KURAU Phantom Memory
これでラストです。
最後まで見てみて思ったこと。
というか改めて実感したこと。
この作品で描こうとしてたことは絆なんだなと。
互いにとって存在することが喜びで、
かけがえのない関係。
居なくなってしまったら自分も生きていられない関係。
そんな関係を対で生きるリナクスという仮定で描いてたわけで。
親子の関係を印象的に描いてたのもつまりそーいうことだった。
リナクスであるクラウは本来のクラウの記憶を持っていて。
だからリナクスであるクラウも
本当の親子のように思えた。
そもそも人格は記憶から生成されるのだから当然なのだけど。
クラウが人間的なのも人としての記憶を持ってたからで。
双子のリナクスがその体の持つ記憶を意識する前と後での
行動の違いがあまりに際立ってるのも特徴的だったよ。
そう。あの人間性のカケラも無かった双子のリナクスは
クラウとの戦いの中で人としての記憶を見てしまうのだった。
自分たちがリナクスであり人でもあることを知るのだった。
クリスマスの夜に自分のした事の意味にも気づくのだった。
そして憎しみのためにたった一人の人間に向かっていく。
宇宙船を操り月のドームの中に突入する無茶をしながら
それでも狙ってるたった一人の人
以外を傷つけないように。
ほんの少し前の彼らの行動からは想像もできないことだけど。
この双子との戦いがたぶんクライマックスだと思ってた。
力が互角以上だから戦えばクラウは消滅するほど弱ってしまう。
そしてクラウが消えそうになる時、クリスマスはどーなるのか。
二人で元の世界に帰れるのか?それとも二人とも助かるのか?
(リナクスの)クラウはお父さんに
体を返すと約束をしていた。
この物語の途中でリナクスから返す方法に気づいていた。
だから体を返す展開になる可能性が高いとも思ってた。
実際のところは予想にかなり近い線だったのだけど。
クラウが本来のクラウに戻るのは父親にとって喜ばしいこと。
そのハズだったのに戻った後の
クラウの言葉に愕然とする。
クラウと記憶を共有してたリナクスはもはやクラウでもあって
もう一人の娘が居なくなったようなものだったから。
そして本来のクラウにとってもクリスマスは大切な存在だけど
クリスマスにとってはクラウはクラウであってクラウではない。
最終話のクリスマスの姿は第一話の
クラウの姿を彷彿としたよ。
キレイで穏やかな光景だけど、どこか寂しい感じで。
そしてどーなるのか、結末は自分の目で確かめてください。
そーいや。
リナクスだったクラウはわりと中性的な服装をしてて
本来のクラウが女性的な服装なのがちょっと印象的だったよ。
恋愛よりももっと根源的な欲求として絆を描こうとしたから
あえて性別をぼかしてたのかな、と今にして思ったり。
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ついでにサントラの話を。こっちが1枚目です。
アルバムの印象を一言で表現するなら「上質」って感じ。
この作品は絵もストーリーも音楽も隅々まで丁寧に作られてて
よく吟味した素材を丹念に組み合わせた
上質な商品というか。
ピアノや弦楽器を中心にして音を織り込んだ優しく心地よい音楽なのです。
もちろん穏やかなだけじゃなくてアクションを彩る力強い曲もあります。
そんな力強い曲だとさすがに意識をする瞬間があるけど、
全体にトーンが統一されてるので油断してると終わってたり(爆)。
あまりに心地よすぎるのも考えもんですな。
そんな油断してると終わってしまうほど心地よい内容だけど
アニメを熱心に見てたなら記憶に残ってる曲がいくつも有ると思います。
キャッチャーなわけではなく、バラエティに富んでるわけでもない。
それでも
しっかり音楽が記憶に残ることって有るんだなと実感したよ。
(全曲リスト・コメントは無し)
「Nostalgia」
「懐かしい宇宙」オープニング曲(フルバージョン)
「Mirage」
「War with Loneliness」
「Agent」
「Black Bird」
「Daily Life」
「Lilipri Layli」
「Trouble」
「Victim」
「Affection」
「Battle」
「GPO」
「
Lonely Freedom」挿入歌。このサントラのCMの曲。
「Melancholy」
「Moonlight」エンディング曲(フルバージョン)
にしても最後まで見てからこれ聞きなおすと
結構こみ上げてくるモノが。
「Affection」や「Lonely Freedom」を聞いてると作品のイメージが
フラッシュバックしてきて、まるで条件反射のように涙が……(汗)
こちらは2枚目のサントラ。つい最近出たばっかです。
1枚目に入ってない曲と1枚目の曲のバリエーションで構成されてて
INDIGOの対というコンセプトで作られてるみたいっすね。
ジャケットの絵もINDIGOとCRIMSONで対になってるし。
