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11月からWOWOWで放送した全13話のテレビシリーズ。DVDレンタル。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(2巻までリリース済)
遠い未来。人が宇宙に飛び出してからも多くの時が流れた時代。
ユニオンとディーグという二つの勢力が宇宙を二分し覇を争っていた。
ユニオンに生まれたセーラの兄も何光年も離れた最前線に行ってしまった。
それはたとえ無事帰ってきても
自分はもう生きてないということなのだ。
だからセーラは兄に再び会うために戦士として同じ最前線を目指した。
セーラのストレインのリーズナーとしての訓練も終盤に近づいたある日。
※ストレイン=ロボットのようなもの/リーズナー=パイロット
前線から遠く離れている訓練基地の星が突如としてディーグの襲撃を受ける。
しかも敵のトゥモールと一緒に
紅く輝くストレインが攻撃してきたのだ。
※トゥモール=無人攻撃機
急襲によって指揮系統が混乱してる中でも何とか仲間と出撃したセーラだが
紅く輝くストレインの前に仲間共々一瞬にして撃退されてしまうのだった。
破壊されながらも何とか不時着したセーラは徒歩でストレインの行方を追う。
どーやら紅いストレインの目的は軍の古い研究所にある何かのようだった。
そしてついにセーラはリーズナーに追いついたのだが……
そこにいたのは記憶とはずいぶん違ってたけど
確かに兄の姿だった。
理由が知りたくてそばに置いてあったストレインで後を追うとするセーラ。
しかし兄は何も語らずなぎ払い、セーラのストレインは地上に墜落した。
セーラは命こそ助かったものの命の次に大事なミミックを破損してしまう。
※ミミックについては後述
セーラはこの戦闘で友達と目的と
リーズナーの資格を失ってしまった。
何もかもなくしたセーラだけど、ただ一つだけやりたいことが残ってた。
なぜあの兄が敵と共にいてあんな事をしたのかを知りたいということ。
だから兄に会う。一緒にいたいからではなく、理由を問いただしたいから。
その新しい目的を実現するために、名を変えて歩兵として再び歩き始めた。
スタジオ・ファンタジアとしては久々の新作テレビシリーズってことで
ひそかに期待をしてたんですがなるほどこーいう内容ですか。
※2003年のスト4と君望以来です
方向性としては売れ線というよりちょっとマニアックなSFって感じで。
もちろんスタジオ・ファンタジアらしく!?美少女モノってことで。
美少女SFと言うとスト4を思い出すけど2003年は他にも何本かあったっけ。
ステルヴィアとかダイバージェンス・イブとか。
物語の入りがストレインの訓練学校なので多少そのへんを彷彿とするかも。
そのへんと比べてこれは物語や見た目が多少スマートに感じるような。
そして準備段階を経ずに戦いに巻き込まれるので緊張感は断然有ります。
実は再出発した訓練学校の航行演習中に再び襲撃を受けたりします。
緊張感を緩めないストーリー構成が
ちょっとゼノサーガを思い出すね。
いきなり襲撃を受けるとこと亜空間航行中に敵と遭遇するとこも似てるし。
メカCGがスマートで光を帯びてるところも似てると言えば似てるかも。
ストーリー自体は全く似てませんが。
光を帯びたメカはゼーガペインとも似てるとはいえるかも。今の流行?
