのでした。
確かに変化のキッカケなんて案外こんなものだったりする。
思いもよらぬオチによって比呂美の事情はクリアになるのです。
もう自分の感情を隠さなくても良くなるのです。
そして比呂美はある決心を行動に移したのです。
眞一郎の家から出て一人暮らしを始めたのです。
これって眞一郎を諦めたのではなく
むしろ先に進むつもりだからだね。
淡い想いのままならひとつ屋根の下でもいいかもしれないけど、
先に進んで恋人同士になりたいなら同じ家はあまり好ましくないから。
都会ならともかく人間関係が密な地方だと外聞も悪くなるわけだし。
アニメだと一つ屋根の下で上手く行っちゃう展開が少なくないけど、
生っぽさを追求したこの作品であえてそうしなかったのに感心したよ。
物語的な展開なら10話の最後がクライマックスとか上に書いたけど、
眞一郎が誰かを選ぶラブストーリーならそこで終わりでもいいわけで。
確かな言葉は何ひとつ無かったけど互いの気持ちを確信したわけだから。
だけど誰かを選んでそしてハッピーエンドで終わりにはならないあたり
物語的ではない
現実からある時間を切り取ったような生っぽさがあります。
タイミング良くいかにもなクライマックスに至るなんて現実にはないから。
気持ちが通じ合った二人以外の関係はまだ絡み合ったままなわけだし。
絡み合った関係の糸をほぐしていく過程が二人には残っていたわけです。
それは決して楽しいことではない。一度は繋いだ手を離すということ。
この作品は眞一郎と比呂美と乃絵の三角関係のラブストーリーです。
正確には愛子と三代吉と乃絵の兄を巻き込んだ複雑に絡んだ関係ですが。
その三角関係のどちらを選ぶか?みたいな作品に一見すると見えます。
一見するとと表現してるのは実際はそうなってないからという意味です。
上にも書いてあるとおり眞一郎は最初から最後まで比呂美が好きなわけで。
にもかかわらず乃絵に好きだ付き合おう、と言ってしまったわけですよ。
まぁ、この時の乃絵を好きだという気持ちに偽りは無いとは思うけどね。
それ以上に比呂美が好きなだけで。
好きって感情は一つじゃないから。
眞一郎が乃絵と最後に会った時にオレは比呂美が好きだと言ったけど
乃絵も好きだとは決して言わなかったのが誠意なんだろうなと思った。
(好きという言葉を使わず乃絵との関係も大事だったと表現してた)
実は眞一郎が10話の最後に決心をして自転車で追っかけるよりも前に
乃絵は自分から眞一郎のことを諦めて引いてしまってたりする。
バイクで事故った時の眞一郎の比呂美への態度で気付いちゃったから。
そして自分を選ぶ可能性が無いことにも気付いちゃったんだろうね。
乃絵って行動は変だけど直感的というか
結論にたどり着くのが早いから。
そして相手に捨てられる前に自分から気持ちを捨てようと思ったのです。
それでもいきなり感情は無くならないから好意が向けば嬉しいわけで。
10話で「どうしてわたしのところへ来るの?」とポツリと言った後に
「今日は私のために踊ってくれる?」と言ってるのがズキっと来るよ。
この作品には3人のヒロインがいます。
三角関係の当事者である乃絵と比呂美とそして幼馴染の愛子。
この三人で一番の美人は比呂美という意見に反論する人はまずいないかな。
最も清楚で儚げでさらに不幸な境遇もあっていかにもヒロインって感じで。
でも比呂美はこの作品の中で
最も見苦しい行動を取った人でもあります。
自分でも自分の行動をコントロールできてない迷走っぷりを見せてみたり。
乃絵に向かって思わず悪意のこもった言葉を発してしまったり。
(思わず口から出た言葉って本心だと思う?のところ)
自分が嫌な人間になってる自覚があるのにそれを止めることができない。
