今シリーズだけではなくARIAのグランドフィナーレです。
先に原作のコミックスを読んだので終わり方を知ってはいたけど、
アニメのほうもそれはもう見事にラストシーンを飾ってくれました。
最初にアニメ化された時は最後まで映像化されるとは思わなかったので
こんなに見事なラストシーンを見れて感謝の気持ちでいっぱいですよ。
スタッフには本当にありがとうと、そしてお疲れさまと伝えたいです。
雑誌の連載が2月末でコミックスが3月の上旬でアニメが3月の末、
という極めて近いタイミングでそれぞれが完結したのでした。
コミックスは同時進行で作業すればわりとあるスケジュールですが。
※コミックスで読む人が多い少女誌ではよくある
原作とアニメだと制作スケジュール的に通常ではあり得ないっすね。
これは推測だけど原作が12巻で完結という流れが決まった時点で
3期のアニメ化も決まって全体の構成もある程度決まったのでしょう。
さらに最終話の内容も事前にアニメスタッフに伝えてあったか
もしくはアニメスタッフと打ち合わせして決めたんじゃないかなと。
でないとこのタイミングであそこまで同じ構成では作れないから。
(ちょびっツなんかラストエピソードの構成が全然違うし)
ラストと言えば原作からアニメの人は原作のラストに驚いたはず。
原作だけの人やアニメだけの人だとこの感覚はわからないだろうけど。
何がって、それは原作のラストシーンにアイちゃんがいるんだよ!
アニメオリジナルのキャラクターのアイちゃんが原作にいるのです。
元々原作のイメージそのままに動き出した感じのアニメではあったけど
アニメでアレンジされた部分が原作へとフィードバックされたことで
二つの世界がホントに繋がったような気がした瞬間だったのでした。
まさか最後の最後にこんな驚きのプレゼントが待っているとは!
実はこのラストシーンと似たモノをつい最近見たことがあります。
それは他でもないこのアニメのOVA~ARIETTA~のことですが。
あれは夢だったけど、今度のは近い将来のホントの話なのでした。
もしかしたら~ARIETTA~を打ち合わせててラストも決まったのかも。
(結果的に~ARIETTA~での夢はほぼ未来の姿になってたわけで)
アリシアさんから灯里へと受け継いだものをアイちゃんへ、みたいに。
最後のアイちゃんが制服を初めて着たり、ごはんを食べるところを
灯里がじっと眺めてて「ちょっと嬉しいだけだよ」って言うのとか、
灯里がアリアカンパニーに来たばかりのシーンとそっくり重ねてるし。
アニメだと13話の最初に灯里のシーンもあるのでよりわかりやすいね。
最後だからということも多分にあるんだろうけど
今期の特に今回の6話分に関してはとても感情を揺さぶられる内容でした。
たしかに作中でも涙を流してるシーンは結構あったけど、
悲しいとか痛いとかそーいうマイナス方向の涙ではなくて、
素敵だったり、嬉しかったりの、そんな感情があふれてしまう感じで。
どちらかと言えば淡々してて時々小さな輝きを放ってたこの作品が
最後に眩いばかりの光を放って終わった(生まれ変わった)とでも言うか。
大好きな作品ではあったけどここまで感動させられるとは思わなかった。
原作で読んだときよりアニメのほうがより感情を揺さぶられるのは、
色があって、動いてて、音がついてるから、なんだろうか!?
何度もしつこいようだけど素敵な映像化にホントに感謝感激です。
テレビではこれでおしまいですがDVDだともう1話あるようです。
レンタルでは映像特典扱いでカットされたりしないといいけど……
※松竹のアニメはレンタル版に映像特典がほぼ入ってません
では恒例の原作との詳細な比較を。
もちろん細かい違いはいちいち書いてません。大量に違うので。
以降の内容は比較の性格上かなりネタバレしてるのでご注意!