CGの質感が感じられなかったゼーガペインに比べるとマシに見えます。
それでもいつもの三次元のCGに比べると凄くイイって印象はないかな。
※三次元=スト4や「よみがえる空」のCGスタッフ
やっぱり現実を模倣するのと虚像を具現するのでは難易度が違うのかも。
それでもスパロボのテレビアニメとかと比較すれば断然マシですが。
この作品はジャンルとしてはいわゆる美少女アニメなんだけど
1話だけ見てると全くそんな感じがしなかったりして。
学校は男女が普通に存在してたし仲のいい友人も男女同数だったし。
しかし新たな道に進んだ2話からは画面の
女キャラ比率が大幅増量。
たぶんこの学校も男女比率は1話のとそう変わらないと思われます。
歩兵は集団で行動するから同性である女キャラが目立つってことなのかな。
そして女の集団で誰とも馴れ合わず行動してたので嫌がらせされてる(笑)。
でもセーラは周りの緊張感のない人たちとは目的意識が違いすぎるので
服をビリビリに引き裂かれても平気で着て歩いてたりして……漢だよ。
つまりセーラは見た目はカワイイ感じでも中身は凛々しい系ってこと。
ミミックについて。
ミミックというのは生まれる前のリーズナーの細胞から分裂培養した
いわばリーズナーの双子ともいうべき存在の脳を核にした生体部品。
リーズナーとミミックがシンクロしてストレインを手足のように動かす。
つまりストレインの高度な機動性はミミックが無くては成り立たない。
リーズナーにとって自らのミミックは取替えの効かないパートナーで
それを失うことはストレインのリーズナーの資格を失うことと同義である。
このへんの設定説明は作中ではかなりあっさりと流してくれるけど、
よくよく考えてみれば
とんでもないことをしてますな。
エヴァが搭乗者とシンクロする理由を思い出してしまったよ……
※エヴァって搭乗者の母親の魂が入ってたはず
実は最初はミミックの説明を耳の右から左へ流してたので
2話でなぜ歩兵部隊に入ってるのかわかりませんでした。
よーするに1話の最後で自分のミミックが死んでしまったからです。
そのへんのシステムを理解してから改めて1話を確認してみたら
セーラは自分のストレイが墜落したとき
ミミックを持って移動してた。
※お尻の後ろにミミック用の大きなポケットがあるみたい
だから他のストレインに乗って動かすことができたのだなと。
自分のミミックがいないセーラはもうストレインを動かせない。
そのはずだったんだけど、まるで奇跡のような出会いをするのです。
それは
倉庫に放置された人形に組み込まれたエミリィというミミック。
※公式サイトでセーラが抱いてる女の子(の人形)がそれ
最初は何もなくした自分と人形の境遇と重ねて心のより所にしてた。
そして敵の襲撃を受けて絶体絶命な時、彼女(人形)に呼ばれた気がした。
他人のミミックとシンクロするはずがない、シンクロしたら奇跡だから。
その奇跡が起きて技術主任が倉庫で勝手に作ったストレインは動き出す。
そんな感じで3話の最後に再びセーラはストレインに乗るのです。
このミミックにつけられたエミリィという名。
そして兄が奪っていった研究所に眠ってた人型の何かもエミリィだった。
この
二人のエミリィが物語の鍵なのは見るからに明らかでしょう。
そしてもしかするとミミックというシステムも物語の根幹に関わるかも。
とんでもない設定のわりにあっさり流してたのはそんな意図かもね。
仲間について。
1話は訓練学校なので同級生みたいのがいっぱいいます。
その中でもよく一緒になる仲のいい人が3人存在してました。
この人たちは
なんと1話の襲撃でお空の星になってしまった……
もうすぐ部隊に配属されて別れ別れになるかもとはいってたけどさ。
2話以降の訓練学校では人との壁を作って必死に前に進んでたので
仲間なんているはずもなく、それどころか嫌がらせまで受けていた。
でもそんなセーラに興味を持ってる人が空間機甲科にはいたのです。
※空間機甲科=ストレインのリーズナー養成
空間機甲科のロッティは他人を寄せ付けないセーラの強い目的意識に
自分と似たモノを感じて果敢にアプローチをするのでした。
セーラはこのロッティ(たち)と関わりが深くなっていくんじゃないかな。
おそらくこの後にセーラは空間機甲科に配置換えされると思うので。
(1話の訓練学校では最優秀な生徒だったから)
ロッティが
セーラの兄に並々ならぬ敵意も抱いてるという関係性もあるし。
※3話までだとまだセーラの兄とは知らない
もしかしてロッティは1話の襲撃で肉親でも亡くしたんだろうか?
