WOLF'S RAIN
これでラストです。
花の娘(チェザ)と狼たちが辿りついたジャガラのドームは
それまでの寒々とした光景からは信じられないほど
明るく清潔で世界が滅びに瀕してるとは思えない場所で。
ある意味ここは
人間にとっては楽園かもしれないとか思ったり。
でもドーム内が上下の階層で完全に隔離されていて
市民のIDが無いと上の階層に入れなかったりとか。
つまり外からやって来た人は必然的に下の階層であるとか。
その下の階層はドームのキレイさとは裏腹にスラムみたいとか。
上の階層も表面的はまるで洗練された都市のようだけど
なにかを失って
ただ生き続けてるだけみたいだったりとか。
よくある未来社会の悪い可能性のひとつを見てる感じ。
ここもしょせんは楽園の偽物ってことなのだった。
この場所に役者が集まったのは
チェザがジャガラに攫われたのを追ってきたのだけど
それとは別にここには狼を集める罠が存在していた。
理由は
貴族にとっての楽園を開くために必要だったから。
そして条件が揃いジャガラの城で楽園が開こうとしていた……
放送時のクライマックス(8巻の最後)はそんな感じ。
なにひとつ答えは提示されないけど、
ここで見るのをやめる方が
ある意味では幸せかも。
その先を自分の勝手に妄想すればいいわけだから。
エヴァだって最後の映画を見る前と見た後では
未来の可能性としての妄想の余地が全然違うわけで。
(当時はムーブメントに止めを刺したとか言われた)
つまり9巻以降を見る場合はその覚悟が必要です。
どんな結末になろうと見届けるんだと言う強い意思が。
詳しいコトはあえて書かないけど、そーいう展開なので。
前にこの作品はファンタジーやメルヘンだと書いたけど
最後に提示された答えはまさにそんな感じだったっすね。
少なくともSF的な答えを期待するなら見ないほうが良い。
その答えが提示されるまでに至る道程はキツイものだから。
まぁ、ある意味とってもSF的な結末とも言えるけど。
人の思惑など関係なく時間は流れるように容赦ない感じが。
そーいや、
ずっと気になってたことが有ったのです。
それはオープニングに描かれている光景のコト。
どー見ても
現代の日本の街並に見えるんですが。
そこを狼たちが人や獣の姿で歩いたり走ったりしてる。
でもこの作品にはそーいうシチエーションは存在しない。
いったいどーいう意味なんだろう?と思ってました。
最後まで見届けて、なるほどそーいうことか、と。
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総集編に続いて後半。
途中で4話も挿入された総集編について。
それぞれのキャラをクローズアップして物語を見返すのも
作品への理解を深めると言う意味では良かったのかなって感じ。
同じ場所で同じ事を繰り返す作品と違いどんどん先へ進むので、
見落としてたり意味がわからなかったりすることもあるし。
だからそれなりに面白かったと思います。
それで最後まで放送できなかったコトは問題だけど。
ていうか久々に見てて思ったけど
この作品は1枚1枚の絵のクオリティがめっちゃ高いんです。
映像な仕掛みたいのは走らずに
正攻法の美しい絵で攻めてるし。
当時は録画開始したばかりであまりその凄さは実感なかったけど
山ほど作品を録画視聴してみてレベルの高さを思い知ったよ。
なんかテレビシリーズとしてはオーバークオリティのような。
このスタッフが参加してると思われるKURAUですら多少落ちるし。
制作が間に合わなかったのはそのへんにも原因があるのかもね。
話は戻って後半。
ダルシアの城でジャガラ軍が攻めてきて
一堂に会した主要キャラが散り散りになってしまう。
4人(?)の狼たちも旅立ってから初めて4人でなくなってしまう。
で行方不明になったキバ(主人公っぽい人)は楽園みたいな世界に。
それは
実に夢のような光景で。夢のような……
楽園みたいな場所からキバを呼び戻す行為とか、
狼を崇める流浪の民とか、
馬が話し掛けてきたりとか、
前回書いた「SFっぽいファンタジー」を実感させる展開で。
あと最初の「シートン動物記」ってのも間違ってないかも(笑)。
その流浪の民の長老が気になることを言っていた。
古に狼が人になったみたいな話を。ただし貴族は違うとも。
もうひとつ。狼が楽園へ行くと世界が終わるとも。
世界が終わるから狼が楽園を目指す(という伝説もある)のか、
狼が楽園へ行くことで世界が終わるのかはわからないと。
ただ狼が楽園へ辿りついた時に
今の世界は終わるのだと。
ここで変なことを考えてしまいました。
今の世界が終わる、そして外の世界で目覚める。
つまりこの世界は誰かの作った虚構の世界で
みなは一様に虚構の世界を現実だと思って生きている。
世界が終末に近づいた時に狼というプログラムが発動し
みんなを虚構から解き放ち現実に帰る。なんて妄想を。
……
現実と虚構病に毒されてるようで(爆)。
で、実際のところはどーなるのでしょう?
