まめに録画する根性はない。DVDを買い続ける金もない。 だからレンタルビデオで行こう!

蟲師

蟲師 8~14話

※DVDレンタルは3巻8話までリリース済
原作ほぼそのまんまの内容なのでついつい後回しにしてました。
(原作の大ファンでエピソードを全部覚えてるもんで)
でもせっかく素晴らしく映像化してくれたんだから見ないと。
地上波放送(フジテレビ)はまた途中で終わっちゃったけど……
全部読みきりなので待たされても痛くないのだけが救いだね。

せっかくだから比較のために原作を全部倉庫から持ってきたよ。
そして確認してみたけど、やっぱりほぼそのまんまっすね。
詳細に比較すれば違う部分もあるけど筋はほとんどそのまんま。
サブタイトルは全く同じだし、セリフもほとんどそのまんま。
画面のレイアウトすら原作の構図を反映してる部分が結構ある。

原作に忠実といっても媒体が違うので違う部分もあるわけで。
特に背景に関してはマンガだと精密に描写するタイプの人以外は
映像化する時にかなり表現の補完が入ることになるのです。
この作品に関しても原作のカラーページの純朴で水彩画っぽい絵と
白黒ページの大胆だけど柔らかい墨絵っぽい絵をモチーフにしつつ
アニメならではの繊細かつ精密な物語空間を構築してるのでした。
原作そのままではない。だけど原作の持つイメージを増幅したような。
そんな感じの世界を目にするのは原作ファンしては感慨深いものが。

原作にないモノとしてもう一つの音。
アニメは雰囲気を作るために音楽を多用する傾向にあるし、
実写より速いテンポを形成するために音楽で畳みかけるけど、
この作品はそのどちらの手法も使ってなかったり。
というかアニメとしては異例なほどにBGMを使ってないのです。
描きこまれた背景と空間に満ちた環境音で奥行きを表現してるし。
少しだけ使われるBGMもいわゆるメロディで聞かせるタイプではなく、
生音っぽい楽器の音を聞かせる、さながら蟲の奏でる音って感じで。

BGMが少ないのを逆手にとったというわけでもないけど
この作品は1話ごとにモチーフになるメロディが有ったりします。
エンディングの曲が毎回違うのは気づいてる人も多いでしょう?
よーするにその曲がエピソードのために用意された曲なわけです。
本編からそのままエンディングに流れるように使ってるその曲。
よく調べてみたら必ずエピソード中でも使ってるのがわかるはず。
と言うかメロディらしきメロディがあるのってその1曲ぐらいだし。
それは音楽を極限に減らすことで自然が奏でる音を印象づけながら、
エピソードに込められた想いをメロディで表現してるような。
だからこそ物語の佳境で胸の奥からこみ上げてくるのかもしれない。

アニメでいきなりこの作品を知ってビックリしてる人も多いけど
この作品は原作のストーリーや世界設定の完成度がとても高いので、
まともに映像化できさえすれば傑作になることは確実だったのです。
「まともに映像化する」ことがとても大変な作品でもあったけど。
だからこそ素晴らしい映像化をしてくれたスタッフに大感謝を捧げたい。

せっかく原作を持って来たので原作との対応表を。
※サブタイトルは原作と全く同じ(内容もほとんどそのまま)

1話「緑の座」原作1巻から
2話「瞼の光」原作1巻から
3話「柔らかい角」原作1巻から
4話「枕小路」原作1巻から
5話「旅をする沼」原作1巻から
6話「露を吸う群」原作2巻から
7話「雨がくる虹がたつ」原作2巻から
8話「海境より」原作3巻から
9話「重い実」原作3巻から
10話「硯に棲む白」原作3巻から
11話「やまねむる」原作2巻から
12話「眇の魚」原作3巻から
13話「一夜橋」原作4巻から
14話「籠のなか」原作4巻から

1話づつコメントを書こうとしたら収拾がつかなくなった(汗)ので無しに。
もしかしたら改めて何か書くかもしれないけど。

続きはそのうち(放送はもう終わりました)。
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蟲師 1~7話

10月からフジテレビ系(6局)で土曜日の深夜に放送してる新番組。
原作は青年誌(アフタヌーン)のマンガで全巻持ってます。
紹介文はコミックス用に書いたのがこのへんに(手抜き)。

原作ファンとしては期待と不安の入り混じる今回のアニメ化でしたが
実際に動いてるのを見てあまりに忠実な映像化に感動すら覚えたよ。
雰囲気やノリが原作のイメージ通りとかそーいうレベルではなく
見た目からストーリーからサブタイトルまでほぼそのまんまです。
実際に原作と詳細につきあわせれば微妙に違いは有るだろうけど
ざっと見た感じほとんど原作そのまんま。エピソードの順さえも。
(飛ばされたエピソードもありますが)

原作そのままって簡単に言ってるけど、原作の絵を見たことがあるなら
それを忠実に再現してるだけでどれだけ凄いかわかるんじゃないかと。
正直なところこのビジュアルが表現できるかが最大の心配だったわけで。
見た目がイメージ通りだった時点で大きなハードルはクリアできた感じ。
原作の若干荒いけど優しいタッチを繊細な線でクリーンナップしてあるし。
原作より空間の繊細な色彩が強調されてて雰囲気が増してるとすら思える。
キャラも内面の魅力(優しさなど)で見た目よりよく見えてた原作に比べて
内面とバランスが取れるぐらい見た目もキレイに整った感じになってる。
特に女性キャラなんか萌えアニメ並にキレイな絵になってるよ(笑)。
(輪郭は原作の純朴な絵とほとんど変わらないんだけど)

内容に関しては……
原作を何度も読みかえしてるので新たに気づいたことなんかないよ。
と言うわけでその昔コミックスを読んだ時に思ったことを。
それはこの作品ってみょーに女性キャラの存在感があるってこと。
青年誌のマンガの女性キャラは対象としての理想過多なキャラか
現実的でパッとしないキャラかの両極端な作品が多いんだけど
この作品は現実的だけど少し理想が入った魅力的な描き方をしてる。
そのせいで純朴な絵柄のわりにみょーにかわいく感じたりもする。
アニメでは見た目がキレイになってるのでさらにカワイイ感じに。
ちなみに最初字面で作者が男性だと(とものりだと)勝手に思いこんでた。
男性にしてはずいぶん女性を描くの上手い人だと思ったよ(汗)。
※原作者は(おそらく)女性です。脚本陣も全員女性なのかな

内容といえば、この作品は直接的に泣き系ってエピソードはないけど
それぞれのクライマックスのあたりで静かにこみ上げてくるモノがある。
例えば1話の「緑の座」だと廉子が復活した杯で光酒を飲んだあたり。
悲しいわけではなく、嬉しいわけでもなく、ただ感情が溢れてくる
そんな時に場合によると涙がぼろぼろと落ちてくるのだった(汗)。
まさに映像と物語が織り成す情動によって魂が揺さぶられる感じというか。
この作品が多くの人を引きつけてる理由もまさにそこではないかと。