8話。記憶喪失のベースエピソードはARIA8巻の「記憶喪失」
冒頭の3人のシーンやアテナ先輩とのピクニックはアニメオリジナルです。
つまりアリスがピクニックの準備を楽しそうにやるのもアニメだけです。
バナナで記憶喪失になるところは同じだけどそこまでは違うわけです。
原作よりもアリスがアテナ先輩に失望した感じが強くなってるのでした。
ちなみに原作だとアテナさんがマー社長の帽子を壊してしまう展開。
細かいところだとカップを割るお約束シーンもアニメで追加した部分。
原作だとアリスのSOSから始まってそこまでの経緯を説明する構成なので。
あとはおおまかな流れが原作通りで細かい意味付けが少し違うだけ。
9話。アリス昇格のベースエピソードはARIA11巻の「黄昏時」
この回は構成が原作とほぼ同じでディティール描写が大幅にパワーアップ。
例えば卒業式の後の後輩の相手をするシーンの表情が柔らかいトコとか。
笑顔が上手くなったのを説明するだけじゃなくて全編で実感させてます。
オープニングのアリスが後ろ歩きで帰ってるシーンはアニメ追加部分だね。
アニメは今までのエピソードで積み重ねたことを折りにつけ反芻するのです。
あと田園地帯から水上エレベータまでの道程も大幅に内容が追加されてます。
多くの内容は一応原作にも1コマずつぱっぱっと有るには有るんですが。
船が追い越すシーンを筆頭に細かく描写してアリスの能力を実感させてます。
灯里の昇格エピソードの代わりという意味でもじっくり見せてたのでしょう。
(2期16話で回想として使ってはいたけど)
にしても録画をチェックしたときここにコレが入ってるのは気づいたけど
その前に「記憶喪失」エピソードを入れた理由が全くわからなかったよ。
実際に見て初めて2期最終話から8話、9話と見事な流れなのに気づきました。
実は原作だと「ピクニックに行こう」はこのエピソードにしかないので。
つまり8話が9話の前ふりになってるのはアニメで追加した部分なのです。
10話。お月見のベースエピソードはARIA9巻の「お月見」
原作だとこのエピソードは3人がお月見をしてるシーンから始まります。
と言うことはその前にあるアリスの初仕事を見守る内容はないわけです。
そもそも原作とはエピソードの位置が全然違うのであるわけないですが。
アリスのプリマ初仕事のシーンは9話と11話(後半)を繋ぐいい補完だなと。
つまりアリスがお月見のお誘いに御礼を言うのもアニメで追加した部分。
アニメだけ見ると最初から有ったようだけどアレンジされた部分なのです。
あとはほぼ原作に沿った構成でディティールがあちこち追加されてます。
例えば藍華とアリスがだんごの一気食いを競ってる部分であるとか。
アリア社長がヒメ社長にアプローチする部分とかお茶を入れる部分とか。
アルくん絡みの藍華のシーンで可愛さ大幅増量なのもいつも通りです!?
この回って結果的にアルくんと藍華のカップル話の総決算になってるね。
11話。前半の藍華の話のベースエピソードはARIA12巻の「薔薇の名前」
後半のアリスの話のベースエピソードは同じく12巻の「3人娘」
ここから最終話までは原作のアリス昇格以降のエピソードになります。
つまり間髪をおかずに藍華も灯里もプリマに昇格していくわけです。
アリスの昇格を待ってたとか昇格がキッカケになったとかそんな感じ。
恐らく藍華も灯里もとっくにプリマになる能力は持ってたのでしょう。
アニメだと晃さんが「藍華はただプリマになればいいわけじゃない」
ってセリフを言ってるので昇格させるタイミングを計ってたみたいだね。
(灯里に関しては最終話に今まで昇格させなかった理由が出てきます)
ちなみにこの回の構成も原作とほぼ同じで細部はいろいろ違います。
前半だとオープニング部の藍華がお客を案内してるシーンがアニメ追加分。
なので晃さんが口ごもって藍華が仕事のヘマかと動揺するのも追加シーン。
原作だとアバンの歩いてるシーンからそのまま藍華に声をかけてるので。
後半だとアリスが順調に仕事をこなしてる部分が大きくふくらませた部分。
原作だとアリスのモノローグに合わせて2ページぐらいしかないのです。
ためいき橋を説明するくだりなんか10話の仕事始めとの違いが際立ってるね。
親子を案内したり最後に飴を貰ったりな展開も当然アニメで追加された部分。
アニメだとさんざんためが入ってるので3人のシーンで感動もひとしおだよ。
最後に藍華と灯里に頑張るから!ってセリフを言わせてるのも実に絶妙すね。
12話。プリマ昇格試験のベースエピソードははARIA12巻の「遥かなる蒼」
最後の方で少しだけ次の「未来」の内容も使ってます。
この回は大きな流れは原作に沿ってるけど部分的には結構違います。
12話と13話は吉田玲子さんだけど他の人とはアレンジ手法が違うような。
違いの一つ目はオープニングで藍華の昇格試験のシーンが回想で入るトコ。
原作には藍華のプリマ昇格の試験も昇格の瞬間のシーンもないので。
違いの二つ目は夜眠れないからとゴンドラ練習に出かけてしまう部分。
暁さんとウッディさんが出てきて「落ちた」を連発するのには口あんぐり。
昇格できるのは知ってたから動揺する灯里の姿が気の毒だけど笑えます。
昇格試験の当日に雨が降って午後まで待ったのもアニメで変わった部分。
原作だと「昇格試験を行います」の次がもう昇格試験のシーンなので。
「私にとって今日はもう大切な日なんです」ってセリフが凄くいいね!
