全部レンタルが出たので続きを見てみました。
正確には今週全部見たわけじゃないんだけど。
途中まではリリースされるたびに見てたから。
どんな仕掛けになってるか凄く気になって、ついね。
てなわけで最後まで見て全てを知ったあとの感想。
前に書いた「二人のエミリィが物語の鍵」なのはそのものズバリで、
「ミミックというシステムも物語の根幹に関わる」もその通りでした。
あまりに的確に核心をついてた
自分の洞察力が恐ろしい(おいおい)。
と言ってもその二つが結びつく具体的な仕掛けはさっぱりでしたが(爆)。
人形のミミックは人型のエミリィの対なのかなとは思ったけど。
その考えはある意味では正しくて、正確に言うとちょっと違ってた。
この想像と違った部分こそがこの物語の根幹だったたわけです。
そしてミミックというシステムの「とんでもない設定」という印象も
エミリィという存在に関連してまさに物語の核心をついていたのでした。
物語の根幹にありながら全く気づかなかったポイントもあります。
それはセーラがエミリィ(ミミック)が組み込まれてた人形に
独りぼっちになった自分の境遇を重ねて愛でていく部分。
実はこれがこの
ストーリーの行方を決定づけていくのだった。
つまり公式サイトの表紙絵の二人の構図は物語の行き着く先でもあります。
説明だけ聞くとセーラと人形が想いを通じ合わせるメルヘンみたいだね。
しかしそこには全く想像も及ばなかった仕掛けが存在してたのでした。
この作品は中心に女キャラが多くて互いの関係を重視して描いてたので
わりと百合アニメ?とは思ってたけど核心がそのものずばりだったとは。
(セーラに想いを寄せる男性は次から次へと死を賜ってたりするし)
女の子と少女型の人形で百合アニメって何じゃそれ?と思うかもだけど、
そこに関しては重大なネタバレなので実際に見てくれとしか。
最後まで見て気づいたことがもう一つありました。
それはセーラの兄のラルフとセーラがやっていたことは
一見すると全く違うことだけどその根本の想いは同じだったのだなと。
示し合わせたわけでもないのに
結果的に同じになるのが兄妹だねと。
ラルフがユニオンを裏切ったと説明されていたのも実は違ってたし。
と言ってもユニオンのスパイだったとかそーいう意味ではなく、
彼はただ一つの為すべき目的があって他はどーでも良かっただけ。
その目的を邪魔する存在は誰であろうと排除してきただけ。
ディーグにいたのは目的を達するのに都合が良かったからでしょう。
だから都合が悪くなったらディーグの船の乗員も皆殺しに……
セーラの友人たちを含めてお兄ちゃんはあまりに殺しすぎだよ。
そんな行為をエミリィ自身は決して望んでいなかったのに。
エミリィの正体については物語の根幹に関わる部分なので
ネタバレを避けるため要領を得ない書き方になるけどご容赦を。
7話で人型のエミリィが「今会いに行くから」とディーグの船を
抜け出してセーラ達のいるグオールへとやってくるのです。
これエミリィが会いに行ったのはてっきり人形の方だと思ってた。
それも間違いではないけどホントに会いたかったのはセーラの方。
セーラが行方不明になった人形を捜索してる時にいきなり現れるし。
しかもエミリィは初対面のはずのセーラにみょーに親しげだったし。
人形を見つけて抱き上げながら
セーラに感謝の言葉を喋ってるし。
えっ?何でと大半の視聴者は思っただろうね。もちろん思ったよ。
実はこの部分こそが物語の仕掛けを象徴してるシーンだったりする。
この人形(エミリィ)が行方不明になる部分は重要な分岐点でした。
しかしそこに至るプロセスはちょっと唖然とする展開で……
まるで番外編かと思うほどにいつもと雰囲気が違う回だったよ。
いつもよりお色気過剰だしギャグ多目だしちょっと暴走気味だし。
この作品は女キャラばかりのわりにサービスは控えめだし、
人が次から次へと死にまくりで楽しいよりも重苦しい展開だし、
だからこそ真ん中へんに
気を抜いたお遊び回を入れたのかなと。
もちろんお遊び回という印象は正鵠を射てると思われます。