ここまで見てきて思ったんだけど
この作品って現実の延長線上の仮定であるSFみたいなものではなく
どっちかというと
メルヘン(童話)とかファンタジーみたいだよ。
とってもリアル系の空間描写でちょっと勘違いをしてたけど。
迷いの森で梟(の亡霊?)に語りかけられるシーンでアレって思って。
でも考えてみたら、思い当たるふしは結構あったりして。
狼が人の姿をして街の中に紛れて生きるって設定自体がそーだし。
楽園への道を狼だけが知ってるとか、ハナビトとか実にそれっぽいし。
つまりこの作品ってラストエグザイルとかナウシカとかの系統です。
ぱっと見はSFっぽいメルヘンと言うかファンタジーと言うか。
そーいう視点で追っていくとなかなか面白く見えてくる。
男キャラばかりで萌えん!って人もいるでしょうが(笑)。
最初の頃に作品の方向性がイマイチ見えなかったのは、
世界をリアルに構築しすぎて物語の自由度が制約されたせいですな。
と14話からの総集編を見てて実感してみたり。
最初から
もっと嘘っぽい世界観で攻めても良かった気がするけど。
このへんは信本さんの作風(リアルでストイック)なんで仕方ないか。
※信本敬子さんはカウボーイビバップの人
ちなみに14話から17話までが総集編です。
(5、6巻が4話収録で2話ずつ総集編)
フジテレビの深夜枠は潰れまくりで余裕が多少あったはずなのに
それでも
制作が間に合わなかった、ってコトなんでしょう。
絵が荒れるのと総集編でつなぐのとどっちがいい?って感じだけど。
そいや11月からキッズでやるらしいです。
録画したのは消しちゃったので続きは(DVD)レンタルです。
(1巻あたり3話ずつ収録されてます)
前に4話まで見た時の印象はクオリティは高いし興味深いけど、
動きがなさすぎて続きを見るべきか判断に困るって感じだった。
でも日に日に続きが見たい気持ちが膨らんできたのでした。
そんなわけで1年以上ぶりに続きを見てみました。
5話に入って物語の流れみたいなものが見えてきます。
と言うか
4話までは物語の導入部だったと言うか。
5~6話の4人が楽園を目指す旅の途中で訪れる街の話。
ここには人の姿をした狼の群れがいた。
彼らは過去に楽園を目指したけど夢破れたモノたち。
そして予想もしない方法でこの街で生活をしていた。
食べ物がないこの街では、
そうするしか無かったから。
7話で花の娘チェザが再登場。4人と一緒に行動するようになる。
この再会の舞台になるのが険しい山の上にある貴族の空中庭園。
ここはその昔緑に包まれた美しい場所だったのだそうな。
そして、この空中庭園は
チェザが生まれた場所でもあった。
でも今は放棄されただ荒れ果てるばかりの場所だった。
チェザといえば喋りかたに特徴があったり。
なんと
自分のことを「コレ」とか言うんですよ。
世の中にはいろんな一人称の表現があるけど
コレとか言うのは今まで聞いたことなかったすね。
まぁ、チェザって人型してるけど「花」らしいので。
そんな感じで話が少しずつ見えてきます。
今まで聞いたただの名詞が意味のある記号になってきます。
ビジュアル的にも見せるシーンが増えてきます。
特に空中庭園という設定は
それ自体が美術画のようだ。
なんか面白くなってきたって感じ。
このまま続きを見ていくとしよう。
(C/W シマシマ / パーク・アムステルダム)
WOLF'S RAINのEDマキシです。(OPのシングルはありません)
アニメソング方面では定番(らしい)の坂本真綾さん。
OPの曲が欲しい場合はサントラを買うしかないんだけど
サントラを買うと
EDもフルサイズで入ってたりする……
坂本真綾さんのファン以外はサントラ買った方がいいかもね。
曲調は全てまんま洋楽すね。3曲中2曲まで英語で歌ってるし。
ちなみに曲が菅野よう子さんなので、らしいっちゃらしい。
ところでほとんどアニソン歌手なのにアニメ絵じゃないのはナゼ?
(アニメ絵にしなくてアニメファンしか買わんという説も)
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