まめに録画する根性はない。DVDを買い続ける金もない。 だからレンタルビデオで行こう!

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さよなら絶望先生 1~6話

7月から一部の民放(7局)で深夜に放送してる新番組。
キッズでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は少年誌(マガジン)のマンガで読んだことありません。
※セルDVDのリリースは9/26から(レンタルは10/26から)
糸色望(いとしきのぞむ)と言う青年は比類なきネガティブ思考の持ち主で
実にどーでもいいことから最悪の展開を想像して「絶望した」と言い捨てる。
そして毎日の日課のように首を吊って死のうとするが実際は死ねない小心者。
超ネガティブ思考な彼は驚くべきことに学校の教師を生業としていて、
希望に満ちあふれるいたいけな少年少女たちの担任すらしてたのである。
彼が担任なんてまさしく絶望的、かと言えばそうでもなかったりする。
なんと彼の担任する「ニのへ組」にはモノゴトをポジティブにしか考えない
風浦可符香(ふうらかふか)を筆頭に好意的に表現すれば個性的な人ばかりで。
まるで類は友を呼ぶと言わんばかりの奇人変人オールスターだったのだから。
そんな彼らが袖擦りあえば日々の些細な出来事すらも抱腹絶倒の喜劇になる。

新房アニメ最新作です。
改めて語る必要もないと思うけど全編に渡り新房カラー炸裂です。
一見しただけで「新房アニメ」と認識できるのがある意味凄いです。
もはや一つの表現手法として認知されてしまったという感じもする。
てゆーか今や新房アニメ自体がパロディの対象になってるし。
※ハヤテの何話かで作品ではなく新房アニメ手法をパロってた
ここまで前衛的で異彩なのに人気という側面でも着実に結果を出してるし。
今現在テレビアニメをやってる監督の中では抜きん出た存在の一人すね。

一見しただけで「新房アニメ」と認識できるからワンパターンかと言うと、
そう言える部分もあるしそうとは言えない部分もあるという感じかなと。
意識的にある種のパターンを踏襲してる部分は間違いなくあります。
だけど作品ごとに全く違う手法を取り入れる部分も少なからずあります。
作品を積み重ねるごとにパターンを積み重ね発展させてる部分もあるし。
「ひだまり」の時は明るい原色系の配色と実写のパーツをコラージュする
手法を中心に据えて美術系学生っぽいアートな雰囲気を表現してた。
そして今回は平面的な絵と和風な模様と渋めの(だけど大胆な)配色で
大正時代の古き良き日本みたいな独特の雰囲気を作り出してます。
※主人公は着物を着てるけど舞台は現代です
よーするに公式サイトのあの雰囲気そのまんまが絵で動いてるわけで。
公式の絵を見たときにいったいどんなアニメに?とか考えてたけど
こちらの想像を軽く超越してくるあたりがさすがですね。

新房アニメの特徴と言えばパロてんこもりがその一つです。
新房さん以前にもパロを多用する人はいたし現在も珍しくないです。
今放送してる作品でも「もえたん」とかパロてんこもりだしね。
そのへんの作品と比べて新房アニメには大きな違いがあるのです。
それはパロディが作品のテイストの中に溶け込んでいるってこと。
パロ自体は見る人が見れば必ずパロだとわかるぐらい露骨です。
しかしそれを知らない人にとっては作品の一部分にしか見えない。
それぐらい違和感ないように作品のテイストに合わせてるわけです。
無茶をやってるように見えても決してある一線は外さないのです。
この絶妙なバランス感覚こそが新房アニメたらしめてるところかと。

この作品の原作は読んだことはありません。
が、作者の久米田さん自体はずいぶん前から知ってます。
その昔「行け南国アイスホッケー部」というタイトルにも関わらず
ちっともアイスホッケーをしないアレなギャグマンガを描いてたし。
「かってに改蔵」は蔵書リストによると3巻まで持ってるみたいだし。
(途中で続きを読むのを忘れたらしい)
なのでヒネたというかズレたというか暴投気味な作風なのは知ってました。
だからこそ映像の奇術師の新房さんと組み合わさると凄いだろうなと。
実際に見てみたらホントに凄かったですよ……
ぱにぽにだっしゅ再びって感じで。いや、テイストは全然違うけど。
表現や内容の突き抜けっぷりが彷彿とするって意味で。
もうホントに見ててとても楽しいっすね。ゲラゲラ笑い転げてます。