昇格試験の部分では湯たんぽとかみんなとブイしてる部分が追加シーン。
暁さんとウッディさんにも(原作にはない)見せ場が有るのがいい感じです。
観光案内のセリフなどのディティール描写も毎度のように大幅増量です。
あと細い水路を抜けた後のここから先を決めるのはも追加シーンだね。
原作では水路を抜けたとこで手袋を取ってプリマに昇格してしまうので。
ちなみに「変化を呼び合う」のセリフは原作だと細い水路の前にあります。
13話。フィナーレのベースエピソードはARIA12巻の「未来」と「水の妖精」
詳細に言うとAパートが「未来」でBパートが「水の妖精」すね。
この回も大きな流れは原作に沿ってるけど部分的には結構違います。
「未来」の冒頭の部分は12話なので13話は藍華とアリスが来るトコから。
その前にちょっとだけ灯里がアリアカンパニーに来た当時のシーンを挿入。
これはラストシーンに重ねるためにあえてここに入れたんだろうなと。
この初めて制服を着るシーンは原作だとAQUA1巻「水先案内人」の内容です。
※アニメでは今までに映像化されてません
あと前半では細かいシーンの流れとか個々のセリフとかいろいろ違います。
原作のページ数が半パートには少し多いので多少整理されてるわけです。
削られたと言う感じはなくてむしろいい感じに引き締まったと思ったよ。
後半はメインになるアリシアさんの引退セレモニーが追加シーンです。
原作では言葉としては出てくるけど実際の絵としては全く存在しないので。
後は(かなりページ数がある)原作の内容を整理した感じの構成になってます。
13話全体で80ページもある原作の内容を損なわず、さらに内容を足して、
それでちゃんと1話としてまとめあげる手腕にはいつもながら感服するよ。
最後に原作コミックス収録順の対応表(改訂版)を。
AQUA 1巻
「水の惑星」1期1話(一部)、OVA(一部)
「水先案内人」1期1話(一部)、2期16話(一部)、3期13話(一部)
「水没の街」1期2話
「猫の王国」2期7話
「希望の丘」2期16話(再利用)
AQUA 2巻
「初めてのお客様」1期1話(一部)、2期16話(一部)
「社長はツライよ」1期8話Aパート
「夜光鈴」2期12話Bパート
「ヒーロー見参!」1期8話Bパート
「花火」1期3話(一部)
「風邪とプリン」2期19話Aパート
ARIA 1巻
「ネオ・ヴェネツィア」1期1話
「陸揚げ」2期17話(再利用)
「ため息橋」1期3話
「お天気雨」2期5話Aパート
「ヴォガ・ロンガ」未使用
ARIA 2巻
「雪虫」1期10話
「桃源郷」1期10話
「社長の日常」未使用
「星の謳声」2期3話、2期19話Bパート(一部)
「アウグーリオ・ボナーノ」1期13話
「謝肉祭」2期1話
ARIA 3巻
「春一番」1期3話
「満開の森の桜の下」2期5話Bパート
「街の宝物」2期2話
「水の3大妖精」1期2話
「ボッコロの日」2期8話
ARIA 4巻
「ネバーランド」1期5話
「逃げ水」2期12話Aパート
「空を泳ぐ魚」1期4話(再利用)
「伝説の大妖精」1期9話
「レデントーレ」2期25話
ARIA 5巻
「郵便屋さん」2期4話
「舟謳」1期6話
「流星群の夜」2期3話
「マルガリータ」1期7話
「影追い」2期2話
ARIA 6巻
「オレンジの日々」1期11話
「ヴェネツィアンガラス」2期11話
「スノーホワイト」2期26話
「迷子」1期6話
「銀河鉄道の夜」2期21話
「パラレルワールド」2期22話Aパート
ARIA 7巻
「春の女神」2期18話
「停電」2期9話
「鏡」2期6話
「ヴァポレット」2期10話
「髪とヘアピンと私」2期17話Bパート
「人造人間」2期22話Bパート
ARIA 8巻
「ゴンドラ」2期16・17話
「記憶喪失」3期8話
「女心」未使用
「墓地の島」2期20話
「秘密の場所」未使用
「送り火」未使用
ARIA 9巻
「パリーナ」2期14話
「自分ルール」2期13話
「幼なじみ」2期15話
「プリマ・ドンナ」2期24話
「お月見」3期10話
「アクアマリン」3期7話
ARIA 10巻
「誕生日」未使用
「エピフォニア」未使用
「トラゲット」3期4話
「春夏秋冬」未使用
「課外授業」3期6話
「星占い」未使用
ARIA 11巻
「クローバー」3期5話
「海との結婚」未使用
「ケット・シー」未使用
「休日」未使用
「黄昏時」3期9話
ARIA 12巻
「生き人形」未使用
「薔薇の名前」3期11話
「3人娘」3期11話
「遥かなる蒼」3期12話
「未来」3期12話(一部)、3期13話
「水の妖精」3期13話
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