まめに録画する根性はない。DVDを買い続ける金もない。 だからレンタルビデオで行こう!

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ひだまりスケッチ 1~4話

1月からTBS系(3局)で木曜日の深夜に放送中の新番組。
BS-iでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は4コマ誌(きららキャラット)のマンガで雑誌で読んでます。
※セル・レンタルDVDのリリースは3/28から
美術系の高校に進学したゆのは「ひだまり荘」で一人暮らしを始める。
そこで同級生の宮子や先輩の紗江、ヒロと出会い仲良くなるのでした。
そんなゆのたち四人のまったりとした日々のアレコレを描いた作品です。

きららは今買ってる数少ない(と言っても月3回出る)マンガ雑誌だったりして。
1誌しかない初期からずっと読んでただけにアニメ化は感慨深いものがあるよ。
でもなんできらら本誌じゃなくてキャラットの「ひだまり」が?とも思った。
※人気はきらら全誌でもトップクラスでしょうが
この作品の醸しだすまったり感が他との差別化に有効だと思ったのかなと。
作者が女性なので多少の誇張はあるけどキャラが等身大なのも売りかも。
ちなみに女キャラだけでわいわいやってるのは雑誌(きらら)全体のカラーで
この作品に限ったことじゃないです。作品によっては男キャラもいるけど。

てなわけで肝心の作品について。
ああやっぱり新房さん、って感じの作品(おいおいおい)。
4コマは舞台背景が希薄でアニメにする時の表現の制約が少ないので
それを生かして多彩な表現スタイルを使いまくった映像になってます。
回によっても表現スタイルが違うので表現技法の博覧会のようだ(笑)
特に2話の表現スタイルなんか突き抜けててもはや芸術の粋に達してる。
この回のコンテ演出の尾石さんってぱにぽにとネギま!?のOPの人っすね。
その2話と1話がかなり演出が濃い目で3話4話はわりと薄めになってます。
ネギま!?と2本立てでスタッフが足りないのか意図してるのかは不明。
3話以降のほうがまったりなこの作品としては丁度いい気もするけど。
それに3話以降でもアニメの平均からすれば十分に演出は濃い目です。
(3話にはどっかで見たようなコスプレが……)

新房作品と言うと赤と黒とかの極端な色使いが特徴的だけど
この作品は濃い目の配色は使わないで白っぽい画面が多かったり。
そこに鮮やかな赤青黄色緑と言った原色を散りばめて使ってる。
原作コミックは美術系学校なわりに美術っぽいシーンが少ないけど、
アニメでは色の組み合わせからくる雰囲気そのものが美術系っぽいです。
特にひだまり荘のドアの色はキレイに塗り分けられてて印象的だった。
原作もそーだった気もするけどドアが出ることが滅多にないので。

ぱにぽにでもやってた実写の物体をアニメに埋め込む手法も多用してる。
これって決して手抜きじゃないし、むしろ描くより面倒だと思われます。
それでもあえてやるのはテイストの違いによる違和感を利用したいから。
実写の物体は下地の絵から浮いてるからこそ強く印象に残るのです。
(意図的に)雰囲気を壊すからシリアス作品では使えない手法だけど。
テイストの異なる素材のパッチワークな感じも実に美術系っぽいなと。

あと特徴的なのはシリーズ構成かな。
1回の放送で細切れのエピソードを3本立てとかにはしないで、
エピソードを組み合わせて1日の出来事みたいな体裁にしてある。
ぱにぽにの時も思ったけどネタの再構成がなかなか上手いっすね。
さらにこの作品の放送順は時間軸にそってなかったり。
※おそらく1月1話で12話で1年分やるんだと思う
と言っても毎回完結してるので混乱することはそうそうないけど。
床下の乾燥剤と雨漏りの話とか逆だからこそ楽しめる部分もあるし。
あいかわらず見る人を楽しませようとアレコレやってくるなと。

音楽について。
まったりした雰囲気を醸しだす画面に変な調子の音楽がついてます。
まったりのんびりというより、まさしく変!って感じの音楽っすね。
わかり易い例をあげると「苺ましまろ」の音楽のテイストに近いかも。
ちなみに音楽は菊谷知樹さんで「となグラ!」をやってた人です。

この作品の主題歌・サントラの全てがランティスなのも少し驚いた。
だってアニプレックスはソニーミュージックの関連会社だから。
いつも音源は自前でやってるし。作品と合わないタイアップも多数(爆)。
「かみちゅ!」の主題歌がブロッコリーだったのが例外だったかな。
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京四郎と永遠の空 1~6話