ちなみにハヤテの畑さんは久米田さんの元アシスタントだそうで
偶然にも今シーズンは師弟のアニメが同時に放送されてるのでした。
※DVDのリリース予定を見る限りは1クールっぽい

原作者のヒネた作風の代表例といえばキャラの名前でしょうか。
「いとしきのぞむ」という名前の響きだけなら何だか素敵です。
しかし漢字で横に書くと「絶望」になるという狙いまくりな字面。
それだけではなく字画も最低だとか言っては絶望してたりする。
(だったら「糸色☆望」にすれば字画もばっちりなんてアホな提案が)
木津千里(きつちり)はきっちりしてないと気がすまない性格とか。
小森霧(こもりきり)は引き篭もりだったりとか。
常月まとい(つねつきまとい)はディープラブなストーカーだとか。
小節あびる(こぶしあびる)は常に包帯をしててDV疑惑だったりとか。
日塔奈美(ひとうなみ)は特に特徴もないごくふつーの人だったりとか。
字面は普通の名前なのに音にした瞬間に特徴を文字化したのがわかります。

木村カエレという木村カエラのパチもんみたいな名前の帰国子女は
(たぶん)混血の日本人で日本でも留学先でも「帰れ」と苛められたとか。
関内マリア太郎は不法入国で他人の出席番号(と名前)を買ったとか。
※関内太郎が買った名前でマリアはおそらく本名
シャレでネーミングしてるけど中身は結構シビアな内容だったもする。
つまりこの作品はバカをやってるければ決してバカではないのです。

新房アニメというとOPの映像や曲に凄くインパクトがあるのも特徴です。
今回は最初OP映像が文字だけというネタかマジか判断に困る代物で……
他の人の作品なら「間に合わなかったんだね」と素直に解釈するけど
なにしろ新房作品ですからあえて狙ってくることも否定できないし。
それに文字しかなかったけどそのへんの作品よりはるかにデキいいし。
映画のクレジット風にキャストと配役を縦書きに入れてあるんだけど
ここが糸色望[役名]糸色望[俳優]~以下他の人も同様~になってたという。
ただの文字だけでも決して仕掛けを入れることは忘れない芸の細かさ。
さらに吉野家やら宇宙ヤバイやら某有名なコピペ文章まで使ってたり。
もうこれはこれでいいんじゃ?と思いつつ4話を見たら絵つきに変わってた。

4話からの正規版!?の映像はまた凄かった。
表現的にも凄いけど描かれてる内容がかなり凄いです。
だって縛ってるし。抱いてるし。精子が卵子に寄ってるし。受胎してるし。
まるで江戸時代の医学書のようなテイストでセックスを記号化してます(爆)。
現状の表現に対する制約の厳しさを嘲笑うかのような手法に唖然としたよ。
全く尾石さん(とOKを出した新房さん)たらお茶目さんなんだから(笑)。
ちなみに曲は「大槻ケンジと絶望少女達」でこれまた凄いインパクトが。
※絶望少女達=主要キャストの何人か
てゆーかN.H.KですらED曲だったのに、こっちは作品の顔のOPで使ってるし。
相変わらず見てる人の意表をつくためなら何でもやりますな。

各話の構成としてはいつものように1話読みきりっぽく構成されてます。
元々は1話ではなかったものを上手く1つの話にまとめてある感じです。
それを実感するのが2~5話のAパートとBパートの内容っすね。
2話はAパートは引きこもり少女の小森霧のエピソードで、
Bパートはストーカー少女の常月まといのエピソードという2部構成。
しかし通して見ると問題生徒への糸色先生の対応というエピソードに。
3話の木村カエレと関内マリア太郎も転入生という一つの括りになるし。
5話の身体測定~身の丈の話と温泉~デトックスの話も繋がってる。
(4話はどんな関係性があったか忘れた)
毎度のことだけど細切れの内容を一つの話に再構成するのが上手いっすね。
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CODE-E 1~6話

7月から一部の民放(3局)で深夜に放送してる新番組。
8月からAT-Xでも放送するので地上波で見れない人はそちらで。
※セル・レンタルDVDのリリースは10/24から
海老原千波美(えびはらちなみ)。一見するとごく普通の高校生の彼女には
感情が高まると強力な電磁波を発するという不思議な力が備わっていた。
と言っても力は自在に制御できないのでたびたび電気製品を壊していた
さらには彼女の力がバレる度に引っ越しを繰り返していたのである。
おかげですっかり電気製品が苦手と言うか恐怖対象にすらなったのである。