人を好きになるのはキレイ事ではなくてキレイではいられないみたいな。
たとえ見苦しくても、なりふり構わなくても、手に入れたいと思うから。
だから比呂美は手に入れられたんだと、そうも思ったのでした。
実のところ乃絵ももっとじたばたしてたら目が無かったわけじゃない。
見てて乃絵は
恋をするにはまだキレイすぎたんじゃないかと思ったよ。
今回の失恋は乃絵の未来にとって必要な過程だったんじゃないかなと。
これからもっと多くの人との間に関係を紡いでいって、
もっとずっと見苦しくてみっともない恋をするようになって。
そしたら乃絵も愛を手に入れることが出来るんじゃないかと思うのです。
序盤の比呂美の行動が迷走してる部分もそうだけど
眞一郎から見て比呂美の行動が不可解に見える部分が少なくありません。
上にも書いたように比呂美自身にも不可解な行動だったりもするけど。
でも大半の不可解な行動には
それなりに理由があるわけです。
眞一郎の視点だけだと見えてこない比呂美の心のうちと言うやつが。
男が主人公の作品だと女子は不可解で完結することも少なくありません。
特に美少女ラブコメアニメはその傾向が強かったりします。
(エロゲーアニメなんか中身の見せようのない変なキャラが多いし)
でもこの作品は男の側だけでなく女の側の視点も随所で挿入してあります。
眞一郎から見たら不可解に思える比呂美の行動の理由も見せてるのです。
外側は美人で儚げな比呂美の
内なるドロドロしたものを見せてるのです。
だからこそ行動に説得力があるし、より深く感情移入ができるのです。
男と女の両方の視点を見せると言う意味でとても特徴的だったのが
5話の眞一郎が初めて比呂美の部屋に入った時のシーンです。
眞一郎の視点だけだと何でいきなり機嫌が悪くなるのかわからないアレ。
いや、そこまでの比呂美の内面を追えてればわからないことはないけどね。
でもそこまで読めない人は女の子はわけわからんという印象を持つはず。
でもこの作品は
改めて比呂美の視点でリプレイしてちゃんと説明してる。
最初は初めて眞一郎が自分の部屋に入ってきて嬉しいのが滲み出てるし、
その後の話の内容で気持ちが上から下へと急降下してるのも良くわかる。
特に言いたいことをモノローグで何度も繰り返してたのが印象的だったよ。
面白い表現を使ってるなと凄く印象に残ったところでもあります。
比呂美についてはもう一つ感じたことがありました。
それは比呂美ってとっても嘘つきだなってこと。
もちろん嘘をつくのには理由がちゃんとあったりするわけだけど。
それに途中までは自分の本心を見せられない事情もあったわけです。
とは言え
こんなに嘘をつきまくったヒロインは前代未聞かもしれない。
あまり嘘が多いので今の言葉は本当なのか?とか思ってしまったり。
最後のシーンで眞一郎に付き合おうとか言われてイヤと言ったのさえ、
これは言葉どおりの意味じゃないだろうなと思えてしまうぐらいだし。
比呂美の嘘で特に印象的だったのが小さい頃の祭りの思い出の話かな。
たぶん眞一郎にとって大事な思い出で好きのキッカケとも思われる話。
それを比呂美は「忘れちゃった」とか口走ってるわけです。3話では。
でも視聴者は比呂美がその思い出を忘れてないのをすぐ後に知ります。
そして11話で比呂美は家を出る前に眞一郎にその思い出を話すのでした。
あんな思い出を
忘れるわけ無いじゃない、とかぬけぬけとのたまって。
つまり比呂美にとっても大事な思い出で好きのキッカケみたいな感じ。
(その思い出があったから眞一郎の家に来たと言ってたし)
ここなんか特にだけど状況で言うことがまるで変わるのが印象的でした。
朋与に問い詰められて好きな人は乃絵の兄だと言ったのももちろん嘘。