1月から一部の民放(5局)で深夜に放送中の新番組。
AT-Xでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は角川系(ドラゴンエイジ)のマンガで読んだことはありません。
※セルDVDのリリースは4/25から(レンタルは4/27から)
この作品には絶対天使という戦うための人型の兵器が出てきます。
パートナーからマナを分けてもらってそれを力に変えて戦うのです。
(マナは一種の生体エネルギーなので与えたほうは消耗する)
マナの補給はパートナーとの口移しで、よーするに濃厚なキスなわけで。
そして絶対天使は自分が傷ついたとしてもパートナーを守ろうとする。
この二人の関係は傍から見たら素敵な恋人のようにしか見えないのです。
恋に憧れ王子様とお姫様を夢見てた空(くう)にとって理想の関係だったのです。
でも二人は恋人ではなく。人ではない絶対天使は恋人にはなれない
そんな京四郎とせつなの関係は見てて切ない、と空は思うのでした。
空にとってそれは決して他人事では無かったのだけど……

なんか、ずいぶん昔の少女マンガのようなノリで始まったよ……
空っぽの私とか王子様とか機動風紀とかシャレなのかそれともマジなのか
ちょっと理解に苦しむような設定やシチュエーションが続々登場するし。
絶対天使の力が発現すると鋼鉄の手足だったりとビジュアル的に微妙だし。
(サイキックみたいな方が見た目が良かったような)
絶対天使とパートナーの関係のように興味深い設定を持っていながら
大半の視聴者は置いてきぼりと言うか視聴者を選びまくりな感じです。
「神無月の巫女」を知ってるからこれが芸風なんだと理解はしてるけどね。

芸風といえばこの作品の舞台設定のリアリティの無さもそうかも。
一見すると現実っぽい風景で始まるのに、そこは世界の大崩壊から
復興した限られた人の生活する巨大な学園都市とか言ってるし。
(世界の大崩壊の絵面がまんまセカンドインパクトです)
「神無月の巫女」も山奥にある学園のくせになぜか都会的だったし。
夢見がちな恋する乙女モードの空の行動も現実的な舞台なら似合うけど
こんな舞台設定ではシャレでやってるようにしか見えなかったりするし。
全く興味のわかないストーリーなら躊躇なく切れたのにと思ってしまう。

もう一つ見てて気づいたのは、どっかで見たキャラが続々と出てくるとこ。
「たるろって」って見た目も喋りも声もまんま「たると」なんだけど
※「魔法少女猫たると」の主人公
「かおん」は千歌音だし、ワルテイシアはワルキューレっぽいし。
絶対天使は鋼鉄天使をさらに進化させたものとか言ってるし。
※「鋼鉄天使くるみ」という作品がありました
毎週手紙を書いてるのは「鍵姫物語 永久アリス輪舞曲」を思い出すし。
過去の作品のキャラを登場された集大成的な作品ってことなのかも。
このへんもシャレでやってるように見えてしまうところすね。

絶対天使についても気になることが。
絶対天使は人に似た人でないモノで、どーやら自我があるっぽい。
それ自体は実現性とかは置いといて設定としてはよく使われるっすね。
しかし、戦うための道具をわざわざ人に似せる必要は無いような。
100歩譲って開発した人の趣味だとしても、自我はもっといらんだろう。
そもそも戦う道具に自我は必要ないし(当人に)残酷ですら有るんだけど。
(愛玩タイプなら必要性は理解できるんだけど)
現実でも米軍とかでは兵士に考えずに反応するように訓練してるわけで。
意図して自我を持たせたなら、そいつは相当な悪趣味だと言えるよ。
まぁ、この設定を否定すると作品そのものが成り立たないんだけどな(爆)。
物語の仕掛けとしてなかなか使えるのも事実だし。

ちなみに空の正体についてもかなり序盤に気づいたよ。
わざわざ京四郎とせつなの関係を見せてるから恐らくそーだろうなと。
いつ本人がそれを知るのかなと思ってたら、えらく引っ張ってくれました。
なんと5話の最後になってやっと空が自分の正体を知るのです。
だから何じゃコレ?と思っても5話までは頑張って見た方がよろしいかと。

音楽について。
この作品のスタッフはほとんど神無月の巫女と同じです。
音楽も同じ窪田ミナさんで、クラシック基調の楽曲って感じです。
そして今回はちゃんとサントラが単品でリリースされるようです。
いや、カレイドスターも神無月の巫女もDVDに付属してたからね……
※窪田ミナさんが音楽をやってる他の作品

北斗の拳 1巻

1985年頃に放送された全152話のテレビシリーズ。DVDレンタル。
※110話以降は「北斗の拳2」になっている
原作は少年誌(シャンプ)のマンガで読んだこと有ったかも知れない。
今よりも未来……って199X年はもはや過去ですが(笑)。
核戦争によって世界は破滅して数少ない人だけが生き残った世界。
世界は荒廃し秩序は破壊され暴力が支配する、まさに世紀末な時代
そんな世界での北斗神拳の継承者であるケンシロウの戦いを描いたもの。

超有名な作品なので改めて書くまでもないと思うけど簡単に解説を。
まず全152話と言っても一本筋の通った長い物語ではないです。
これはいわゆるジャンプマンガに特徴的な延々引き伸ばし仕様というか、
なし崩し的に連載を延長し物語を継ぎ足した結果的に章立てな構造です。
序盤は北斗のケンシロウと南斗のシンとユリアと言う単純な図式で。
それ以外のキャラは基本的に中ボスも含めてやられキャラなわけで。
悪役の激しくバカっぽいキャラ描写と「おまえはもう死んでいる」とか
「ひでぶ」とかの喜劇的・誇張的な表現で視聴者にウケていたような感じ。