次回予告によると4話でその理由が明かされそうです。
にしても2巻は凄く気になるところで終わってるし。
こんなことならもう1巻まとめて見れば良かったかも。
先も気になることだし
全部出たら一気に続きを見ようかな。
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2005年にリリースされた30分×全6巻(予定)のOVA。DVDレンタル。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(3巻までリリース済)
現代と酷似した時代。東京とおぼしき大都市を舞台にした物語。
太陽が沈み空は闇に包まれてもなお街には光があふれ人の活動が続いてた。
そんな街の上空の闇の中で飛び回り刃を重ねる二つの黒い影がいた。
そして二つの影の激しい戦いによって街は大きな被害を受けるのだった。
戦いから3年が経ち街は表面的には変わらない日々を続けてるように見えた。
しかし街の暗がりでは人知を超えた事件が数多く起きるようになっていた。
それらに共通するのは体内の血を抜き取られた死体と
妖怪を見たという証言。
対応に苦慮した警察は尋常でない事件に対処するための部署を新設する。
その実は対応してるとポーズを示すだけの閑職だったのだが。
そんなある日、まさに怪異が起きてる現場に新たな鴉が出現する。
※以上は内容をわかりやすく説明したもので、あらすじとは違います
まず一見してわかるのが映像の凄さ。
CGを使ったダイナミックなアクションシーンも凄いけど、
執拗に描きこんだ密度の高い空間描写やキャラ絵にも圧倒される。
現実を模倣してるのに色彩や文字によって不思議な印象をうけるし。
まるで夢を見てるのかと思えるほど幻想的なシーンが有ったりもする。
作り手の想像力をフル活用して凄く手間をかけて作ったんじゃないかな。
映像の作りこみ具合はOVAの中でもトップクラスと言って過言ではない。
少なくとも
映像に関しては一見の価値があると思うよ。
てゆーか相当に売れないと元が取れないのでは……
映像は素晴らしいんだけどストーリーはとっても分かり難い。
難しいのではなく脚本も映像もとにかく説明不足が甚だしいのです。
通して3話を見て
公式サイトで情報を補完してやっと理解したぐらいで。
時間が有るならもう一度本編を見返すぐらいした方がいいと思います。
1話だけ(or1話ずつ)見たらさっぱり理解できないだろうね……
3話まで見てやっと何となく物語の全体像が見えたかもレベルなんだよ。
脚本が説明不足なのも問題だけど
映像がわかりにくいのも大きな問題で。
例えば病院のシーンでは違う二人を描いてるのが凄くわかり難いよ。
どれが鷺坂さんの娘でどれが鴉の本体かは物語を理解してないとさっぱり。
ヒナルなんかも最初の事件とカッパ事件で同じ人だとわからんし。
(エンドクレジットで最初のほうに出てきて誰?とか思った)
街の守護者の鴉と機械化した妖怪の御座衆の視覚的な差もわかり難い。
元々鴉を参考に御座衆を作ったみたいだから似てて当然かもだけど。
でもそのへんの説明って作中では今のところなされてないわけで。
1巻冒頭の戦いも動きが速すぎてどちらがどちらか全く判別できなかった。
ってゆーか公式サイトを見ないと二人とも鴉だってことすらわからん。
物語の全体像が見えてくるとそんなに複雑でもないのです。
なのに
このわかりにくさは致命的なんじゃないかと。
あえて事実を誤認させて視聴者の意表をつくのもアリだとは思うけど
そのためには視聴者の頭の中に間違った結論を導く程度の理解が必要。
現状だと間違った絵どころか情報不足で絵を描くことができないよ。
状況や設定の説明なんてくどくならない程度にはやるべきだよ。
映像とか見せ方とか光るものを持ってるだけに勿体無いなと。
内容がとってもわかり難いので蛇足を承知で補足しておきます。
※本編と公式サイトの内容を頭の中で再構成したもの
この作品は一言でぶっちゃけてしまうと
妖怪同士の戦いです(笑)。
人はあくまで巻き込まれる被害者もしくは事件を追う観察者な存在。
そして妖怪と言うのは街の秩序を影で形作ってる存在でもあるらしい。
(カッパ事件の妖怪が消えたらトイレに水が流れなくなった)
その妖怪が正常ならその場は正常で、妖怪が変になると怪異が起きる。
妖怪をそそのかして怪異を起こしてるのが元は鴉だった廻向(えこう)。
廻向の力によって機械化した妖怪に変化したのが御座衆(みくらしゅう)。