そんな彼女がこのたび吉祥寺のとある高校に転校をしてきた。
なるべく目立たなく平穏に過ごすために頑張ろう!という誓いとは裏腹に
登校時から感情を乱してトラブルを発生させては冷や汗をかいていた。
さらには彼女が近くを通っただけで機器が反応したことで科学部部長の
凪光太郎(かんなぎこうたろう)の興味を強く引いてしまったのである。
しかし科学以外のことにはボケボケな光太郎の千波美へのアプローチは
言葉の選び方から根本的に間違っていて大変な誤解と動揺を発生された
そして学校の設備は千波美の発生させた強力な電磁波で壊滅したのである。
転校初日から大変なことをしでかした千波美の明日はどっちだ?

まず見て思ったこと。オープニングがなんちゃってR.O.Dじゃね?
たぶん全国500万人が同じことを思ったね!(そんなに見てないから)
ちなみにR.O.Dとは監督が違います。(OPの)音楽の人も違います。
よーするにオマージュとかインスパイヤとかリスペクトなアレです。

それはさておき中身のこと。
最初、千波美が機器に近づくとビリビリする理由がよくわからなくて
逆によくわからないことがなんか不思議に思えて興味深かったね。
しかし電磁波を発するという仕掛けがわかるとその程度かという印象に。
きっちり作品世界を描写してるわりにずいぶん軽いストーリーだなと。
とは言っても当人してみたらちょっとシャレにならない状態だろうけど。
だって何十メートルも離れた場所の機器を壊してしまうほどの力だよ。
よほど力を抑えて生活しないと日常生活に大きな差し障りがあるような。
実際、千波美は電子機器に恐怖を抱くほどに日々支障が出てたわけで。
1話でわざわざ鍋でご飯を炊いてるのも電気釜を使えないからでしょう。
そして外出するときも周囲に十分気を配って歩かないといけないのでした。

でも実のところあのレベルだとアニメの描写では不十分だったりする。
テレビみたいなアナログ機器はデジタル機器より影響は大きいわけで。
マイコンの入ってない旧式なら大丈夫だと思うのは大間違いだよ。
※大地震の前の前兆現象の影響が最も出るのがテレビやラジオ
そして千波美は全く気にしてなかったけど車にだって影響があるはず。
昔の車なら大丈夫だろうけど今のは駆動系に電子機器が入ってるのでは?
そしてそこに影響を及ぼしたらまさに交通事故になりかねません。
ついでに言うと強い電磁波は動植物にも少なからず影響があります
そこまでやると物語が成り立たないので目をつぶれってことですか?

これだけ人間離れした強い力を持ってるということは、
それが周囲に知れれば当人には好ましくない状況に陥るわけで。
だからこそ海老原家は何度も引っ越しを繰り返してたのでした。
千波美は自分のせいだと薄々気づいてて申し訳ないと思ってたけど、
作家の父親が引っ越しは元々趣味だから問題ないみたいに慰めてたり。
大抵の親は子供のためなら多少の無理もしてしまうものだけど、
それでもこの両親は二人とも前向きで優しくていい親だなと思ったよ。

千波美にとって好ましくない状況というのは
公的私的な研究機関によって千波美の力を調べるような状況になること。
状況によって本人の意思がどの程度反映されるかは違ってはくるけど
興味本位に体をいじくられるモルモットとして扱われるのは違いがない。
※裸にしてどうこうとかいう意味ではない
そんな状況に自分の娘を陥らせたくないから引っ越しをしてたわけで。
にも関わらず光太郎の最初のアプローチはモルモット宣言ですから……
むしろ体目当ての変態呼ばわりの方がなんぼかマシな印象だと思うよ。

光太郎は科学のこと以外には頭が廻らない専門バカなタイプだけど
怒られれば直すという素直さもあるので基本的に悪いやつではない。
当人が力に困ってるというとコントロールする特訓をしようと言うし。
とは言えこんな光太郎を好きな園美は物好きと言うか何と言うか

ところで1話の最後と2話の冒頭の電気ビリビリシーン。
いわゆるポケモンショック対策で減光と強いブラー処理が入ってます。
おかげで何が起きてるのか分かりづらいし雰囲気もぶっ壊れてます
まだ見たことない人は放送版ではなくDVDで見たほうがいいかもね。