シン編に続くラオウ編では北斗神拳・南斗聖拳の面々が続々と登場して、
ケンシロウが悪者を倒すという単純な構図ではないストーリー展開に。
思い入れのできるキャラが増えてキャラの魅力でも引きつける感じに。
序盤はそうでもなかったけどラオウ編は熱心に見てた覚えがあります。
と言っても大昔なんでハッキリ記憶が残ってるわけではないけど。

アニメはラオウ編の後も少しだけ続いてる(110話~)し、
原作に至ってはさらにだらだら何々編と続いてたりするんですが……
ワタクシ的にはラオウ編のラストで気分的に終わりました(爆)。
そもそも次から次へと設定を継ぎ足してるので辻褄合わないしな。
(ラオウ編も序盤の内容に設定を継ぎ足したものだけど)

そんな感じでまだ面白さが本調子ではない最初の数話を改めて見た感想。
ものすっごく古い(爆)。20年も前の作品だから当然ではあるんだけど。
絵の古さや色合いの昔っぽさよりも、表現スタイルの古さが目にしみる
ケンシロウに金魚のフンな少年の行動とか動きなんか懐かし過ぎですよ。
バカバカしく誇張した悪役キャラはこれが元祖なんで古さは感じないけど。
少ない枚数でそれっぽく見せる技法はむしろ今より上手いかもしれんね。
(動くとまともだけど動かせないとボロボロなのが今のアニメ)
体が破裂するとこは表現を工夫してショッキングに見えないようにしてるし。
おかげでゴールデンタイムに放送できたんだけど。
でも今ではこの程度の表現でも無理なんじゃないかな……
(蒼天の拳では破裂する絵が画面にほとんど出ない)

当時は熱狂的にウケていたし、(序盤も)今でもまぁまぁ面白いけど、
イマドキの作品群と比較して面白さが勝ってるかと言われると微妙。
あくまでも昔の名作だなと。

蒼天の拳 1~8話

10月からテレビ朝日系(2局)で水曜日の深夜に放送中の新番組。
原作は青年誌(バンチ)のマンガで1巻だけ読んだことがあります。
※セルDVDは3巻までリリース済み(レンタルは半月~1月半遅れ)
北斗神拳の出てくる北斗の拳の過去(1930年頃)の話という設定らしい。
けどキャラ設定に繋がりがある以外はほぼ別世界の話です。
よーするに北斗神拳とケンシロウが出てくるパラレル世界の物語
この世界の拳志郎の弟がリュウケンってことになってます。

列強が中国を蹂躙していた第2時大戦より少し前の時代の上海で
青幇と紅華会というヤクザが裏社会の覇権を巡り対立をしていた。
青幇の客人をしていた霞拳志郎は朋友のため一人で紅華会を壊滅させ、
累が及ばないように上海を離れ日本で教師として暮らしていた。
そんな拳志郎のもとに上海から懐かしい顔の老人が訪れる。
再開を喜ぶ拳志郎に老人は信じられない事実を語るのだった。
壊滅したはずの紅華会に上海は支配され青幇の仲間はみんな死んだと。
青幇の総帥で拳志郎の朋友だった潘光琳も恋人だった玉玲も死んだと。
(実際は死んでなかったりするんだけど……)
話を聞いた拳志郎は亡き朋友のため、上海の大掃除を決意するのだった。

とりあえず第一印象。めっちゃクサい。鼻つまみたくなるほど(爆)。
悪役のキャラがバカっぽいあたりはジャンプマンガを彷彿とするけど、
やたらと朋友を強調するとか人情色が強くて涙もろいのでオヤジくさい。
毎回のように回想シーンがあるのも過去ばかり振り返る年寄りみたいです。
つまりジャンプマンガから賢くならずバカなまま歳取ったって感じだね。
拳志郎は北斗の拳のケンシロウよりは多少は落ち着いて見えるかな。
山寺宏一さんのトーンを押さえて凄みを出す喋りが上手くハマってるよ。
(神谷明さんは声がかなり年老いてるので今となっては厳しいと思う)

最初の4話は舞台が東京で5話から上海に移ります。
つまり4話までは作品の舞台説明のプロローグと言えなくもない。
この4話分は人情色がやたら濃くて回想シーンが多いのでウンザリ気味で。
でも上海に移ると悪者を懲らしめる色彩が強くなって見やすくなります。
劇画を忠実に再現したクドい見た目や変な動きにも見慣れてくるし(爆)。
なるべく5話以降を見てから作品を見るかどうか判断したほうがいいよ。
4話までの内容をもっと圧縮すべきだったんじゃないかとは思うけど。

北斗の拳が好きなら見てみたら?って感じの作品かな。