御座衆になった妖怪は人の血がないと生きていけないらしい。
それに対するのが街の意思を代行する「ゆりね」と契約した守護者の鴉。
※「ゆりね」も「鴉」もそれぞれの街に一人ずついるらしい
(瀕死の?)人の魂がゆりねと契約することで本来の名を捨てた鴉になる。
その守護者の
鴉が街の闇に潜む御座衆を狩るというのが主なストーリー。
1話の最初の方から出てくる眼鏡をかけたお兄さんは鵺という名前で、
妖怪を捨て人(御座衆)になったが何故か廻向とは袂を別ったらしい。
そして鴉とは無関係に御座衆に対して銃で攻撃したりしてる。
この鵺の存在も物語をわかり難くしてる要因の一つだったりして。
そんなよい妖怪と悪い妖怪の妖怪大決戦みたいな内容を
リアルな空間描写と変身ヒーロー風のバトルアクションでやってます。
変身ヒーロー風と言ってもいわゆるアニメのそれではなくて、
まるで特撮の変身ヒーローを見てるような映像になってるのです。
それも低予算のチープな特撮ではなくハリウッド級に気合の入った。
監督は特撮が大好きで
凄くカッコイイ特撮が作りたかったのでしょう。
その目論見は十二分に実現できてると思いました。
ところで4巻以降はどーなってるんでしょう?
3巻が出てから1年以上経ってるのに
続巻の情報が全くないよ。
3巻の最後なんて凄く気になるところで終わってるのに。
このまま製作中止なんて展開だったらいやん。
10月からWOWOWで放送した全24話のテレビシリーズ。DVDレンタル。
原作はライトノベル(電撃文庫)で読んだことはありません。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(2巻までリリース済)
現実に近い世界。ビアトリスと呼ばれる魔法のような力が存在する世界。
このビアトリスとは人の意思に応えてあらゆることを可能にする力。
そして能力の多少はあれど誰しも使うことができる(らしい)力である。
主人公の吉村護は幼い頃にビアトリスによって命を助けられた経験から
ビアトリスのことをもっとよく知りたくて東ビ大附属に転校してきた。
※東ビ大附属=東京ビアトリス総合大学付属高等学校
そして転入したその日に桜の下に一人たたずんでた女の子を目にする。
声をかけたのが気に障ったのか怖い顔で迫ってきたその女の子は、
いきなり護の胸倉をつかみ「
あなた、私と付き合いなさい」と言った。
これが無敵のビアトリス使い「魔女ベアトリーチェ」の異名を轟かせる
鷹栖絢子(たかすあやこ)と護の出会い(と絢子の告白)の瞬間であった。
タイトルから勝手に絢子のことを女神なんだと思い込んでました。
てっきり女神の無制限の愛を護くんに与えるストーリーなのかと。
ってそれだと「ああっ女神さまっ」ですな……
そんなわけで最初の感想は、なんだ(絢子は)普通の人間なのかでした。
いやまぁ、絢子は
全然普通なんかじゃないけどさ(笑)。
ジャンプしながらビルを上ってるし、人工衛星を撃ち落してるし。
こんな例を挙げると全然知らない人には何それ?って感じでしょうが。
絢子は特に規格外ではあるけど、よーするにそーいう作品なんですコレ。
超ツンデレ(メガデレだそうで)がウリだけど現実的なラブコメではない。
ちなみにこれ多少顔ぶれが違うけどCanvas2のスタッフが作ってます。
※キャラデザインはD.C.S.S.の人
なので護と絢子のラブシーンの表情のつけかたはさすがに上手いっすね。
でも表現スタイルやテイストがスラップスティック寄りのこの作品だと
キャラの表情描写の上手さはあまり効果的には感じなかったり。
ラブシーンも見てるほうが恥ずかしくなるほどのデレデレ一直線だし。
(メリハリがあって初めて表情の上手さは生きてくる)
それだけだと見てるほうがウンザリするから適度に茶々が入ってるし。
ままごとみたいな二人の関係を周囲の人がやたらと煽ってたりするし。
生徒会が絡んだシーンでは表現的にもかなり好き放題やっちゃってるし。
ラブコメと言うより、
ラブをネタにしたギャグ作品って感じがするよ。
見てて変態アニメ「いぬかみっ!」を思い出しました……
うる星の暴走スラップスティックな回を彷彿するって意味で。
二人の出会いのシーンについて。
最初に声をかけるのは護だけど、いきなり告白するのは絢子の方。
てっきり怒るんだと思ってたので、いきなりの告白には唖然とした。
一目見て告白とは凄いストーリー展開だなと違う意味で感心しました(爆)。
ラブストーリーとしての説得力はいったいどのへんに有るのでしょう?