(全曲リスト・コメントは無し)
「
The Power」このサントラのCMの曲。
「Moonlight~Essence」Moonlightインストバリエーション。
「Tomorrow's Treasures」
「Tender Smile」
「Transition」
「Drag Racer」
「People in Need」Victimのバリエーション。
「Behind Affection」Affectionのバリエーション。
「Evildoer」
「Eternal Darkness」
「Threads of Nostalgia」Nostalgiaのバリエーション。
「Daily Life-Heartfelt」Daily Lifeのバリエーション。
「Fairground」
「Strain」
「Little Heart」
「Dogfight」
「Premonition」The Powerのバリエーション。
「Moonlight~Farewell」Moonlight歌つきバリエーション。
パッケージに「Moonlight」のTVエディット収録とか書いてあるけど
いわゆるTVサイズは収録されてません。
たぶん最後の「Moonlight~Farewell」のことを言ってるんじゃないかと。
エンディングのみの時はフル版と同じく歌の部分から始まるけど
本編から曲が始まってそのままエンディングに繋がる構成が有るので
それをイメージしてエディットしたんだと思われます。
あと次回予告の曲がサントラには未収録です。
そもそも「懐かしい宇宙」の
カラオケバージョン使ってる!?し。
確かカラオケバージョンをBGMにも使ってた記憶があるよ。
(C/W 虹色の惑星、Airplane)
KURAU Phantom MemeoryのOP曲マキシ。
テレビで流れるのを
聞いた瞬間に買うと決めました!
KURAUを良いと思った理由の一端はこの曲でも有ると思うですよ。
ちなみにこの曲自体はサントラ(INDIGO)にも収録されてます。
ほぼ同時期に出たアルバム(エデン)には収録されてないのでご注意。
新居さんのファンでもこの曲が欲しいならこのシングルかサントラを
買う必要があります。まぁ言われなくても買うでしょうが(笑)。
ちなみにすぐ上にも書いて有るけど、カラオケバージョンにも
サントラ的な価値があるのでサントラマニアも買いませう。
(C/W Lilipri Layli、Moonlight~Piano)
KURAU Phantom MemeoryのED曲マキシ。
C/W曲のLilipri Layliは(歌詞のない)挿入歌です。
ED曲も挿入曲もどっちも買うに値するいい曲ですが……
実は両方とも
サントラ(INDIGO)に収録されておりました。
サントラを買うまでに腐るほどリピートしたからいいけどね。
「Moonlight~Piano」もCRIMSONの「Moonlight~Essence」と
ほとんど同じなのでサントラを買うつもりならいらんと思います。
※演奏しなおしたからか微妙に違います
前回に引き続きリナクスの少年が絡んだ展開が。
この少年というのは実は
GPOによって作られたリナクス人間で
それが研究所から逃げ出してクラウのそばに来てたわけです。
だから当然のようにGPOの追っ手がクラウ達のそばに迫る。
もちろんクラウが生きてることは知らないので偶然だけど。
この少年がGPOに捕まりそうになった時。
なんとクラウは助けに行ってしまうのでした。
クリスマスを対にしようとして追い掛け回したり、
クリスマスの対であるクラウを眼の敵にして攻撃したり。
そんな相手をそれでも助けたいと思ってしまう。
クラウが
愛情いっぱいに育てられたのを実感する行動でした。
そして愛されて育ったという意味をすぐ後に思い知る。
今まで出てきたリナクス人間はどちらかと言うと無害なタイプ。
だから人と違うだけで狩られてしまう可哀想な存在って感じだった。
しかし今回新たに出てきた二人(対)のリナクスは違ってた。
人としての行動規範みたいなものを全く持ってなくて
無邪気な幼児のように自分の持つ力をいたずらに行使してた。
それによって人が傷つこうが死のうが全く関知することもなく。
そう。クラウが人として愛されて育った意味とはそこ。
クラウほどの力があって、でも人に愛されず育ってたら。
社会の仕組みとか人間関係とかを全く知らずに育ってたら。
それは今回の対のリナクスのような存在になったのかも。
リナクスは危険だから狩る、それはあまりに一方的すぎるけど。
今回みたいな展開を見てしまうと
一理あるのかなと思えてしまう。
だからクラウたちが狩られるのは当然と言うわけではなくて。
実際クラウを追っていたGPOの人も疑問を持っていたみたいで。
必ず生きたまま捕らえろと言ってた理由を今さら知るのでした。
クラウが絶体絶命になった後の展開にはすっかり驚かされたよ。
まさかクラウとアヤカが一緒に食事できる日がくるなんて!!