お遊び回の結果が重要な分岐点なあたりがビックリな構成ですよ。
この作品のストーリー構成はかなりシンプルだったりします。
3話以降最後までリベルタッドを追撃するディーグの船という展開だし。
キャラの構図としても極限まで装飾を省くとセーラとラルフの兄妹と
人型と人形の二人のエミリィの4者の関係で全てが動いてたりするし。
つまりラルフは裏切って各地でユニオンを攻撃してたのではなく、
何の巡りあわせかセーラのいたとこだけを攻撃してたわけなのです。
つまり恋愛モノに匹敵するぐらい
狭い範囲で展開していた物語。
1クールでここまでシンプルな構図や構成の作品は逆に珍しいような。
物語の仕掛けがかなり大掛かりでそこが説明不足にならないように
敢えてストーリーにアレコレ詰め込むのを避けたのかなと思ったよ。
展開がシンプルな分キャラをじっくり描いていたのは好感触でした。
主題歌について。
オープニングに関しては置いといてエンディングの曲がいいね。
中盤以降の
メロと音の重ね方がニューエイジっぽくてとても美しいし。
大好きだった地球大紀行のサントラの曲をどことなく彷彿とするし。
なんとなくいいかもぐらいに思ってたけどだんだん欲しくなってきた。
ちなみに作・編曲は今やアニメではお馴染みの上野洋子さんです。
もしかしてオープニングを歌ってるYokoって本人なのかな!?
レンタルについて。
レンタルDVDには映像特典は全く入ってなかったはず。
公式によるとセル版もノンクレジットOP/EDだけみたいだけど。
コメンタリー音声に関してはよく見てなかったのでわからん(爆)。
サントラのレンタルは
TSUTAYAのサイトによると無いみたいです。
入荷しなかったからたぶんそうだろうなとは思ってたよ。
発売元(ハピネット)が同じシングルもレンタルはないみたいです。
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最近リリースされた30分×全3巻のOVA。DVDレンタル。
今よりも未来の話。空から降ってきた毒物により男たちが死に絶えた世界。
そして女たちも絶望と混乱の中で大半が死に、
もはや終末へと向かう世界。
そんな世界で滅亡を逃れられぬ運命として生を享楽する者たちがいた。
しかしそれでもなお行き続けようと必死であがく人たちもいた。
ヒトミたち衛士隊はいつものようにICEと呼称される物体によるバイオテロ
(と説明をされていた)から人々を守るため出動をしていた。
ICEとは立った人が丁度入るサイズの卵形の青い半透明な物体で、
その中にはICEを起動したと思われる人が眠った状態!?で入っていた。
ICEは衝撃を与えると周囲へ強力な攻撃を行う性質を持っていたため
衛士隊は細心の注意を払いながらICEの撤去と回収を行っていた。
そんな作業のなか衛士たちはこの世界にいるはずのない赤ちゃんを目撃する。
混乱した衛士たちはうっかりICEに衝撃を与えてしまいICEは暴走を始めた。
周囲を無差別に攻撃するICEを止めるべくヒトミは禁断の銃を使うのだった。
※男たちの滅亡と共に銃を封印し通常は刀を使ってる
それでも止まらないICEはかつての高速道路を暴走し一人の少女を巻き込んだ。
これがICEの上で暴走を止めようとしてたヒトミとユキの運命の出会いだった。
30分×3本という体裁だけど全体で一つのストーリーになってます。
1巻と2巻は40分ほどあるので通して2時間弱の映画みたいなもんです。
なので作品の理解という意味では3本通して見た方が良さそうです。
そんな3本続けて見た印象は、
置いてきぼり感が超満点というところ。
ストーリー自体はわりと単純でそんなに理解しにくいわけではないです。
しかしあまりに独善的というか見た人を共感させる作品じゃないなと。
なんだか昔の変な世界観で変なストーリーのOVAでも見てる気がしたよ。
去年に何本もやったアニメ映画は一部を除いて評判は芳しくないけど、
それでもどれもこれに比べたら十分に一般人の視聴に耐えうると思ったよ。