おそらくバスケの試合で目についたのをその場逃れで言ったのでしょう。
本気で眞一郎のことを諦めて他の人を好きになろうとしてたのなら
成り行きでの付き合いとは言えもっと真摯に向き合っただろうし。
眞一郎が紹介したことであそこまで機嫌が急降下したりしません。
(デートは露骨にやる気の無い態度だったしね)
そもそもあの眞一郎の余計なお節介も半分は比呂美自身のせいだから。
なにしろ眞一郎の前でぺらぺらと雄弁に嘘話を展開してたのは自分だし。
比呂美は嘘つくときほど雄弁だとかこのシーンを見てて思ったほど。
でも眞一郎はこの嘘話を額面どおりに受け取ったのでした……
もうひとつ。これは厳密に言うとまんざら嘘ではないことだけど。
12話の麦端祭りの準備に愛子が遅れて参加してきたすぐ後のとこ。
その場所を乃絵が眞一郎がいないかと覗いてすぐいなくなるのです。
それを見た愛子が「彼女か~」と複雑な想いの混じる言葉を発するけど、
そこで比呂美が「彼女は私です」と静かにでもハッキリと言い放ってた。
まだ互いに好きだとも付き合おうとも言ってない関係にも関わらず。
確かにこの時点で二人は事実上の恋人みたいな状態だったけどね。
そしてこの言葉を
公式にも本当にするんだという強い意思を感じた。
この後の愛子の私はすっかり部外者なんだみたいなセリフも含めて
特に印象に残ったシーンの一つです。
比呂美の嘘もそうだけど、この作品は会話がとてもよく出来てます。
言葉のキャッチボールが単純な受け答えとは限らないあたりが特に。
これに関しても眞一郎と比呂美の会話によく特徴が表れてます。
比呂美は嘘をつく以外に結構眞一郎の問いをはぐらかしてるのです。
一見するとちゃんと答えてるようででもよく考えると全く答えてない。
話を反らしてることに気付きにくい絶妙なはぐらかし方をしてる。
答えられない、答えたくない、それこそが比呂美の答えなわけです。
むしろ今の自分が答えを出したくないって気持ちもあったのでしょう。
想いを消したいけど消せない複雑な感情が受け答えに表れてるみたいな。
そして物語は終わりを迎えます。
いかにもなラストシーンというより人間関係の一つの区切りとしての。
複雑に絡み合った人間関係の糸がキレイにほぐれたその瞬間としての。
或いは
新しい関係に向けて走り出すための。
そんな物語のラストの印象を一言で言うと「とても好き」かなと。
素晴らしいとか、よく出来てる、って形容よりも「好き」って思った。
最後の眞一郎と比呂美の「これからはずっと隣にいるんだし」
「何それ?プロポーズみたい。まだ付き合うのOKしたわけでもないのに」
(字面だけだとわからないだろうけど比呂美は感極まってるのです)
ってやり取りでやっとここまで来れたんだって思って凄くじーんと来た。
キャラに思い入れが深かったのでまるで
自分のことのように嬉しかった。
さんざん紆余曲折があったし、一時は未来が絶望的であったわけだから。
10月からテレビ東京系(6局)とAT-Xで深夜に放送してた全13話の新番組。
原作は青年誌(ヤンマガ)のマンガで読んだことがあります。
※レンタルDVDは1/30からリリース(セルDVDのほぼ1ヶ月遅れ)
この物語は、リョウタとチカとその周囲の面々を中心にした
(小学校のクラスの)
5年2組の平凡な日常を淡々と描くものです。
過度な期待はしないでください。
あと、部屋は明るくして、TVから3メートルは離れ(以下略)
みなみけの作者のみなみけの前の作品です。
ハイエンド(系)小学生マンガなる妙なコピーがついてたのを覚えてます。
と言うかコミックスは読んだけどそれしか覚えてません!(爆)
確かみなみけ同様のショートのストーリーマンガの体裁だったはず。