結局のところアヤカは親を殺した犯罪者をリナクスに重ねてた
だけで実際にリナクスに何かされたわけじゃ無いようで。
クラウの日常を見てリナクスに対する認識を改めるのでした。
ずっと敵対して来た
二人が和解するシーンに感極まって涙が(汗)。
でその後にリナクスの無邪気な残酷さを思い知らされると言う、
なんとも素晴らしいというか、イヤらしい展開だったり……
さてついにあと4話です。
引き続きGPOから逃げる展開が続きます。
そして逃げる途中でクラウとクリスマスが乗った船が爆発してしまう。
もちろんクラウ達の肉体も粉々に吹き飛んでしまうのだけど
拡散した光が再び収束して肉体を再生してしまうのでした。
つまり人であることに固執しなければ死なないってことなのかな?
まぁしかし、
服をどーしたのか気になって眠れません(笑)。
GPOはその事故でクラウ達が死んだと思い追跡を中止してしまう。
そのおかげでクラウ達には
しばしの休息が訪れるのでした。
地球のクラウの叔父さんの家での久しぶりの穏やかな日々。
ここは山間の緑に包まれた場所でクラウが小さい頃に過ごした場所。
(研究材料にされないようにお父さんが密かに預けに来たのでした)
つまりOPに出てくる緑の草原のシーンってここなのかな?
実はクラウの叔父さんというのが元エージェントで。
自分の力が人を傷つけるだけだと思いこんでたクラウに
その力は
人を助けるためにも使えるのだと教えてくれた人だった。
クラウがエージェントになった理由ってそー言うことだったのか。
これもそうだけど、この作品ってキャラ描写がすんごい丁寧っすね。
そしてもう一つ思ったのが、
この作品は大人が魅力的ってコト。
クラウのお父さんも素敵だし、叔父さん夫婦もとてもいい感じ。
そしてクラウを助けてくれたダグも頼もしい存在でありました。
大人の存在感が無いとか、邪魔な存在とか敵とかじゃなくて
頼りになる、手を差し伸べてくれる存在、ってのがいいっすね。
まぁ、クラウも20過ぎなので子供とは言い難いんだけど(笑)。
クラウ達の休息の日々にイヴォンという少年が割って入ってくる。
彼は対を無くしたリナクスで対を求めてクリスマスを追いまわした。
クリスマスは対がいるからと拒絶するんだけど彼は諦めなかった。
でその後どーなるかは、まぁ自分の目で確かめてください。
対って最初から決まってる(わかってる)のかと思ってたけど、
その後の展開を見ると互いに対がいなければ
新たな対になれるようで。
なんかまるで恋人みたいだね。
そしてもう一つ新たな事実が。
それは自覚のないリナクス人間もいるってこと。
クラウもそうだけど人間だった時の記憶が残ってるってコトは
リナクスだったことを忘れれば人間だと思う可能性もあるわけで。
だけどリナクスには同種の存在(リナクス人間)がわかるわけで
二人が出会ったことで初めて自分が何か自覚するなんてコトも。
この出会いのエピソードは
とても素敵でそして悲しい内容でした。
しばらくずっと逃げる展開が続いてます。
最初のうちは行った街に生活の基盤を作ってたんだけど
だんだんそんな余裕も無くなって
追い詰められていって。
ついにクラウとクリスマスは捕まってしまう。
クラウだけが移送の途中で目が覚めて逃げ出せたけど
クリスマスは月のリナクスの研究施設へ運ばれてしまう。
クラウは逃げる前に何とかクリスマスを助けようとして、
でも傷ついて街の片隅に落下して(飛んで逃げたので)、
その時自分の額の血を見て
「わたし人間みたいね」と言う。
今までリナクスが人間の形を取ってるみたいに思ってたけど、
人間の体にリナクスが融合してしまってるってコトなのかな!?