つーかこれを一般人に見せたらおそらく30分も耐えられないと思う(爆)。
他人事のように言ってるけど実は3巻も借りたことをちょっと後悔したし。
3本見た方が理解しやすいとか言いつつ実際3本借りると後悔するよとは、
どんだけ……
置いてきぼり感満点な理由は言うまでもなく説明不足だから。
時間が足りないとは言いがたいので理解させる技巧が足りないのでしょう。
そして説明不足だからなのか作品の設定に納得いかない部分が多かったり。
具体的に挙げるとICEと呼ばれる物体が衝撃を受けたときの反応がそう。
作品を見る限りICEというのは生殖に頼らず子供を作るための機械らしい。
だから母体を守るための防御システムが存在してるのまでは理解できる。
しかし周囲を無差別に破壊したら他のICEにも影響を及ぼしかねないよ。
暴走してモンスター化した状態で中の母体はどーなってるんだ?とか。
最後に出てくるツインタワー(環境再生システム)の防御システムが
まるで有機物みたいなモンスターの群れなのもさっぱり意味不明だし。
人が作り出したモノには
人が理解できる思想が存在してるはずなのに、
この作品を構成する独特な機械からはまるで思想が見えてこないのです。
それこそこの作品が視聴者を置いてきぼりにしてるポイントかもしれない。
※宮崎アニメは機能デザインが凄く良く考えられてたりする
説明不足なのは他にあります。
中でも代表的なポイントは赤ちゃんが出てくるところ。
最後まで見たら理由がわかるかと思ったけど全く説明がされなかった。
実のところ赤ちゃんが2ヶ所で出てきた意味もさっぱりわからない。
終末世界での二人の魂の結びつきみたいな意味なら出す必要もないし。
魂の結びつきの結果としての赤ちゃんなら
他のやり方があったはず。
ヒトミの中でユキを見ていた瞳に赤ちゃんができるのも??なんだけど。
そもそもが意識不明の瞳が時を超えてヒトミの中に入るのも??だし、
この子供がユキらしいと言うのも全くもって意図が理解できません。
運命の二人が生まれ変わって再び出会うのならまだ理解はできるけど。
致命的に説明が不足してる現状では、ナニコレ?としか言えないよ。
監督や原作者の脳だけが全てを理解してる作品を作られても困ります。
内容以外の表面的な作品の品質について。
監督自らやってる美術は終末的な世界観をよく表現できてると思う。
※クレジットを見てると監督自らあれもこれもやってたりする
しかし上に乗ってる
キャラ絵の色合いが大味すぎるので台無しです。
見てて最近のエロアニメの安っぽい色使いを思い出してしまったよ。
昔のセルアニメならこの程度でも適度に退色して何とかなってたけど
色味がストレートに出るデジタル彩色ならもっと丁寧に配色しないと。
これ見ると最近のテレビアニメは色使いが繊細なのがわかります。
大味な配色も含めてアニメの品質としてはあまり高くないかなと。
品質の極めつけは作品の中心にいるキャラたちの演技力でしょう。
特にヒロインのユキの
鼻の詰まったような喋り方が違う意味で凄い。
最近の大作アニメでは話題性のためにいわゆる豪華キャストという
有名だけど演技力は微妙な人たちを配役する傾向にあったりします。
これを見た後だとそんな豪華キャストが断然マシに感じられるぞ(爆)。
それぐらいに下手くそな人が数人。それもやたらと出まくりです。
誰じゃこれ?とか思ったらAKB48というアイドルユニットの人らしい。
そーか!この作品はAKB48のプロモーションアニメだったのか……
作品にもAKB48にも効果のあるタイアップとはどー見ても思えないけど。
(お世辞にも良くはない)主題歌だけにしておけば良かったような。
1巻のジャケ絵(通常版)は女同士でキスしてるみたいな絵柄です。
そこからもしかして百合アニメ?とか思う人もいるかもしれない。
女しかいない世界で好きとか言ってる内容なので間違いではないかな。
※ICEのアイスは「愛す」とかけてるんだと思われる
ただしそれを期待して見るには
とても忍耐を要求するとだけお断りを。
それでもいいと思うならレッツチャレンジ!(笑)