確かに一目惚れはあるし勢いで告白する人も絶対いないとは言えないけど。
それ以降もラブストーリーとしてのステップはかなり記号的なのです。
そーいう意味でもラブはネタに過ぎないギャグ作品って感じがする。
これと比べて「涼宮ハルヒの憂鬱」は遥かにラブストーリーになってるよ。
ハルヒとキョンの表情や距離感の変化が時系列でしっかり表現されてたし。
ラブストーリーとしては凄い変化球なアプローチの作品だったけど。
1月からBSフジ(のみ)で日曜日の夕方に放送してる新番組。
4月からアニマックスでも放送してます。
原作は古典文学(レ・ミゼラブル~ああ無情)で読んだことはありません。
※セル・レンタルDVDのリリースは5/25から
今より少し昔。多くの人々が貧しかった時代(と思われる)。
母と一緒に旅をしてるコゼットという名の少女がいた。
母ファンテーヌはパリで針子の仕事をしていたがその仕事がなくなり、
地方にくれば仕事があるかもと二人であてのない旅をしていたのだった。
しかし容易に職はみつからず、せっかくの仕事も子連れだと断られた。
そんなおり、ここより少し離れた街で人を多く募集してる話を耳にする。
そこなら仕事に就けるかもしれない、でも子連れでは雇って貰えないかも。
子供の足ではとても遠い道のりだし。子供を預けでもしないと無理だよ。
ここに子供を預けていきなよ、
食費さえ貰えばちゃんと面倒を見るから。
(一見)親切にそう囁いた夫婦にコゼットを託し街へと向かうファンテーヌ。
お金を稼ぎ一日も早く一緒に暮らす、ファンテーヌとコゼットの願いは
この親切顔の夫婦の強欲によって永遠に叶うことはなかったのだけど……
レ・ミゼラブルと言えば超有名な名著ですが……読んだことがありません(汗)。
でもマンガか児童文学か何かで
少しだけかじったことが有るようです。
ジャン・ヴァルジャンとミリエル司教のエピソードには覚えがあるし。
老人の濡れ衣を晴らすために名乗り出る(んだっけ?)な展開も微かに記憶が
少しかじった程度な上に記憶もかなり曖昧なのでほぼ初見に近いですが。
そんな状況で見たこの作品の印象は、まるで絵に描いたような不幸というか。
厳しい状況に置かれても希望を持って前向きに頑張るみたいなお約束なので。
昔のドラマチックな作品ではわりと見たけど、今ではまず作らない作品だね。
貧乏で苦労するのは社会全体が貧しかった時代背景だから不可抗力として。
弱みにつけこむ人のせいでより不幸に追い込まれるのはわざとらし過ぎるし。
かと思えば過去に行ったことへの贖罪で善行を行う人が出てくるわけで。
あからさまな悪い人と良い人を色付けするのはキャラ造作としてどーかなと。
単純明快に善悪で振り分けられる人は現実にはそういないと思うんですが。
一見すると悪い人でも視点を変えるとその人なりの事情が有るとかね。
そんな微妙な描写だと子供に見せる作品としては難しいってことなのかなと。
名作劇場といったら親子で見る作品という位置付けです。
積極的に録画したり視聴環境を整備したりするマニア相手じゃないです。
そんなコトいちいち書くまでもなく大半の人は判りきってるでしょうが。
しかしこの番組の編成をした人たちは、それを理解してるんでしょうか?