人間のクラウの記憶を持ってるって設定はそーいう意味か。
クラウはクリスマスを助けに月へ行き父(天箕博士)と再会する。
そして短い間だったけど親子で一緒に過ごすことになる。
危険を避けるために会いたくても会えなかった二人だから。
やっと会えて、互いを思いやる姿は見ててジーンとするよ。
ホントの意味では親子ではないんだけど
素敵な親子像のようで。
そんな関係を見てたクリスマスも天箕博士をお父さんと呼ぶように。
前回はあえて書かなかったけどリナクスと言うのは対の存在があって
クラウ(リナクスの)にも対の存在がいるのです。
その対の存在は例の実験の際に一緒にクラウの体の中に入りこんで
ずっとそこにいたんだけど何年も眠ったままで姿を表さなかった。
やっと姿を見せた対はクラウの小さい頃の姿をしていたのです。
クラウは彼女にクリスマスと名づけ彼女だけは絶対に守ると誓う。
目前で傷つくクラウを見てクリスマスもクラウを守りたいと思うように。
そんな展開なもんで
百合チックアニメの称号を頂いてたりします(笑)。
でも、そもそもリナクスに性別はあるんでしょうか?
リナクスが入った体が女の子だったから女性型をしてるだけのような。
クラウなんか青年と言っても通用しそうな中性的な外見だし。
実は中性的なルックスってめっちゃツボなんですよ!(爆)
クラウとクリスマスというのも本来二人で一つの存在なのかも。
クリスマスがクラウの小さい頃の姿と言うのも実にそれっぽいし。
まぁ、
同性愛と自己愛には関連があるという文章を以前書いた
ことあるので、それなりに筋が通ってる設定だとは思ったけど。
リナクスといえば、クラウ達が追われる展開になって
それはリナクス人間であるというのが理由なんだけど
それって
リナクス人間がクラウ達以外にもいるってことか?
捕まえられるような問題行動を起こしてる人もいるのか!?
(特殊な力を持ってるだけで追われる理由にはなるけど)
捕獲部隊の隊長さんもリナクスになんか含みがあるみたいだし。
過去にリナクス絡みでなんか有ったんでしょうか!?
8話でこの人の子供の頃の出来事(事件)の話が出てきたよ。
でもこれがリナクスと関係あるのかはちょっと分からなかった。
まだまだ分からないことばかりです。
7月からテレビ朝日(のみ)で木曜日の深夜に放送してる新番組。
アニマックスでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
主人公の少女クラウが父親(博士)の仕事の見学に来てたその日のこと。
新エネルギーの実験に何らかの異常が生じ、装置から飛び出した光は
クラウに衝突し体を分解してしまう。その光は再びクラウの姿になった。
心配で駆けつけた博士に向かいその少女は「私はリナクス」と言い
元に戻して欲しいとの願いに、どーしたらいいかわからないと答えた。
リナクスであるクラウは人間離れした
卓越した身体能力を持っていた。
そしてその少女は次第に以前のクラウの記憶を持つようになっていく。
違うとは思いながらそれでも博士はクラウに愛情を感じるようになる。
それから10年。クラウはその力を生かしエージェントとして生きていた。
むむー。これ凄い好きかも。
世界設定とか、雰囲気とか、キャラメイクとか、全てにおいて。
特別な力を持ってるがために
追われる存在だったりとか
それでも社会に潜伏しつつその力を使って生活していく
みたいな設定がまさにツボって言うか。
吸血鬼とか超能力者のような特別な力を持った存在と言うのは
いつの時代でも狩られる存在と言えないこともないわけだし。
ウイッチハンターロビンがまさにそれやってたけど。
あと特筆すべきは、ぱっと見でも分かる映像のクオリティの高さ。
キャラの些細な仕草や歩きかた一つとっても凄いデキいいです。
ダビングミスでロストして評価不能な「お伽草子」を除外すれば
ほぼ間違いなく今期一番のデキではないかと思われます。
それもぶっちぎりで。今年の作品でも現状で三本指に入るし。
ちなみにこれのシリーズ構成(4話までの脚本も全部)の吉永亜矢さんって
ウイッチハンターロビンをやってた人です(クレジットはチーフライター)。