4月から一部の民放(4局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
原作はスクエニ系(ヤングガンガン)のマンガで1巻だけ読みました。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(1巻はリリース済)
北海道の某所にあるファミリーレストラン「ワグナリア」
そこで働いてる人たちは個性的というには常軌を逸した人たちばかり。
身長が足りなくてたびたび人に仕事を変わってもらってる人だったり。
男が怖くて緊張のあまり
鋭いパンチで殴り飛ばしてしまう人だったり。
美人で仕事も完璧だけど常に腰に物騒なものを携帯してる人だったり。
物腰柔らかくて愛想も良いけど物知り過ぎで素で真っ黒い人だったり。
食べてばかりで働かないどころか客を蹴り飛ばすような店長だったり。
一番偉いはずなのに滅多に店にいない影が薄いマネージャーだったり。
見た目が怖くて実際に怒ると怖い人が一番まともだったりするぐらい。
高校生なのに小学生サイズの種島ぽぷらに誘われ(ノックアウトされ)
この店で働くことになった(自称)普通人な小鳥遊(たかなし)宗太は、
こんな人たちの中でやっていけるのか?と心配になるのだった。
個性的な人たちが集うという形容はキャッチコピーの定番中の定番で
この作品も公式サイトを見れば分かるようにそう書いてあるわけです。
でも実際に見た人ならこれを「個性」と呼んでいいのか?と思うはず。
それほどに
常識の範疇を逸脱したキャラが並んでる作品と言うわけです。
さらにその人たちが一から十まで変ではないところがポイントなのです。
2割ぐらい変な要素を持ってる以外はいたって普通の人だったりするし。
明らかに異常なキャラ造作ではなく、リアルを誇張したキャラでもなく、
リアルっぽいけど現実から逸脱した要素を持ってるキャラなわけです。
みょーに地に足がついてるので逆に変人っぷりが際立ってるのです。
(地に足がついてないとただの荒唐無稽なキャラでしかない)
変人同士が組み合わさることで化学変化が起こってさらに面白いのです。
それはもう、かたなしクンじゃないけどこの店大丈夫か?と思うほど。
まぁ、かたなしクンだって人のこと言えないほど変人ですが……
ワグナリアのメンバーの中でも最も印象強いのはやっぱ伊波さんですね。
男性恐怖症で男は乱暴で怖いと言いながら鋭いパンチで殴り倒すという。
男性が苦手なので当然ながらお客さんが男の場合なんかとても大変です。
殴りそうになるのを我慢するので精一杯なのでとても仕事になりません。
我慢で(力んで)赤面して涙目で震えてるのが可愛くて誤解しそうです。
(誤解して身を乗り出したりすると昇天させられるけど)
人手の関係で男性客の食器を下げないといけない状況になった時なんか、
片付けていいか聞くところで「お殴りしてよろしいですか?」と聞くし。
その片付けは違うから!と全力でツッコミ入れたくなったですよ(笑)。
この伊波さんとかたなしクンの組み合わせが最悪で最高に面白かった。
かたなしクンは
12歳以上は年増と言い切る残念な思考回路の持ち主で、
(子供を含む小さい生き物全般が好きなのでロリコンとは少し違う)
当然ながら伊波さんは彼の趣向の対象外で冷めた態度になるのです。
見た目はカワイイんだから普通なら仲良くしようと思う対象だろうに。
さらに同じ歳の種島さんは(小さいから)特別にチヤホヤしてるわけで。
元から男が苦手なのにかたなしクンの刺々しい言葉で怒りが増幅する。
好みでない上に殴られるから余計なことを言いたくなるんだろうけど。
二人の間を行き交う負の連鎖は事態をひたすら悪化させていくのです。
それを傍から見てる分には腹をかかえて笑うほどに面白いわけで。
もしも現実に伊波さんがいたりこの関係が有ったら逃げたくなるけど。
それに意外といいコンビだと思った。かたなしクンが殴られる以外は。
かたなしクンがあまり気の毒に見えないのは半分は自業自得だからか。
(相馬さんも口は災いの元を身を持って体験してたし)
これの原作ってアニメだけだとわからないかもだけど4コマのマンガです。
旧来の1本ごとに独立したネタで切ってるストーリーの無い体裁ではなく、
4コマごとにテンポを形成するショートストーリーなスタイルの作品です。
よーするに「けいおん!」「ひだまりスケッチ」と同じタイプってこと。
きらら系ではなくスクエニなので
男キャラが多くてアニメでは珍しいけど。
主人公が男で周りに女キャラが目立つのに全くハーレムな構図じゃないし。
まぁ、かたなしクンの場合は自分から望んでそうなってるわけですが……
有りそうで(アニメでは)今まで無かった構図なのが人気の一端なのかな?
いや、まさかトップ争いをするほど人気が出るとは思ってなかったから。
(そこそこウケるとは思ってたけど)
4コママンガはべたっと映像化するには描写や説明が根本的に足りません。
実際にこのアニメの原作でも働いてる描写が少なかったりするわけで。
そのへんはアニメではかなり描写を足してあってちゃんと働いてます(笑)。
当たり前と言えば当たり前だけど動きがあるので実にアニメらしいです。
普通のマンガに比べて4コマは動きが省略されたり簡単になりがちなので、
アニメでは動きをしっかり描写してキャラを生き生きと見せてるのです。
例えば種島さんの仕事を教えてるとこで
背伸びしても手が届かないとか。
伊波さんのパンチもアニメだと動きがダイナミックで見栄えがいいです。
このへんなんか特にだけどアニメ化したメリットを実感させてくれます。
伊波さんのパンチの構図が毎回やたら力が入ってる気がしますが(笑)。
4コママンガの1回分だとアニメの1回どころか半分にもまるで有りません。
「けいおん!」のようにエピソードを足して膨らませる必要があります。
「みなみけ」(無印)みたくショートエピソードを並べる方法もあります。
で、この作品はどうかと言うと、複数のエピソードを切り貼りしてある。
ただ繋いでるだけではなく
削ったり足したり挿入してたりしてあります。
その回の中心的なキャラのエピソードを集めてリミックスしてるのです。
原作を見ると驚くほどあちこちの内容を切り貼りしてるのがわかります。
原作のテイストに忠実だし内容も使ってるけど構成はかなり違うのです。
まぁ、エピソードの前後関係が無いので特に問題は出てませんが。
せっかく1巻分だけ対応を確認したので書いておきます(登場順)。
1話。原作17品、1品、3品、2品、5品。
2話。原作5品、7品、6品、10品、12品。
3話。原作18品、4品、13品、8品、9品、16品、19品、15品。
4話~6話はすでに大半が1巻の内容じゃありませんでした。
3話までに(部分的なのもあるけど)1巻の大半は使い切ってるから。
アニメで原作より登場人物の出番が前倒しになってるのは定番すね。
1話から(まさに)キャラ紹介的にレギュラーキャラが全て登場してるし。
実はアニメだと1話から登場してる
相馬さんって原作1巻にいないのです。
つまり1巻分の3話までの登場シーンは全て描き足した部分ってことです。
他にもキャラの登場がさりげなく追加されてる部分が随所に有ります。
(キャラ紹介にCV無しで載ってる松本さんも毎週さりげなく出てる)
構成を大幅に組み直したことでキャラを実感させやすくもなってます。
舞台を原作より現実っぽく描いてるので変さも余計に引き立ってます。
この作品の場合は現実っぽくしたのと再構成が効果的に効いてますね。
ちなみにこの作品もサントラが限定版DVDに付属しています。
それどころか
主題歌CDすら限定版DVD(1巻)に付属しています……
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