BSデジタルなんて意識的に受信環境を用意しないと見れないんですが。
アニマックスはCATVでも見れる人多いけどそれでも地上波の比ではないし。
(CATVだとBSデジタルも再送信してることが多い)
明らかに放送形態と番組内容が乖離してると思うぞ。
夕方は視聴率の問題で無理だと言うなら、せめて
(地上波の)土日の朝やれよ。
絵柄について。
従来の名作劇場とはかなり絵柄を変えたと言われてます。
確かにコゼットの顔なんか今の絵になってて変わったのを実感できます。
でも見てて
そんなに違和感は感じないよ。ストーリーがいかにもだから(笑)。
このストーリーこそが名作劇場なんだなとみょーな感慨が。
10月から一部の民放(7局)で放送した全13話のテレビシリーズ。
原作は女性向携帯用恋愛SLGゲームでやってたことはありません。
※レンタルDVDはセルDVDより2ヶ月遅れでリリース(1巻はリリース済)
ユウタは日本から遠く離れた小島にある聖アルフォンソ学院に留学した。
外界と遮断した環境に豪華な設備の備わった全寮制のこの男子校には
それぞれ何らかの事情がある(らしい)セレブの子弟たちが集っていた。
そこでユウタは何人かの
美貌の王子たちと出会い交流を深めていく。
※王子さまというのは身分ではなく作中でそう呼んでるだけ
まず第一印象が恋愛シミュレーションゲームの画面を見てるような、でした。
と言っても恋愛SLGっぽい設定とかキャラ描写とかそーいう意味ではなく。
もちろん設定もキャラ描写もいかにもコテコテのそれなんですが。
そーではなくこの作品の映像の見せ方が
ゲーム画面を見てるようだなと。
つまり世界としての奥行きを感じない平板な絵にしか見えないってこと。
毎回冒頭のテレビ電話での会話で視聴者と登場人物を繋いでるみたいだし。
※ユウタは(設定によると)視聴者の弟なんだそうで
あえてゲームっぽく作ってて、その効果が十分に発揮されてるのでしょう。
面白いと感じるかはともかく……
全寮制の男子校でしかもエリート生徒って設定はまたですかって感じ。
もちっと違った設定にして他との差別化を考えて欲しいんですが。
(BLマンガは結構いろんなタイプの作品があるんだけど)
構成としては1話がほぼキャラと舞台紹介に徹して内容がない良くあるタイプ。
2話以降もそれぞれキャラをクローズアップする当番回方式という定番の構成。
設定から構成から一から十まで定石通りで体裁的には語るとこはないかな。
肝心の内容に関しては……これがちょっと。
1つ目の宝石が消えるエピソードがあまりに稚拙でがっくり来る。
あんな高い場所についてる宝石を取るには
踏み台がないと不可能なのに、
来たばかりのユウタがその場所を知ってるはずがないとなぜ考えない?
そもそもあの絵の前を通った時はジョシュアが案内してたじゃないか。
(無くなったのはユウタが通ったすぐ後とか言ってるよ)
エリートの学校なのに皆して人並みの洞察力に欠けてるのはどーかと。
なんだか小学生が証拠もないのに犯人を決め付けてる絵面を彷彿とするよ。
よーするに優美な外見だけど小学生並みの知性と品性なのかと……
2つ目以降のキャラのお当番エピソードは1つ目ほどは酷くないけど、
なんかどれもこれも日常からかけ離れすぎてて実感に乏しいのです。
現実逃避した夢物語だってどこか通ずるものがなきゃ響いてこないよ。
それと日常から離れた話ばかりでは学園に人が集ってる意味がわからない。
現状では1話読みきりのオムニバス形式の作品でも大差ないわけで。
毎回終盤が
キャラのイメージソングみたいな展開になってるのも含めて
キャラを愛でる作品という形容に尽きるかな。絵はキレイだし。
(歌ってるとこでD.C.の声優PVを思い出しました)