そして
たったの1巻しかなかったはずです。
1エピソード8ページだとしても20数エピソードしか1冊には入りません。
原作そのままの内容ではとても1クールも映像化する内容は無いのです。
※アニメは1回4エピソードで全49エピソードもある
だから恐らく半分ぐらいのエピソードはオリジナルではないかなと。
原作は残ってないのでどれがオリジナルかはちょっとわからないけど。
OVAにもあるエピソードは間違いなく原作のですね。
※OVA版の感想は↓に
この作品もみなみけ同様に作り物の記号キャラによる絵空事ではなく
現実的なキャラによる現実を切り取った内容になってます。
舞台が小学校でメインキャラが小学生(のみ)なのが大きな違いですが。
みなみけほど
キャラに誇張がなく際立った特徴がないのも違いっすね。
そのせいでストーリーもあまり変なインパクトがついてたりしません。
現実の出来事を誇張して面白おかしく描いた作品と言うよりは、
何気ない日常のひとコマを表情豊かに切り取った作品って感じかも。
そういう意味ではみなみけよりもスケッチブック(アニメ)に近いかも。
みなみけのようにキャラやストーリーに妙な特徴やインパクトがあれば
演出がわりとあっさりしてても面白さはちゃんと伝わってくるのです。
しかし普通の日常を切り取った作品は演出次第で印象が全く違います。
ただの日常だから演出がイマイチだとぱっとしない内容になります。
逆に演出次第でごく普通の日常なのにとても輝いて見えたりします。
そういう意味でこの作品は
演出にとても力が入ってるなと思いました。
よく考えたら何でもない話なのに熱が入ってて印象的だったりするので。
1~3話までならみなみけ(無印)やおかわりより断然レベルが上っすね。
※演出レベルの話です
みなみけの方が面白く感じるのはキャラの印象が強いからです。
そうキャラなんですよ。みなみけとこの作品の最も大きな違いは。
みなみけは南家3姉妹がメインでそのまわりに準レギュラーがいた。
それに対してこちらはメインキャラが8人(男子3人女子5人)もいます。
そのうえわざとらしい性格づけや外形的特徴をしてないのもあって、
最初のうちは
キャラの見分けがつきにくいです。名前と一致しないです。
1話2話のうちは別エピソードの同じキャラが一致すらしてなかったよ(汗)。
見続ければさすがにキャラが識別できるようになりますが。
そしてキャラが識別できるようになると断然面白くなってきます。
(キャラが識別できるようになってから最初の回を見返してみた)
1話、2話だけ見てもこの作品の面白さはわからないよと言っておきます。
1話でやったエピソードの関係でとっつきが悪いってのも有りますね。
この作品はキャラの誇張を抑えたなにげない日常を切り取った作品です。
なにげない日常を演出力で面白そうに見せているわけです。
そしてなにげない日常を演出力で鮮やかに彩ると言えばひだまりスケッチ。
テクスチャーっぽい背景を多用してるのはひだまりっぽいなとか思ったよ。
それどころか
2話では新房アニメのような表現がいくつも出てきたりして。
新房アニメの技法を真似たのか?と思ったらコンテ・演出が上坪さんだよ。
ひだまり2期のEDをやって以来名前を見ないなと思ったらこんなところに。
※ひだまり1期のチーフディレクター及び1期2期のEDとef1期のEDの人
この2話は演出のエッジが効いてるしスピード感もあってとても面白かった。
キャラが識別できるようになった後に見返したけどこの回は断然面白いね。
演出力による印象の違いと言うものをまざまざと思い知らされた感じです。
上坪さんの回に限ればみなみけ(無印)よりも面白いよ。
ちなみに3話のスタジオパストラルも新房アニメではお馴染みッすね。
当然のことながらこの作画・演出スタッフも新房アニメでお馴染みです。
さすがに上坪さんの回のように新房アニメっぽくはなってませんが。
でも監督の演出方針のテクスチャー背景が目立つポップな表現スタイルは
他のスタッフよりも完璧にやってます。
監督のやった1話よりも完璧に。
※別の次元に行ってる上坪さんの回は別にして
まぁ新房アニメでさんざんやってたからこの程度は楽勝なのでしょう。
この3話もエピソードの出来も含めてなかなかに面白かったです。
演出はともかくイマイチ面白さの判断のつかなかった1話に続く2話と3話は
予想以上に面白くて「みなみけ」より多少落ちるけど結構イイと思ったよ。
しかし4話以降は面白さが安定しません……
演出レベルが1~3話までに比べて1ランク落ちてしまったこともあって
エピソードの出来不出来による面白さの差がストレートに出ています。
面白いエピソードもあるんだけど、
回の中でばらつきが大きいのです。
絵がそこそこ安定してるからこそ演出レベルの差を思い知ってしまいます。
7話なんかエピソードがイマイチな上に演出まで陳腐で超微妙だったよ。
次の8話がまた上坪さんで面白さが突き抜けてたので落差が凄かった。
※見てないけど9話はスタジオパストラル回
全部が上坪さんの2話や8話のレベルで統一されてれば秀作だったのにね。
表現についてもう少し。
この作品の表現スタイルの基本はリアルな空間とキャラ描写です。
キャラにあまり誇張がなくて演技も誇張がないのでとても生っぽいです。
キャラ絵も柔らかい感じにしてあるので
年齢相応の子供っぽく見えます。
そしてみなみけでもやってた劇画タッチの絵が随所で挿入されます。
通常モードの絵が柔らかくなってるので落差がハッキリしています。
このへんはみなみけ(無印)のスタイルを踏襲したんじゃないかなと。
※同じスタチャで同じ大月プロデューサーだし
さらに今回は顔が違うときに声の感じまで大人っぽく変えてたりして。
背景が黒くなったり目が光ったりとみょーな表現も使ったりします。
だから上坪さんがさりげに異彩な絵を挿入しても違和感が無いのです。
あの手の表現は作品のスタイルによっては全く使いようが無いからね。
上にも書いたテクスチャーっぽい背景でポップな印象もつけてます。
ストーリーが現実に近いので
表現技法でメリハリをつけてる感じです。
ベースはみなみけよりリアルっぽい画面だけどポップ表現も多いのです。
オマケで2話のどのへんが新房アニメっぽいか書いておきます。
リョータが鼻をほじるところでイラストっぽい画面になるところ。
次の画面でキャラ絵を切り抜いて載せたみたいなのもそれっぽい。
リョータがユウキの耳たぶをつかむ絵が
ポップアート風の色彩に。
(このポップアート風の色彩は新房アニメ以外ではまず使わない)
赤いパイロンが一つ二つ三つと増えていくのもそれっぽいっすね。
ポップ表現はよくあるけど他だとこんな感じにはしないので。
(この話はOVA版にもあるので見比べるとわかりやすいかも)
プリンがぷるるんとかたこ焼きの絵を挿入する代替表現もそれっぽい。
ユウキの円陣!のところの記号的な表現も他ではまず見ないっすね。
女子の着替え中にリョータが入ってきてキャラが色抜けになるとか、
それぞれのキャラのアップ画面の
背景に洗濯記号が入ってたりとか。
(この背景にシンボルを埋めるのも新房アニメ以外ではまず使わない)
ブルマーだけの画面にレタリングのタグが入ってるのもそれっぽい。
プリンのスローモーションでアベマリアにはオイオイとか思ったよ。
しかもここだけプリンが手描きじゃないし(実写っぽい質感)。
最後の方のリョータが責められてる画面が網点トーンっぽい絵だし。
「よこしなさいよ」の画面がサイレント映画風表現だし。
最初のうちは気のせいかもと思ったけど途中から確信に変わりました。
こんだけあれば新房アニメを見慣れてる人ならみんなアレ?と思うから。
2006年頃にリリースされた30分×全4巻のOVA。DVDレンタル。
原作は青年誌(ヤンマガ)のマンガで読んだことがあります。
※セル・レンタルDVDは全巻リリース済
作品の説明はテレビ版↑のを参照してください。
リリース時期でわかるとは思いますが「みなみけ」より前の製作です。
今回のテレビ版とは製作も制作もスタッフもキャストも全く違います。
せっかくなので
テレビ版と比較するために借りて見てみました。
(実はずいぶん大昔に借りたんですが……)
テレビ版と比較した結論を最初に言ってしまうと、、、
放送してる
テレビ版のほうがずっといい出来です。
動きも画面の密度も脚本の密度も演出レベルも全てテレビ版が上です。
1本あたり短いエピソードが5本というテレビ版とそっくりの構成だし、
それぞれのエピソードの内容もほとんど同じなので余計に実感します。
(エピソードのサブタイトルまで同じです)
スタッフのレベルの差とか、みなみけ以前と以後の違いなんでしょうか?
キャストはこっちの方が知ってる人が揃ってますが、
それすらもテレビ版のほうが声が若い感じなのでそれっぽいです。
※OVAはジュニアアイドル?と声優版の二重音声になってます
サブタイトルを見比べた限りでは2巻の最後のエピソード以外は
全てテレビ版にも入ってるのでわざわざ見る必要はないように思います。
1巻も2巻も
最後にチカの話で〆てるところはいいかなとは思ったけど。
※2巻の最後の「オサソイ」はアニメオリジナルみたい
最初が「グラグラ」で最後が「ユビキリ」なとこも全く同じです。
わざわざ見比べたい人かお色気シーンが見たい人だけ見たらって感じ。
そうなんですOVAの方がやけに色っぽい描写が入ってたりします。
元々こっちの方が絵柄が色っぽいけどさらに随所でそれっぽいシーンが。
(テレビ版のほうはちゃんと子供っぽい絵柄になってる)
あとこっちはテレビ版では見えないパンツ(テレ東だし)が見えたりします。
例えば「スーパーボール」でスカートがめくれてしまうシーンとかで。
「メモリ」でメグミのブラが普通の形だったりな細かい違いもあります。
※テレビ版ではジュニアタイプ(スポーツブラに似た感じのやつ)
体重計に乗る前に全部脱いでるなんてどーでもいい違いも有ったりして。
と言っても
前は見えないのであしからず。
表現スタイルもテレビ版とは多少違います。
最も大きな違いは通常モードと劇画モードの絵柄の落差だろうか。
テレビ版はみなみけ(無印)を踏襲してるのに対してこちらは差が希薄。
みなみけおかわりよりは絵柄の変化が目立つかなってレベルっすね。
あとリアルな空間描写と自然な演技が多かったテレビ版に比べて
こちらは多少ポップでマンガチックな表現が目立ちます。
ポップ表現と言ってもテレビ版のと違って
一昔前な感じですが。
表現スタイルを見比べると時代の違い(ってほど製作年は違わないが)
とかセンスの違いみたいのを実感してしまいます。
参考までにOVAの全エピソードリストを。
1学期(1巻)
「グラグラ」「サコツ」「マケナシ」「メモリ」「ダマシウチ」
2学期(2巻)
「スーパーボール」「キセカエ」「カンサツニッキ」「エガオ」「オサソイ」
3学期(3巻)
「トショシツ」「ヌキウチ」「アマアマ」「メクリ」「ネコノテ」
春休み(4巻)
「ヌレギヌ」「セクラベ」「サンキャク」「ユビキリ(前後編)」
DVD-BOXのおまけ ※レンタルでは見れないと思う
「ミズカケ」